中日・柳「僕はエリートではない」　何度も壁に…逆境を力に変え成長

　誰もがうらやむ王道を歩んできた。高校時代は横浜高で甲子園に春夏３季連続出場。明大では４年時にリーグ連覇、明治神宮大会優勝にエース兼主将として貢献。常にアマチュア球界の名門に属し、表舞台で脚光を浴びてきた。輝かしい経歴ながらも本人は「エリート」との言葉に首を振る。

　「確かに経歴だけ見ればエリートと思われるかもしれないですけど…。でも僕は全然エリートじゃないんです」

　中学を卒業すると同時に故郷・宮崎を離れて横浜高へ進学。全国から有望選手が集まる同校で、入学当初は同級生の中でも４番手投手の扱いだった。プロ入りしてからも明大の同学年、ヤクルトの星が先に公式戦デビュー。新しい世界に踏み入れる度に壁にぶつかりながらも、自分の地位を確立してきた。

　即戦力と期待されたプロで２年目までは合計３勝。前半戦で９勝した今季も、あと１勝が遠かったが「勝てない分だけ自分が成長してやろうと思ってました」と逆境を力に変えてきた。エリート街道に生えた雑草はどこまでも伸びる。（谷大平）