TATERU、レオパレス、大和、パナソニックも…賃貸住宅のIoT化で家賃はいくら上がる?

iot
少しずつ日本でも存在感を現してきた賃貸住宅におけるIoT。家電メーカーはもちろん、住宅メーカーも続々とIoTの導入に踏み切っています。中でも「TATERU」「レオパレス」「大和」「パナソニック」の4社は、IoT賃貸の提供に積極的です。対する不動産オーナーの心情としては「家賃が上がるなら導入したい」という方がほとんどではないでしょうか。

果たして賃貸住宅をIoT化することで家賃はいくら上がるのか。難しい疑問ですが、今回は先の4社の例を挙げつつ、賃貸をIoT化することでいくら家賃が上がるかを考えてみたいと思います。

TATERU、レオパレス、大和、パナソニックのIoT賃貸

昨今、多くのアパート建築会社やハウスメーカがIoT賃貸を提供し始めています。まずは有名4社のIoT賃貸の内容を見てましょう。

【TATERU】
IoT賃貸を提供する会社として有名なTATERU。不正融資事件で不動産投資案件の業務停止命令を受けたものの、「アプリではじめるIoTアパート経営」と銘打ったIoTアパートの建築を請け負っています。スマートフォンでの操作を始めとして、タブレットやスマートスピーカーなどをセットにした「TATERU kit」でIoT賃貸を実現しています。
【レオパレス21】
レオパレス21では、「Leo-LINK」(レオリンク)と名付けられたIoT機器が導入された賃貸住宅を提供。主にスマートフォンでの操作をベースとした家電操作やセキュリティ対策を可能にしています。
【大和ハウス】
大和ハウスの提供するIoT賃貸「IoTD-room」。インターネット使い放題の「D-room Wi-Fi」と「スマートスピーカー&マルチリモコン」を標準装備した賃貸住宅を提供しています。
【パナソニック】
パナソニックでは「スマート・グラン」というブランド名でIoT賃貸住宅を提供しています。家電の操作などは全てスマートフォン。シンプルながら住まいの広範囲におけるIoT化が魅力的な賃貸住宅です。

IoT賃貸の定義とは?

賃貸住宅のIoT化といっても、実際のところ定義は曖昧です。IoTは主にWi-Fiに接続してスマートスピーカーや各メーカーの家電を操作します。そのためインターネットに接続できる環境さえあれば、IoTと呼ぶことが可能なのです。極論、スマートロックやIoT照明が付いてさえいれば「IoT賃貸」と名乗る物件も出てくる可能性すらあるでしょう。

対する賃貸ポータルサイトを確認しても、IoT賃貸の定義に触れるサイトは一つもありません。唯一、athomeがIoTの用語を解説してはいますが、やはりIoT賃貸の定義は曖昧過ぎるのが現状です。そこで先ほどご紹介した企業のIoT賃貸の内容を見てみましょう。

TATERU「TATERU kit」
CENTRAL CONTROLLER 家電管理や各種情報をお知らせするタブレットタイプのゲートウェイ
Amazon Echo スマートスピーカー
NATURE SENSOR REMOTE CONTROLLER 各種センサーで家電を管理する
TAG SECURITY 窓の開閉や振動で室内の異常をお知らせする
SMART LIGHT 照明の明るさ調整や消し忘れをスマホで操作
SMART LOCK スマホや電子マネーカード、テンキーなどで鍵の施錠、解錠できる
レオパレス「Leo-LINK」
LeoRemocon スマートフォンやタブレットを操作して、室内や外出先から家電をコントロール
Life Stick 動画コンテンツを楽しめるスティックタイプのデバイス
Leo Lock スマートフォンでドアの施錠、解錠ができるスマートロック
クラウド型防犯カメラ 防犯映像をクラウドサーバーで保管・管理
大和ハウス「IoTD-room」
D-room Wi-Fi インターネット使い放題
スマートスピーカー&マルチリモコン 詳細不明
パナソニック IoT賃貸住宅「スマート・グラン」
スマート設備コントロール 外出先からエアコンや照明、風呂の湯はり、照明ON/OFFなどが可能
スマート宅配ロッカー 宅配ロッカーでの宅配物受け取りや発送、荷物到着のメール通知などが可能
スマートキーシステム エントランスや自宅玄関の会場などをスマートフォンで操作

各社で若干の違いはありますが、概ね家電操作やスマートロックがメインとなります。少なくともスマートフォンなどで家電が操作できる、そして鍵の解錠や防犯カメラの操作などができて初めてIoT賃貸と定義付けられると言ってよいかもしれません。

賃貸物件のIoT化で家賃はいくら上がる?

では、実際にIoT化された賃貸物件の家賃がいくら上がるかを考えてみましょう。賃貸物件のIoTについて何をもってIoT化されていると定義づけるかが問題ですので、ここでは一旦「IoT物件である」と広告を打っている物件をIoT賃貸と定義して、実際の募集家賃と周辺の家賃相場とを比較して見たいと思います。以下は2019年8月11日時点で空室となっている物件の比較です。

さいたま市北区
  IoT物件 同様の物件A 同様の物件B
間取り 2LDK 2SLDK 2LDK
専有面積 約60㎡ 約60㎡ 約65㎡
向き
築年数 14年 20年 18年
駅徒歩 8分 6分 13分
賃料 8.5万円 8.2万円 9.5万円
管理費 0.4万円 0.3万円 0.4万円
平米単価 1419円 1355円 1470円
東京都府中市
  IoT物件 同様の物件A 同様の物件B
間取り 1SLDK 2LDK 2LDK
専有面積 約65㎡ 約61㎡ 約56㎡
向き 南東
築年数 新築 新築 新築
駅徒歩 14分 3分 1分
賃料 10.7万円 13.2万円 16.5万円
管理費 0.5万円 0.5万円 0.9万円
平米単価 1652円 2177円 2970円
千葉県流山市
  IoT物件 同様の物件A 同様の物件B
間取り 1K 1K 1K
専有面積 約32㎡ 約31㎡ 約26㎡
向き 北東 南東
築年数 1年 3年 2年
駅徒歩 6分 6分 6分
賃料 7万円 6.4万円 7万
管理費 0.3万円 0.2万円 0.6万円
平米単価 2192円 2034円 2667円

3つのIoT物件とその他条件や立地が近い物件を比較しましたが、それぞれ物件の良し悪しがあるため一概にIoT物件が高い安いという判断はできません。1つ言えるのは、IoT化したからといってプレミア家賃が設定できるわけではないという事実です。仮にそれぞれの物件家賃を1万円前後上乗せ(坪単価200~400円アップ)したとしても、今時点で空室なのですから入居者は決まらないでしょう。今の家賃水準で引き続き募集するか、タイミングを見計らって家賃を下げないと入居者が決まらない可能性があるとも言えます。

賃貸物件は必ずIoT化すべき?

賃貸物件をIoT化したということだけでは、確実に家賃値上げや空室対策になるとは言えなそうです。例えば、仕事などで外出している時間の方が長いサラリーマンには、IoT賃貸に必ずしも需要があるとは限りません。また物件のあるエリアが、立地が悪くて元々家賃の安いエリアとして認識されていれば、IoTを導入したところで入居者は決まらないでしょう。何故なら入居者が住環境の利便性を求めるなら、まずは立地の良さを選ぶはずだからです。立地を犠牲にしてまでIoTを選ぶ人がどれだけいるでしょうか。

賃貸住宅のIoT化は確かに差別化の手段としては有効です。ただ明らかに一般的な賃貸需要から外れた物件なら、IoTを導入してもあまり効果は期待できないでしょう。IoTを導入するなら、似たような物件が乱立していて入居者の獲得競争で差別化を図る時。無理にIoT化する必要はありません。もし地方エリアの賃貸住宅で入居付けに困るようなら、まずはその土地ならではの良さやその地域だからこそ求められているニーズを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

Source: 不動産投資を考えるメディア

不動産投資に興味のある方はこちら

設立5年で上場し、売上200億円を達成した不動産業界で大きな注目を集めるベンチャー企業
が運営する「Renosyの不動産投資」のプロモーションです。
【不動産投資の勉強動画】 https://www.youtube.com/embed/H33LUlx9bXU
【テレビCM「Renosyの不動産投資」】 https://www.youtube.com/embed/Wz8s2AuPdFE
◆Renosyの5つの強み◆
1.テクノロジー×不動産による効率化 物件情報の管理ツールや社内運用システムを自社で独自開発しており、 削減した運営コストをお客様の投資運用コスト削減に還元しています。
これらの開発によりご提案からご契約、その後のサポートまでの流れを効率化しています。
2.データに基づいた堅実な不動産投資 物件情報を独自のデータベースに蓄積し、より堅実な不動産投資ができる物件を選び抜いています。
物件の「収益性」と「資産性」を客観的に評価するための独自のスコアリング手法によって、 将来にわたり安定した収益を期待できる価値の高い物件をご提案させていただきます。
3.主要都市の希少な中古ワンルームマンションに特化 ワンルームマンションは不動産投資の中で最も小さい区分所有です。
サラリーマンやOLの方など、一般の会社勤めの方でも少額の自己資金で無理なく投資が始められます。
また、主要都市のワンルームマンションは人口集中、建築規制の観点から 今後も希少性が高くなることが予測されており、安定した需要と資産価値の維持が期待できます。
4.複雑な不動産投資&管理をアプリやウェブでサポート Renosyで投資したお客様だけが利用できる無料アプリ「Renosy Insight」を使えば、 所有物件の管理や収支シミュレーション、最新の投資物件情報のご提案までこのアプリ一つで完結します。
株式投資などと異なり自分の投資状況の視覚化が難しい不動産投資ですが、 Renosyなら、アプリやウェブで楽しく不動産投資をすることができます。
5.充実の賃貸管理サービスが月額一律1,080円(税込) わずらわしい賃貸管理業務は、家賃の金額に関わらず月額一律1,080円(税込)でRenosyが全面サポート。
オーナー様は家賃収入を得るだけで、お仕事をしながらも安心してマンション経営を行なっていただけます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です