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2019-09-10

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「無償の愛」とまとめてことばにすると、
 なにか立派な、得難きものみたいに思えそうだけれど、
 それは、あちこちにたくさん散らばっているものです。
 じゃ、ついでだからちょっとカッコつけて言いますが、
 夜の空に星を見るでしょう。
 キラキラかがやくお星さま、ね。

 月や星というと、遠いもの、不滅のもの、
 手に届かなくて見ているだけのものと思ってますが、
 それを「そうかな?」とひっくり返したアートが、
 「アポロ計画」だというふうにも考えられます。
 人類による月の表面への着陸によって、
 あの空の月や星は、こういう物体なんだよ、と、
 見せてもらえたような思いでした。

 でも、行かなくても、ぼくは月や星を、
 あっというまに親しいものにしてみせるであります。
 地面を指差してさ、「これが星だよ」と言うだけ。
 ぼくらが立っているこの場所が、星なんだ。
 あっちから見たら、この地球がキラキラ星なんだよと。

 寄り道しましたが、「無償の愛」のことね。
 じぶんの立っている地球が、キラキラ星であるように、
 ほんとはもう、あっちこっちが「無償の愛」みたいな、
 そういうものに満ちていると思ったのであります。

 コンドウアキさんの絵本『おふとんさん』の新作を
 読んで、本の帯文を書くことになったのがきっかけです。
 もともとぼくは、この「おふとんさん」が大好きなので、
 光栄ですとばかりに引き受けたのです。
 そして、なにを書こうか考えているときに
 「ありゃりゃ、あそうか」と、感じたのです。
 「おふとんさん」は「愛の化身」だなぁとか、
 これこそが「無償の愛」だとか言いたくなったけど。
 つまり、そういうことは、そんなことばを使わずに、
 ぜんぶ「おふとんさん」のなかに入ってるなぁと、
 しみじみと思ったのです。

 こんなに近くに、親しくてやわらかな愛があるよ、と。
 この足元が、ほんとはキラキラ星であるようにね。 

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
幸せの青い鳥から見て、あなたは幸せの人間でしょうか?


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