この瞬間を待っていた。中日・柳が7日のDeNAに今季23度目の先発登板。2桁勝利に王手をかけながら足踏みを続ける状況だったが『8度目の正直』でついに、10勝目を手にした。「初回にホームランを打たれた時は、柳、またやらかしているぞと思われたと思うのですが、なんとか粘り強く投げられました」。お立ち台での言葉通り、不安のスタートだった。初回。簡単に2死を奪ったが、ロペスに左翼席へ運ばれ、続く筒香にはバックスクリーンにたたき込まれる連続被弾。ロペスには初球の速球を、筒香にはカウント1ー1からのカーブを痛打された。
これで先制されたのは白星から遠ざかった8試合で6試合。それでも、打線の援護を受けて気合を入れ直した。2回から6回までは無失点。7回に1点を奪われたが、106球の熱投で3失点にまとめた。「ひとつ勝つことの難しさを体感しました。泣くかなと思ったんですけど、泣きません」。お立ち台で白い歯を見せた柳が、7月7日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)以来、2カ月ぶりの白星に酔いしれた。