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なつたちは開拓者家族の暮らしを取材するため北海道の十勝にやって来ました。
♪~
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
(麻子)すみません どうか お構いなく。
(富士子)何もないですけど。
(砂良)搾りたての牛乳を召し上がって下さい。
(下山)ハハハ… ありがとうございます!(神地 桃代)頂きます!
(桃代)うん おいしい!
(麻子)本当 新鮮。
(坂場)この牛乳の違いを 我々は絵で表現しなければならないんです。
何だろう… 濃さの違いかな。
色は白いけどちょっと 黄色がかってんのかな?
(神地)いや~ 要するにこのおいしさの違いを描けばいいんだよ。
何だか大変そうね。
(なつ)こうやって何でも感じることが大切なの。
(泰樹)なつ… それで?
それでね じいちゃんじいちゃんの昔の話をみんなは聞きたがってるんだわ。
えっ? 何の話じゃ?
開拓の話。
じいちゃんが この十勝にやって来た頃の話を聞かせてほしいの。
(富士子)それをテレビ漫画にしたいんだって。
(麻子)泰樹さんは どうして北海道に渡っていらしたんですか?
富山から来たんでしょ?
そういう話を 私もまだ詳しく聞いたことがなかったから。
いや…わしには… 親が おらんかったんじゃ。
えっ?
幼い頃に亡くしたんじゃ 2人とも…。
はやり病でな。
じいちゃん… それで どうしたの?
親戚の農家に…そのうちの養子になったんじゃ。
働かなけりゃ…ただのやっかい者じゃった。
それで 北海道に渡ってきたの?
18の時に。(泰樹)そうじゃ…。
北海道に渡れば土地は 手に入ったんですか?
(泰樹)まあ 土地といっても原野だ。ほとんどが原生林じゃ。
(坂場)そこを開墾されたんですね。
3年のうちに切り開いて国の検査を受けそれで合格したらようやっと 自分の土地になった。
たった一人で それを成し遂げたんだ。
いや だから 土が悪くてな作物は思うように育たんかった。
それで 牛飼いも始めたんだね。
初めから この音問別に入植されたんですか?
いやいや 初めは もっと帯広に近い十勝川のほとりじゃった。 うん。移住したんだもね。
移住ですか?
大正11年だから…私が 8つの時だったね。うん…。
(坂場)何があったんですか?
十勝川が氾濫したのさ。大洪水になってね。家も畑も牛舎も流されて…。
家族と馬が助かっただけよかったんじゃ…。
それで 音問別に来てまた開墾から始めて…それから1年もしないうちに母さんが 病気で亡くなってしまったのよね。
じいちゃんは… 本当に苦労したんだね。
お義母さんも。
その洪水は使えるかもしれないぞ?イッキュウさん。
えっ?神っち 使えるって…。
あ… いや 失礼。 けど せっかくお話を聞かせてもらったのに無駄にしては申し訳ないと思いまして。
ハハハ… 何か役に立ったかね?
はい。 とても…。
開拓者にとって 一番の心の支えはやはり 家族だったんでしょうか?
(泰樹)家族に限らんかもしれん。
誰もが支え合ってそれで 開拓者は強くなったんじゃ。
♪~
母さん ごめんね。部屋まで用意してもらって。
なんも。 照男らが新しく離れを建ててから部屋は余ってるもね。
本当に助かりました。
ここもね 牛舎の設備が新しくなって使わなくなりそうなんだわ。
それで お義母さんと何かしようかって話してるの。
ここで? 何をすんのさ?
柴田牧場のアイスクリームさ。
牧場を見たいという人もいるのさ。そこで ここをお店にしたらそういう人がたくさん来てくれるんでないかってお義母さんが。
へえ~ 母さんと砂良さんがそんなこと考えてんだ。
これは 私と義母さんのいわば開拓だもね。
そう。開拓ですか。
ねえ 母さん… 母さんは知ってたの?じいちゃんの昔のこと。
ああ… じいちゃん 富山にいた頃のことはあんまり話したがらなかったからね。
子どもの頃から 一人で生きてきたようなもんだったんですね じいちゃんは。
そう思うと… ここに来た頃のなつをじいちゃんは自分と重ねて見てたんだね きっと。
それは どういうことですか?
いろいろあったから…9つで ここに来た時。
♪~
回想 私を ここで働かせて下さい。
それでこそ赤の他人じゃ。明日から 夜明けとともに起きて働け。
はい!
(泰樹)お前には もう そばに 家族はおらん。だが わしらがおる。
おじいさん…!
(泰樹)お前は 堂々としてろ。堂々と ここで生きろ。
そして 君も 人と支え合いながら強くなっていったということか。
そうだね…。
♪~
この牛舎で 私は育った。
昔は手搾りだったんだけど今は バケットミルカーという機械で搾乳します。
(菊介)よし したら この菊介さんが手搾りでの搾乳を教えてやるべよ。
誰か 挑戦する人?
(一同)はい!ハハハハハハ。
おう… したら カメラのお嬢さんから。
はい!(菊介)はい。牛に蹴られないように注意しろや。
えっ 蹴るんですか?牛が怖がったら蹴るべさ。
怖い顔しちゃダメだよ。優し~く 優し~くね。
今から触るよ。 よろしく。
おい… おいおい。仲よくしてね。おねえさん おねえさん!動くな お前…。お~ いいんでねえか。うまい うまい うまい…。
神っちは スケッチしないの?
あ… いや スケッチすると記憶に残らない気がするんですよね。
絶対に忘れまいと目で見た方がいいんです。
(照男)すごい!いや~ そんなことないですけど…。
やっぱ うまいもんだな。あっ… どうも。
あっ そっちか…。
(門倉)ほれ ハハハハハハ…。
これは ラッパという 種をまく農具だ。うん…。
そして これが 大正時代にこの十勝で開発された農機具だ。
三畦カルチベータという。
(坂場)3つの畝をいっぺんに掘り起こせるんですね。
十勝の開拓者が考えたんですか?
そうだ。 これは うちのじいさんが実際 使ってたもんだ。
番長のおじいさんは どっから来たの?
四国の香川県だ。
(良子)うちのじいちゃんは四国の徳島県なんだわ。
そんじゃ よっちゃんと番長の先祖は近かったんだね。
俺たちが 十勝で出会うことは運命だったんだわ ハハハハ…。
勝農の演劇部を手伝ったのが運の尽きだったわ。
ハハハ…。(桃代)あのさ番長って あの番長?ん?
だよね 魔界の番長だよね!
奥原! あれ見てたぞ。やっぱり あれ 俺か?奥原が 俺を主役に…。いや あの原作の漫画が たまたま似てたから…。
俺が 本物の魔界の番長だ!どうだ? 優ちゃん。
うあああ…!
(優)うん… 番長 大好き!
そうか…。よし! ほら 行くべ 行くべ!
よいしょ… ほれ!ちょっと 危ない 危ない 危ない…!
(門倉)ワハハハハ…!あれで しばらく機嫌がいいわ。
なっちゃん ありがとう。えっ?
好きなだけ見てって。ちょっと あんた…!
モモッチ ここも撮っといて下さい。はい。
(坂場)写真。
♪~
♪~
(麻子)開拓者が切り開かなければ見られなかった景色なのね。
そうです。
アニメーションだって俺たちが切り開かなければ何も見られないからな。
我々の作る景色もいい景色にしましょう…。
あっ 陽平さんだ!
♪~
その森の中に入っていって…。
そうだ 優ちゃんちょっと この辺 走ってみてよ。
うん!
(鳴き声)
(坂場 なつ)優!
優!
お~ お~ お~。
はい はい 大丈夫よ…。
♪~
パパ 大丈夫?
なつよどうやら イッキュウさんたちにも何か届いたようだぞ。