遺言書がない場合、まず行わなければならないのは「財産がどれだけあるか」を調べることです。遺産分割を行ったあとに、新たに遺産が発見された場合、新たに発見された遺産について改めて遺産分割をする必要があるので、時間と労力がよりかかってしまいます。まず亡くなった人の遺産の確認をきちんと行って、財産のリストを作るとよいでしょう。また、土地や家屋・美術品といった値段がつけにくいものは評価額を決定しなければならないので、時間も必要です。これらをきちんと行ってはじめて、正しく相続することができます。
誰がどれだけ相続するか
遺言書がない場合
1まず、財産目録を作る
2誰が相続するか
遺言書がない場合、相続する人は、配偶者と子・親・兄弟姉妹のいずれか(法定相続人)になります。それぞれのご家庭の状況で異なりますので、ご自身の場合を確認しましょう。
3どれだけ相続するか
どれだけ相続するかは、相続の方法が、「法定相続」か「分割協議による相続」かによって異なります。分割協議を行う場合は協議を通して相続割合を決めますが、法定相続の場合は表の割合で相続することになっています。同順位の人が複数いる場合は、人数でその相続分を割ります。
なお、預金は遺産分割協議の対象とされています。法定相続の割合は表の通りですが、遺言がない場合、原則として相続人全員の同意がなければ、亡くなった人の預金を払い戻すことができません。
相続人のケース | 配偶者 (必ず相続人) | 子 (第1順位) | 親 (第2順位) | 兄弟姉妹 (第3順位) |
---|---|---|---|---|
配偶者・子 | 1/2 | 1/2 | - | - |
配偶者・親 | 2/3 | - | 1/3 | - |
配偶者・兄弟姉妹 | 3/4 | - | - | 1/4 |
配偶者のみ | 1 | - | - | - |
子のみ | - | 1 | - | - |
親のみ | - | - | 1 | - |
兄弟姉妹のみ | - | - | - | 1 |
6,000万円を法定相続割合で相続する場合(例)
遺言書がある場合
1まず、遺言書を確認する
最初に、遺言書の種類を確認します。必要に応じて、公正証書遺言の謄本の申請、自筆証書遺言・秘密証書遺言の検認の申立てなどを行います。
2遺言書通りに相続するか
原則、遺言の通りに相続しますが、遺言の内容によっては、その通りに相続するか確認する必要があります。関係者全員の同意がとれれば、遺言とは異なる分割を行うことができます。
- ※本資料は2017年9月末日現在の法律等に基づいて作成しております。また、内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取扱を記載しております。このため、諸条件により掲載の内容とは異なる取扱がなされる場合がありますのでご留意ください。実際に相続手続を行うにあたっては、必要に応じて弁護士や税理士等と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご対応くださいますようお願いいたします。