後ろ向きでは無かった… | 彼岸花

後ろ向きでは無かった…

テーマ:万里の先

山崎由佳理のプロフィール

彼岸花

人生最大の嫌な思いをして、洒落にならないくらいダメダメになった。
回復してきたのはいいが、今度は恨み節全開な上に、気持ち悪い女どもが嫌で嫌で困った。
この二年半、時間を随分無駄にしたなと思ったけれど、実はそうでもなかったようだ。 

あたしは基本的に呑気な前向き人間で、細かいことはどうでもいいし、他人のことは全く気にならん人間だったのだけど、途中から変わってしまい、この二年半なんてホント最悪だった。
嫌なことをされても直ぐに忘れていた人間が、忘れられないという恐ろしい事態に陥ったのだから。
夏に雪が降るくらい恐ろしいことだったわ。

毎日、毎日、されたあれこれを思い出すし、やられ損した自分だけが、いつまでも苦しんでいるような気がして悔しくてたまらなかった。
無自覚のままやるだけやって去っていった者達が、昨日も今日も、自分のした事がどんなものだったのかを考えることなく過ごしているかと思うと、殴りたいほど憎らしかった。

こんな日々だぞ。
大損こいたわ!と思わないはずがない。

しかしだな。
どうやらあたしは諦めることなく、理不尽な奴らへの復讐に執念を燃やしていたらしい。 
女らしさからは残念なほど離れてしまったが、この燃え尽きることのなかった執念が、あれ?気付いたら結構カッコいい自分になってない?ってことになっていたようだ。

だってほら、こんなことする人いないもんね。
大概は泣き寝入りでしょ~。
なのにあたしってば、よーへいをいつも突き飛ばして、納得いかんのじゃ!と言い続けてたもんね。
別にやり込めようとかじゃないけどさ、現実というものを叩きつけてやりたかったわけよ。
身の程を知れよと。
どれだけ汚く身勝手で理不尽な人間だったかを思いしれよと。

夫はしっかり読んでくれているようで、ブログ消してよと言われたけれど、それはあたしのプライドにかけて出来ん!と言ったもんね。
無念さを残したまま、あの世へなど行けんのじゃ。
かといって、野蛮なやり方は現代的ではないので、危ないものは使わないよ。
ブログだけで十分。

あたしはとても前向きに復讐を考えていたようだね。
良かった~。
めっきり後ろ向きになったような気がしていたけれど、いたって前向きだったみたい。


だけど、世の中には後ろ向きな人が多いね。
そんな人はやっぱり一度米作りとか、野菜作りして、食べ物と向き合った方がいいね。
どんなにどん底にいても、作物と向き合うと命を貰えるよ。
どんなにつまらない世の中だと思っても、作物と向き合うと命を貰えるよ。
そしてお腹がすく。
その時に食べるご飯がどれだけ美味しいか。
素晴らしい言葉をもらうより、一粒のご飯が心を救うよ。
嘘だと思うならやってみるといい。
自然が、作物が、生きるということを教えてくれる。

新之助は是非食べてみてくれ。
コシヒカリは定番だし。 
めちゃくちゃお腹をすかせて食べるご飯は、間違いなく全ての人類を幸せにする。
今の日本はそういうものを捨てていっているのが悲しいね。

テレビやスマホの画面に幸せなんて無い。
あたしはこれを書いているけれど、ここに幸せがあるとは全く思っていない。
生きることの尊さは、命あるものに触れることでしか知ることは出来ない。
人が忘れていったものは、人からは知ることは出来ない。

人間が目を向けなくなっていくものには、いつも大切な光があるのに。
それを忘れない…そんな世の中だったらいい。
復讐を誓いながら、そう思う今日この頃だった。