2019年9月6日金曜日

周庭(アグネス・チョウ)氏が香港への自衛隊出動を要望? 幸福の科学がデマを誘発

改訂前の幸福実現党NEWSより
9月4日、幸福の科学の政治部門である幸福実現党がウェブサイト上で、香港民主活動家の周庭(アグネス・チョウ氏の守護霊にインタビューしたと称する記事を掲載。さも周氏の考えであるかのように、「邦人保護の名目で、自衛隊を送ってください」などと掲載した。

これを9月6日、香港メディア「大公網」が幸福実現党による周氏への独占インタビューであると報道。中国語版Twitterともいわれる「微博」でも話題になっている。

周氏本人は9月5日のうちにTwitter上で「私はこのようなことは言っていませんし、このような主張はしていません」と投稿。幸福実現党に削除を求めたが、幸福実現党は事実上拒否している。


幸福実現党が周氏の守護霊を呼び出したと称して、その言葉を掲載したのは、幸福実現党のウェブサイトで公開されている「幸福実現党NEWS」(2019年9月4日特別号)。周氏の顔写真を掲載した誌面に、周氏の守護霊の言葉として、こんなセリフを並べた。

「できたら香港独立まで持っていきたい」

「邦人保護の名目で、自衛隊を送ってください。そしたらアメリカも動きますから」

「アメリカ、イギリス、日本が軍隊を送ってきたら戦い続けることは可能」

記事の最後は、地の文で、こう締めくくられている。

〈幸福実現党は、武装警察や人民解放軍によるデモ隊への弾圧が行われたなら、即座に経済制裁を実施すると共に、自衛隊法等の改正により自衛隊を香港に派遣すべきだと考えます。中国の覇権主義に対し、諸外国と共に毅然とした姿勢で臨むべきです。〉

中国との戦争を志向する幸福の科学の主張に、「周氏の守護霊の言葉(と称する何か)」を利用した形だ。

幸福の科学では、教祖・大川隆法総裁が様々な人物の霊を呼び出して語らせる「霊言」を頻繁に行い、その内容を公表している。存命中の人物の霊を呼び出す場合は「守護霊」の言葉という名目で公表される。今回の周氏の霊言は同様のものとして9月3日に大川総裁が行い、「習近平vs. アグネス・チョウ―守護霊バトル―」として教団内で映像で上映されている。「幸福実現党NEWS」の内容は、これを受けてのものだ。

これについて9月6日、香港のメディア「大公網」はウェブサイトで「公然卖港 周庭叫日美英“出兵”助“抗争”」と報道。日本語にすれば「公然と香港を売る 周庭が“レジスタンス”支援のため日米英に“出兵”を呼びかける」といったところ。記事では、幸福の科学が「守護霊」を呼び出す宗教であり、日本ではオウム事件以降のカルトとされているといった旨の説明はある。しかし周氏の言葉が周氏本人ではなく守護霊の言葉であるとの説明はなく、むしろ「公然と香港を売り渡すものとしてネット民から非難されている」などと書かれている。

実際、中国語版Twitterといわれる「微博」でもこの話題が拡散されている。「幸福実現党NEWS」にある「周氏の発言(と称する何か)」を赤線で強調し、周氏を「女港毒分子」(香港の毒女といったような意味か?)などとするこの投稿は、リツイート500弱、「いいね」1000以上。同じような内容を複数の中国メディアの微博アカウントも投稿している。

9月4日には周氏自身がTwitterに、こう投稿した。

これに対して幸福実現党は公式アカウントで、事実上の削除拒否を表明している。
「幸福実現党NEWS」には守護霊の言葉だと書いてあり、本人の言葉だとは書いていないのだから問題ない、という理屈だ。

幸福実現党は9月6日、「幸福実現党NEWS」を改訂版に差し替えて配信したが、改訂版は周氏の顔写真が削除され、本文や小見出し2か所に「(アグネス氏守護霊)」と言う表記が追加されただけ。内容は以前とほとんど変わらない。

自身も幸福の科学・大川総裁から無断で守護霊を呼び出されたことがあるジャーナリストの藤倉善郎氏は、こう解説する。

「幸福の科学が“守護霊の言葉であって本人の言葉ではない”などと言ったところで、そんなワケのわからない理屈は幸福の科学の中でしか通用しない。今回のことが中国当局や中国・香港の市民たちを誤解させ、周氏や香港への弾圧が強まるようなことにでもなったら、どうするのか。いくら宇宙の根本仏だの地球至高神だの再誕の仏陀だのと自称している大川総裁でも、いち国家・地域を混乱に陥れたたり個人の命を危険にさらした責任など取れるはずもない。もはや“イタコ芸”などと笑って済む問題ではない」

藤倉氏は、幸福実現党の声明文についても、こう指摘する。

幸福の科学公式サイトより(赤線は本紙)
「幸福の科学の教義でも、守護霊は本人とほとんど一体であり、その言葉は本人の本音だとされている。海外にまで誤解を広め、削除を求められたとたんに“本人の言葉ではない”と言い出す幸福実現党の声明は、ダブルスタンダードもいいところ。むしろ幸福の科学の教義である霊言の設定を否定する行為だ。言うに事欠いて、自分たちが神と崇める大川隆法総裁まで侮辱している。幸福実現党の罪は宗教的な意味でも極めて重い。彼らの中ではな」

6 コメント:

匿名 さんのコメント...

港毒分子=港独(香港独立派)分子
ペキン語でも「毒」「独」音同じ。恐らく侮蔑込めての言い方かと

匿名 さんのコメント...

藤倉さん
守護霊を名誉毀損やその他の罪で裁判にかけられないのでしょうか?
もちろん、守護霊を呼び出されるのは大川氏だけだから
一緒に裁判を受け、守護霊と一緒に懲役刑でもなればいいな。

匿名 さんのコメント...

公安が動いていいレベルに感じますが、そうでもないんでしょうか?国際問題ですよね。

匿名 さんのコメント...

これで「幸福実現党はバックが宗教だけれども、政策はまとも」とか言ってる奴らも目が覚めただろうな。

匿名 さんのコメント...

甘い。一度でもあんなのを「まとも」などと評した人間は、自分が馬鹿だったと認めたくない一心で、ますます意固地になるだろう。
今思えば、真理党は常識人の集まりだった。人前での振る舞いは、奇矯ではあっても攻撃的じゃなかった。

匿名 さんのコメント...

幸福さん元々は普通の宗教組織だった、なのにおかしくなったのは、とある内部者たちのせいと思います。わたしの知る限りその者たちはMやFという者たちです。私は幸福の人間ではないですが、あることを契機に調べるとその者たちがでて来ました。Mは自衛隊とも何かしらの繋がりがあり、非合法的な事にも繋がりがあります。幸福の皆さんも御注意ください。そして公安の方も
間違った事が起こらないように監視した方が良いと存じます。