朝鮮日報

看守と囚人がそろって脱北、激怒した北は中国に逮捕班を送って大々的な逮捕作戦

遼寧省・吉林省で数十人が捕まる

当事者らは無事に第三国へ到着

 最近、咸鏡北道の地域保安署(警察署)の拘留場から、看守が自分の監視していた収監者と共に脱北する事件が起き、北朝鮮公安当局が大々的な逮捕作戦に乗り出したことが10日までに分かった。咸鏡北道で中国の携帯電話を利用して外部と通話し、逮捕されて拘留場に収監されたA氏を、7月中旬に係要員(看守)が自由にしてやって一緒に脱北したという。中朝国境地域の事情に詳しい北朝鮮の消息筋が10日に明らかにした。

 この消息筋によると、A氏は中朝国境地域で活動するブローカーで、韓国・中国に住む脱北民が北朝鮮内の家族へ送金する業務を仲介してきた。今年7月初めに外部と通話して保安員(警察)に摘発されたA氏は、裁判で4年の労働教化刑を言い渡され、拘留場から教化所(刑務所)へ身柄が引き渡される直前、脱出したと伝えられている。

 対北消息筋は「どういう取引があったのか分からないが、A氏は保安省の軍人身分である看守B氏の助けで脱獄に成功した。この事件で北朝鮮当局は大変なことになり、激怒した金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が『死体であっても探してこい』と指示を下した」と語った。

 中国に急派された逮捕班は中国公安(警察)や武装警察の支援を得て、遼寧省や吉林省一帯で大々的な逮捕作戦に乗り出したと伝えられている。北朝鮮人権団体の関係者は「7-8月だけでも中国公安の集中取り締まりで、韓国行きに乗り出した数十人の脱北民が逮捕された」と伝えた。なおA氏と看守B氏は、第三国に滞在しているといわれている。

キム・ミョンソン記者
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