運転士は、「まだ解明されていない事故原因よりも、もっと報じるべき情報があったのではないか」と言い、「東京・横浜間や、羽田空港・横浜間のように、今回の事故によって輸送が途切れてしまった区間の代替ルートを繰り返し報じるだけでも、受け手に有益な情報を提供できたのではないか」と指摘する。
また設計技術者は、「鉄道の実務経験がない専門家がテレビに出演して、電車の構造などについてあれこれ憶測で語っても、正確な事故原因は見えてこないし、あらぬ誤解を招く恐れもある」と述べた。
たとえば、2005年にJR福知山線で脱線事故が発生したときは、テレビ番組で一部の専門家が「(軽量化した)ボルスタレス台車に問題がある」と、あたかも電車の構造が事故原因であるかのような誤解を招く発言をしたことがあった。
もちろん、電車は定められた安全基準をクリアするように設計・製造されているので、この指摘は正しくない。ところが残念ながら、その後も同様のことがメディアで繰り返されている。
いずれにしても、この事故の調査が円滑に進み、同様の踏切事故が少しでも減ることを期待したい。