レッドブル・エアレースの終了記者会見が10日、東京都内で行われ、室屋義秀(46)がシリーズに足かけ12年関わった感慨を述べるとともに、来年以降もパイロットとしてのチャレンジを続けることを明らかにした。
8日に決勝が行われたシリーズ最終戦・千葉大会で優勝。有終の美を飾った室屋は晴れやかな表情でステージに登場し「(決勝初戦の)ラウンド・オブ14で負けた後(敗者復活の)ファステストルーザーに残ったことはまさに奇跡だった。千葉では通算3回勝てたが、常に観客からパワーをもらった。満足感のある終わり方ができて良かった」と締めくくった。
4戦に短縮された今季は3勝を挙げ、勝率は7割5分という驚異の高勝率となったが、年間王者はマット・ホール(オーストラリア)に渡り、室屋は総合2位に敗れた。その差わずか1ポイント。
「悔しいけれど、今ではむしろ負けて良かったと思えている。今後長く飛び続けるための極めて強いモチベーションをこの1ポイントが与えてくれる。勝ってしまうと、僕、駄目になっちゃうから」
そして、来年以降の新しいプロジェクトが水面下で進行中という。「パイロットとして来年以降もチャレンジしたい。シーズンの初めには記者会見して正式発表できると思う」と明言。エアレースは終わっても、室屋は空を飛び続ける。 (明村馨)