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ミッツ・マングローブ「聖子節・明菜節・フミヤ節の近況」

連載「アイドルを性せ!」

ミッツ・マングローブ週刊朝日#ミッツ・マングローブ
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

※写真はイメージです (Getty Images)

※写真はイメージです (Getty Images)

 さらにもうひとり忘れてならない存在が。藤井フミヤさんです。あの癖があるような、ないような「フミヤ節」こそ、90年代日本男子の歌唱力を底上げしたと言っても過言ではありません。当時の黒服やホストの発声法は、フミヤ7割の吉川2割、そして尾崎豊1割でした。同時期・同系譜ではカールスモーキー石井さん、そしてB’zの稲葉浩志さんも「フミヤ節」の進化形だと捉えています。

 先日、初めてフミヤさんのコンサートに伺いました。知ってはいたけどフミヤさん、改めて独特な声質の持ち主であることを実感。終始、あるはずのない子宮が疼きました。しかも、ちっちゃな頃から慣れ親しんできた「フミヤ節」が、いつの間にかとてつもない進化を遂げているではありませんか!

「フミヤ節」の肝と言ったら「い」と「う」を「巻き舌」する発声法です。♪君のことを守りたい~♪の「いウィ~」や、♪誰のためでもなく~♪の「くウゥ~」。確かに年々その部分の倍音加減が増幅しているなとは感じていたものの、私が生で聴いた限りでは、もはやそれはモンゴルのホーミーでした。特に『夜明けのブレス』と『Another Orion』。早急に「フミヤ節世代」は歌い方をアップデートする必要があるでしょう。何はともあれ、藤井フミヤの「性(さが)」全開のステージでした。ひょっとすると真剣にホーミーに取り組んでいたりして……。

週刊朝日  2019年9月13日号


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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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