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【埼玉】

川口いじめ 少年自殺 支援者会見「大人の責任放棄で悲劇」

 川口市立の中学校在籍時にいじめ被害を訴えていた小松田辰乃輔(しんのすけ)さん(15)の自殺を受け、小松田さんを支援してきた関係者が九日、市役所で会見し、市教育委員会や学校の対応を批判。「息子の苦しみになぜ気付けなかったのか」と不信感を募らせる遺族の思いを明らかにした。 (近藤統義、森雅貴)

 「学校で何が起きたのか。何が息子を追い詰めたのか。学校や教委は息子の声に耳を傾け、対応したのか。徹底的に真相を究明し、再発防止に取り組んでほしい」。会見では、小松田さんの母親(44)が記したA4用紙二枚にわたるコメントが発表された。

 代読したのは、川口市立の別の中学での息子のいじめ被害を訴えている女性。小松田さんは中学時代、いじめを苦に自殺未遂を三度も繰り返し、女性にも「助けてほしい」と何度も伝えていたという。

 女性は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として市教委が市長に報告したのが最初の自殺未遂から一年以上後だったことに触れ「本来は、いじめの疑いを持ってすぐに報告し、調査委員会を設置すべきだった」と対応を批判した。

 大津市で二〇一一年にいじめで自殺した中学生の父親も同席し「自殺未遂を繰り返しても教員は責任を持って対応せず、『いじめはなかった』と説明した。大人たちの責任放棄が招いた悲劇だ」と指摘。被害者を守るために教員の責任を明確化する規定を設けるなど、いじめ防止対策推進法の改正の必要性を訴えた。

 

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