そりゃ、そうですよね―。大リーグ機構は、提携する独立リーグで今季後半から実験予定だったバッテリー間の距離の変更を、少なくとも来季開幕まで延期していたことが判明した。より打者有利になるよう、アトランティック・リーグ(ATL)でバッテリー間の距離を現行の60フィート6インチ(約18・44メートル)から62フィート6インチ(約19・05メートル)に伸ばすプランだった。地元紙LNPランカスター(電子版)が10日までに報じた。
ホワイトATL会長は「大リーグがこのルール変更の実施を決断するかどうかも、そもそも疑わしい」と語り、同リーグに所属するシュガーランドのインカビリア監督は「導入すれば、このリーグで投げないベテランが出てくるだろう。多くの投手が、従来のルールでプレーする他のリーグやメキシコなどに流出するはずだ」と語った。
ちなみに、バッテリー間の距離は、投高打低を是正するため1893年に50フィート(15・24メートル)から現行に変更されて以降126年間、不変だ。そのため、これ以降を正式な記録と目する米野球史学者も多い。
ATLはマイナーの3A相当と独立リーグでも屈指の高レベルを誇り、過去に大家友和(元エクスポズなど)や、サブマリン右腕の渡辺俊介(元ロッテ、現かずさマジック・コーチ)らも在籍。今年2月から大リーグと提携し、将来のルール変更を見据えた“実験場”として「一塁盗塁」や、レーザーを用いた弾道測定機によりストライク・ボール判定を補助する通称「ロボット球審」などを試している。