中日OBで本紙評論家の川上憲伸さん(44)が9日、本紙の取材に応じ、逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出へ大一番となる10日からの広島3連戦(マツダ)を展望。4ゲーム差で追う広島相手に最低でも勝ち越すためのカギを話した。
「通常、大事な戦いという試合は、開幕からローテを守り続けた投手に任せるもの。チームに与える安心感はもちろん、独特の空気を察知しながら落ち着いて投球ができるから」と言う川上さん。今回の先発は主軸の大野雄、柳ではなく、梅津、小笠原、阿知羅が予想される(梅津は予告)とあって「中日に勢いがあるとはいえ、大事な戦いほど打線はアテにならず、相手に一日の長がある」と分析。その中で大事なことを「先行逃げ切り」だと説明した。
「大事な試合ほど膠着(こうちゃく)状態となり、逆転の展開にはなりにくい。先発が何とか先制点を防ぎ、少しでも不安定な状況になれば、出し惜しみすることなく勝ちパターンの中継ぎ陣をつぎ込む。勝ち試合で投入される藤嶋、福、ロドリゲス、岡田。この4投手に関しては3連投する状況でなければ、最低限の2勝1敗という数字すら厳しい」
こう話すと「広島3連戦は継投が大きな鍵を握り、救援陣で星を拾う意識が必要だろう」と締めくくった。