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失格紋の最強賢者 ~世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました~ 作者:進行諸島

第二章

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第119話 最強賢者、リーダーを任せる

「大体、予想通りの時間だな」


魔族を倒し、結界を起動した日の翌日。

俺達は学園生とともに、王都近辺にある平原へと来ていた。


言うまでもなく、昨日魔道具を埋めた――つまり、魔物が出現する場所の近くである。

魔力の流れを見る限り、魔物が出てくるまでは、あと30分といったところだろう。

ほとんど予想通りだ。


「魔物は、見当たらないな……」


「こんなに平和そうな感じなのに、本当に魔物なんているのか?」


「マティアス君が出てくるって言ってたんだし、出てくるんじゃないかな……」


そんな中、学園生たちはあれこれ話しながら、陣形を組んでいる。

まあ陣形とはいっても、今回使うのは、かなり簡易的なものなのだが。

例の誘導魔法を使う以上、あまり複雑なものは必要ないからな。


「ほ……本当に、僕がリーダーでいいんですか?」


学園生達を見て、俺の近くにいた生徒の一人が、心配そうに俺に聞く。

今回の作戦のリーダーとして指定された、メイラードだ。



「ああ。この平原に魔物が現れてから、平原の魔物がいなくなるまでは、メイラードがリーダーだ」



俺は学園をやめる予定だし、ルリイ達もリーダー向きというわけではないので、学園生の中からリーダーの素質がありそうな生徒を選んで、リーダー候補にした。

メイラードは、そのうちの一人だ。


「はい! マティアス先生!」


ちなみにメイラードは、なぜか俺を先生扱いしている。

というか、最近はメイラードに影響されたのか、生徒の半分くらいが俺を先生扱いしている気がする。

俺はあくまで、生徒枠なのだが……。


そんなことを考えながら、俺は生徒たちから離れて、魔物の発生地点や生徒達の様子を見る。

俺とルリイ、アルマ、イリスは、今回の第一波討伐の作戦からは除外されることになっている。

第二波については、伝えていないが――


「最後にメイラード、不測の事態への対処は、覚えてるか?」


「はい! 躊躇せず、学園生を連れて王都に逃げる、ですよね!」


こういうことになっている。

最初から第二波の襲来が分かっていては、せっかくの訓練が台無しだからな。


集団で撤退するというのは、けっこう難しいのだ。

今回は第二波との戦闘を俺達が全て引き受けてしまうため、難易度は大きく下がることになるが、体験しておくのはいい経験だろう。

――そんなことをしている間に、魔物が姿を現し始めたようだ。


うん。弱そうな魔物だな。

これでは、俺達が倒しても面白くも美味しくもなかっただろう。

だが、生徒達にはそう見えていないようだ。


「なんだあの数!」


「めちゃくちゃ多いぞ!」


次々に現れる魔物を見て、生徒たちがうろたえ始める。

魔物の数は、およそ1200といったところ。

戦闘に参加する生徒数は150人ほどなので、一人につき8匹ほど倒せばいい計算だ。


「うろたえるな! 魔物の数は、マティアス先生の予測とほぼ完全に同じだ! 予定通りに討伐するぞ!」


生徒の多くがうろたえる中、メイラードが叫ぶ。

すると生徒たちは落ち着きを取り戻し、予定通りに魔法を撃ち始めたようだ。

遠距離攻撃に向かない失格紋の生徒は、魔法の撃ち漏らしを倒すべく、前へと出て行く。


やはりメイラードも、リーダー候補となるだけある。

なかなか頼りにされて――


「マティアスが倒せるって言ったんだ! 倒せる!」


「マティアス先生が設置した、魔道具だってあるんだ!」


「みんな、マティ……メイラードの指示に従うぞ!」


「よっしゃ、倒すぜ!」


……あれ?

想像してたのと違うな。

まあ、何だかんだで命令はしっかり通っているようなので、よしとするか。


そんな感じで、魔物は次々に倒されて、その数を減らしていった。

――そして、そろそろ本命が登場する頃だ。

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