【サッカー】「リトグリ」かれんの父はU―15ミャンマー代表監督 古賀琢磨監督「可能性ある選手がいっぱい」2019年9月9日 21時9分
次回W杯の出場権を懸けた日本の戦いがいよいよ幕を開ける。アジア2次予選初戦で激突するミャンマーとは1994年10月以来、実に25年ぶりの対戦となる。どんな相手なのか。U―15ミャンマー代表の古賀琢磨監督(50)に「実像」を聞いた。(取材・構成=松岡祐司) きっかけは協会の海外派遣事業05年、同国で大富豪のゾー・ゾーさんがミャンマーサッカー連盟のトップに就任したのが契機となり、本格的な強化が始まった。代表チームへの投資、育成環境の整備に力が注がれ、その一環として、世界各国の指導者が招かれた。 J1の磐田、清水などで活躍した古賀監督は03年に現役引退後、指導者に転身。日本サッカー協会の海外派遣事業に応募して、11年からシンガポール、東ティモールなどアジア各国を渡り歩き、17年からミャンマーで育成年代を指導している。 古賀監督「選手たちは技術的にうまいです。アジリティー(敏しょう性)もある。90分間を戦うフィットネスはまだ足らないところがありますけど、ポテンシャルを持っている選手がいっぱいいますね」 高い技術力の要因の一つが、盛んなストリートサッカーにあるようだ。「竹とかでボールを作って、あちこちではだしでよくやってますよね。大人から子供までが交じって楽しそうにやっているのをよく見ますね」 タイ、ベトナムなど経済発展に伴う東南アジアサッカーの台頭は著しく、ミャンマーも例外ではない。15年にU―20W杯に初出場を果たすと、東南アジアのオリンピックとも言われるSEA Games(東南アジア競技大会)で準優勝を飾った。国民的英雄のアウン・トゥらタイリーグで活躍する選手もおり、古賀監督は「近いうちにJ2でプレーする選手も出てくると思っています」という。 素直で真面目な国民性の一方、近年まで軍事政権による独裁が続いていた影響もあり「選手たちはおとなしすぎる」と言う。 「(以前は)上の言うことは絶対で、口答えできない環境だったんだと思います。選手たちにできるだけ考えさせたり『どうだった?』って質問したりするんですけど、なかなか答えない。意見を言えないんですよね。大人でも同じで、分からなくても『はい』と言ってしまう。ピッチ上では最終的に個人で判断しないといけないので(社会的背景の)影響がないとは言えないのが正直なところです」 目標は「26、30年W杯出場」強化、発展の途上にあって、ミャンマーの目標は「26、30年W杯出場」だという。古賀さんは「(日本と)力の差は歴然としている」と指摘しながらも、こう続けた。 「ただ、日本にとっては初戦。どのチームも初戦はちょっと難しくなる。ミャンマーは間違いなく善戦したいと思っているので、楽しみですね」 ▼古賀琢磨(こが・たくま) 1969(昭和44)年4月30日生まれ、静岡県出身の50歳。175センチ、72キロ(現役時代)。DF。清水東高(静岡)、順大を経て、92年にヤマハ(J1磐田の前身)入り。2000年に清水移籍。C大阪時代の03年を最後に現役を引退した。J1通算出場233試合4得点。指導者に転身し、C大阪の下部組織コーチ、監督、シンガポールのユース代表監督などを歴任した。女性ボーカルグループ「Little Glee Monster(リトル・グリー・モンスター)」のかれん(21)の父。
PR情報
|