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襖紙や和の素材の新しい魅力を発見 NIPPON DESIGN展

襖紙や和の素材の新しい魅力を発見 NIPPON DESIGN展


襖紙や和の素材の新しい魅力を発見 NIPPON DESIGN展

Text & Photographs:eriko hosoi
新しい時代を感じさせるナチュラル・モダン
7月4日から16日までの約2週間、新宿にあるリビングデザインセンターOZONEの7Fにあるリビングデザインギャラリーで開催された「NIPPON DESIGN」展。このイベントは、国際的なインテリアデザイン協会であるIIDA Japan Chapterの創設30周年を記念して開催されたもので、今回、襖関係企業を中心にインテリア関連企業が多数、協力、協賛したことでも注目を集めました。
 テーマは、「これまで」と「これから」を結ぶ新しい“NIPPON DESIGN”。
日本の美しい素材や技術に新たな視点を加えて、未来の住まいのカタチやデザインの新しい姿を模索する試みでした。
 会場は以下の3つのカテゴリー「NIPPON DESIGN COMPETITION」、「IIDA Japan Chapter Selection“和の意匠100選 2013”」、「The Pride of NIPPON」で構成されました。



1. NIPPON DESIGN COMPETITION
 「20年後も愛される NIPPON DESIGN」の切り口で、襖にまつわる企業の連合体である「Fプロジェクト加盟店会」や一般社団法人 日本襖振興会の協賛、協力のもと実現した、新しい“和”の素材を使用した新しい居室の提案コンペティションです。
 このコンペティションは、襖紙や引手など襖部材を従来の襖以外の使用法も視野に入れ、現代のライフスタイルに合った魅力的な使い方、デザインを広く求める試みでした。また、建築家やインテリアデザイナー、コーディネーターなどのプロにも、もっと襖の商材について知ってもらう機会にしようと、見本帳やサンプルが協賛企業から提供され、IIDAの企業会員である株式会社アイデックの東京ショールームにて2ヶ月間、展示閲覧コーナーが設置されました。
 2013年5月1日よりIIDA WEB上で広く作品募集がされ、5月27日に厳正なる審査の結果、最優秀賞に細井絵理子氏の「紙風船 KAMI FUSEN ROOM」と日本襖振興会特別賞に戸室令子氏の「居心地(IGOKOCHI)」が選ばれました。
 最優秀賞に関しては、イベントスペースに再現ブースが設置され、コンセプトである「包まれる優しさ」を襖紙と竹の骨組みを用いて製作された「紙風船」スペースで再現。現代のライフスタイルに合う、小家族化の進む現代人の時間軸にあわせ、クッションを置けばリビングになり、台を置けばダイニングに。子供が生まれれば、遊び場(秘密基地に)。そして布団を敷けば天蓋付きの寝室になるというフレキシブルな空間を提案しています。また、襖紙を市松重ね貼りにすることで壁紙として使用し、襖の引手を壁面の装飾として使用するなどの試みも提示されました。



2. IIDA Japan Chapter Selection「和の意匠100選 2013」
 「20年後も愛される NIPPON DESIGN」の切り口で、襖にまつわる企業の連合体である「Fプロジェクト加盟店会」や一般社団法人 日本襖振興会の協賛、協力のもと実現した、新しい“和”の素材を使用した新しい居室の提案コンペティションです。
 このコンペティションは、襖紙や引手など襖部材を従来の襖以外の使用法も視野に入れ、現代のライフスタイルに合った魅力的な使い方、デザインを広く求める試みでした。また、建築家やインテリアデザイナー、コーディネーターなどのプロにも、もっと襖の商材について知ってもらう機会にしようと、見本帳やサンプルが協賛企業から提供され、IIDAの企業会員である株式会社アイデックの東京ショールームにて2ヶ月間、展示閲覧コーナーが設置されました。
 2013年5月1日よりIIDA WEB上で広く作品募集がされ、5月27日に厳正なる審査の結果、最優秀賞に細井絵理子氏の「紙風船 KAMI FUSEN ROOM」と日本襖振興会特別賞に戸室令子氏の「居心地(IGOKOCHI)」が選ばれました。
 最優秀賞に関しては、イベントスペースに再現ブースが設置され、コンセプトである「包まれる優しさ」を襖紙と竹の骨組みを用いて製作された「紙風船」スペースで再現。現代のライフスタイルに合う、小家族化の進む現代人の時間軸にあわせ、クッションを置けばリビングになり、台を置けばダイニングに。子供が生まれれば、遊び場(秘密基地に)。そして布団を敷けば天蓋付きの寝室になるというフレキシブルな空間を提案しています。また、襖紙を市松重ね貼りにすることで壁紙として使用し、襖の引手を壁面の装飾として使用するなどの試みも提示されました。



3. The Pride of NIPPON
 日本の“誇れる”伝統的素材や加工技術に注目し、新しい切り口で「これからのデザイン」が提案された企画です。産地やメーカー、工房をデザイナーが訪ね、職人さんたちとIIDA メンバーがコラボレーションして生まれた新しいプロダクトデザイン。20年後も愛されるこれからのNIPPON DESIGNを求める試みです。



a. 畳 + インテリアファブリック
 ラグジュアリーなインテリアファブリックと、色合いが美しい畳素材を組み合わせたTATAMIラグ。トリム幅や縫製方法にこだわり生まれた畳素材の新作インテリアラグです。屋内用と屋外用の2種を製作。屋外用は耐光性、耐水性に優れた生地を用い、お花見やピクニックに使えるワンランク上の「花見ラグ」としてデザイン。若い人の間で流行しているという「野点」や「茶ガール」をイメージし、同素材で作るピクニックバスケットやクーラーバッグも考案しました。

b. 組子 + インテリアファブリック
 組子は緻密な技術と木曽桧が持つ素材の美しさ、デザインの豊かさが魅力のインテリア素材です。釘や接着剤をいっさい使わずに文様を組み仕上げるその技には引き込まれる美しさがあります。そこで組子の代表的な産地の一つである栃木県の鹿沼の工房とのコラボレーションで新たなデザインが生まれました。
 一つは、インテリアファブリックと組み合わせたウインドウパネルの提案。カーテンでも障子でもない、新たな窓辺の意匠としてデザインされ、透過性のある生地バージョンと着脱可能なパッチワーク仕立ての2種が発表されました。モダンやポップなインテリアイメージにも合う、新しい組子のスタイルを生み出しています。また、着彩はしないという昔からの組子のルールを破り、着彩を施したかわいいコースターや、組子の技術を用いて杉材で正20面体のキューブを作り、ランプシェードにしたものなど、新プロダクトが誕生しました。

c. 漆 + 椅子  漆 + ガラス
 漆を建材に…。この試みは壁紙や床材など、複数の企業で既に行われていますが、更なる進化や可能性を探るべく、ガラスや木製家具に漆を施す技法が今回試されました。その一つが、ヨーロッパで生み出された曲げ木の椅子に漆で夏の夜に打ち上がる「花火」柄をデザインしたもの。通常の家具で用いる塗料では出ることのない、押さえた光沢と色の深みが特徴です。また、ガラスに漆や箔を施す技法をプロの工房で学びながら製作したシャンパングラスやアートガラスも美しい仕上がりでした。

d. 襖紙 加飾技術 + 下地クロス紙
 印刷技術が発達する前は、この「加飾」技術が襖紙の装飾技法として当たり前だったのでしょう。現代にも受け継がれるこの多様な加飾技術を、このNIPPON DESIGNでは既製品の壁紙に施すなどして、新しいインテリアの仕上げ法として紹介していました。レリーフ調の立体的デザインが美しい下地クロス。通常ローラーでペンキが塗られ仕上げられるこの素材ですが、今回はその下地クロスに襖紙の加飾技術の中の「刷毛引き」と「色染本銀梨地膠仕立」の2種の方法で加飾が施され、大胆でポップな仕上がりに。また、本来の襖紙に加飾する手法でも、新たに新作和紙として発表されました。これらは壁紙やアートパネルにも活用出来るオリジナル和紙としてデザイナーからも注目を集めました。

e. 左官技術 + スイッチ・コンセント プレート
 左官技術も忘れてはならない日本の大切ない技術の一つです。そこで今回、そのデザインバリエーションの少なさでデザイナー泣かせとも言えるスイッチやコンセントプレートの表面仕上げ加工として左官技術を施しました。漆喰やモルタルの金ゴテ仕上げなどを試みています。

f. 世界に発信する日本デザイン、日本製作の新作壁紙「ライトキューブ」
 ヨーロッパなどで活躍していた日本人デザイナー2人組と輸入クロスやファブリックで知られるメーカーが6年がかりで生み出した、純国産のインテリア壁紙「LIGHT CUBE」。日本人デザイナーによるデザインと、日本の高い技術をもつ工場で作られた国産クロスは、世界をターゲットに企画生産され、今年1月にドイツのハイムテキスタイル展で発表され話題になりました。美しい色合いや大きな柄リピートは、日本規格である幅92センチというサイズであることが最大限に活かされ、他国にない大きな特徴にもなっていたそうです。

【NIPPON DESIGN展】
会期:2013年7月4日(木)〜7月16日(火)(水曜休館)
場所:リビングデザインセンターOZONE 7Fリビングデザインギャラリー
主催:IIDA Japan Chapter(国際インテリアデザイン協会 日本支部)
協力:一般社団法人 日本襖振興会 株式会社プロジェクトエフ
   リビングデザインセンター OZONE
協賛:Fプロジェクト加盟店会 株式会社 宇野紙店 からかみ屋 株式会社 菊池襖紙工場 有限会社 静岡フスマ商会 株式会社 太陽 株式会社アイデック 朝日ウッドテック株式会社 株式会社イオニア 一吉(有限会社湯島アート) 株式会社木曽アルテック社 株式会社 添島勲商店 株式会社テシード有限会社 豊田木工所 マナトレーディング株式会社