『日本国紀』読書ノート(番外編) | こはにわ歴史堂のブログ

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【番外編】サビエルが見た日本人の書簡は、インドのゴアに送られた手紙

 

実はビジネスジャーナルさんから『日本国紀』の「書評」の依頼を受けて、その中で指摘したことなのですが…

 

 「この国の人々は、これまで私たちが発見した国民の中で最高の人々であり、日本人より優れている人々は、異教徒の中では見つけられないでしょう。彼らは親しみやすく、一般に善良で悪意はありません。」(P149)

 

これは、ルイス=フロイスではなく、フランシスコ=ザビエルの書簡に書かれたものです。

と、書評で指摘させてもらったのですが、友人から、

「ちゃんとフランシスコ=ザビエルになっているよ。」

と連絡をもらいました。

「あ、じゃあ新しい版で訂正されているんだ。」

と、ほっとしたのですが…

まてよ。ルイス=フロイスのところをフランシスコ=ザビエルに差し替えただけじゃないやろな… と、いやな予感がしたので、その友人に写メを送ってもらいました。

 

「あー、やっぱりか…」

 

これ、わたしも以前に講演会でやっちゃった失敗で。

 

「彼が本国のイエズス会に書き送った中から…」(P149)

 

これ、実は違うんです。

この手紙、15491115日にインドのゴアのイエズス会員に送った書簡。

ローマ教皇庁あるいはスペインのイエズス会に送った書簡・報告書じゃないんです。

すいません。

「細かいことが気になる、ぼくの悪いクセ」

でも、ミルワードの『サビエルの見た日本人』から引用したのなら気づいてほしかったところです。