ジョナサン・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2009/05/28(木) 00:36:42
更新日:2019/06/14 Fri 20:05:25
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二人の囚人が
鉄格子の窓から外を眺めた。

一人は泥を見た。
一人はを見た。
(原作第1巻冒頭部分より)



信念さえあれば人間に不可能はない!

人間は成長するのだ! してみせるッ!


ジョジョの奇妙な冒険第1部『ファントムブラッド』の主人公。
長く続く『ジョジョの奇妙な冒険』の最初の主人公で、100年以上に渡る物語の原点たる人物。

CV.興津和幸(TVアニメ)/小杉十郎太(Part3OVA)/田中秀幸(ゲーム:青年期)/中井和哉(ゲーム:少年期)/小西克幸(劇場版)


イギリスの貴族であるジョースター家の跡取り息子として生を受ける。
両親の最初の子であり、生まれてまもなく事故で母親を亡くしていることと父親が再婚しなかった為、兄弟姉妹はいない。(従兄弟などは不明)

のびのびと育ったためにあまり貴族らしい振る舞いは得意でなく、跡取りとしては頼りないと言われていたが、とある縁で養子に来たディオ・ブランドーとの出会いから彼の運命は大きく変わっていく。
ディオはジョースター家の資産を狙っており、跡取り息子であるジョナサンを精神的に苦しめて自分の支配下に置こうとしたのである。

ジョナサンのそれまでの平穏な生活は一変し、仲良く遊んでいた友人は全てディオに取られ、父親の関心も勉学やマナーといったものを身につけているディオに向いていくだけでなく、

初恋の相手であるエリナ・ペンドルトンの唇を奪われたり(ズキュウウウン

愛犬であるダニーを殺害されたり(ドッギャ―z_ン

と悪辣なディオの嫌がらせで孤独の中精神を疲弊させていくが、エリナのことで本気で怒ったジョナサンはそれまで勝てなかったディオに喧嘩を挑み、持ち前の爆発力で彼に涙を流させた。
これによってジョナサンの爆発力を警戒したディオは嫌がらせを止めたため、ジョナサンは悪夢の日々から抜け出すことができた。

そして7年後、大学生となったジョナサンはディオと共にラグビーチームのエースとして活躍するのみならず、考古学において優秀な成績を修めるという文武両道の人、立派な紳士として成長していた。
身長も195cmもの巨漢となり、その膂力は、それなりに逞しい敵チームの選手3人にしがみつかれても前進を止めないほど。
それでいて実況曰く「普段は静かなる男」であり、思慮深さと穏やかさを兼ね備えているのだから素晴らしい。


しかし、平穏は長く続かなかった。
父、ジョージ・ジョースターにディオが毒を盛り、それによって長くジョージが床に伏せっていたことを知ってしまったのである。

ジョナサンは必死の思いでディオがジョージに毒を盛っていたことを証明できる人物を見つけてディオを追い詰めるも、彼は石仮面を付け「人間をやめ」た化物、吸血鬼となってしまう。
さらに、ディオに狙われたジョナサンをジョージが身体を張って庇って致命傷を負い、帰らぬ人となってしまう。

ジョナサンは自身が研究していた石仮面が化物を生んでしまったことへの責任感と父親への弔いの意識からディオを自身の手で倒すことを決意。
館に火を放ち、自身も大火傷を負いながらも諦めずにディオに立ち向かったジョナサンの勇気は運を引き寄せ、ディオを瀕死に追い込んだが、倒しきる事はできなかった。

家も家族も失ってしまったジョナサンだったが、自分を紳士と見込んで慕ってついてきてくれたスピードワゴンの奮闘や、運命的な再会をしたエリナの献身的な介抱によって一命を取り留める。
その後、偶然知り合ったウィル・A・ツェペリにディオがおそらくまだ生きていることを教えられ、ディオが変貌した吸血鬼に対抗しうる力「波紋」を学ぶ。

修行の後、ジョナサンはツェペリ、スピードワゴンと共にディオを倒すべく旅に出る。
しかし、その旅は熾烈を極めた。

数々の強力なディオの配下であるゾンビ達を退けながら旅を続けたジョナサン達。
しかし、有名な騎士がゾンビとなった化物、タルカスとの決闘でジョナサンは致命傷を受けてしまう。そして、それを助けようとしたツェペリもまた、その命を散らしてしまう。
だが、死を覚悟してもジョナサンを救おうとした彼から深山脈疾走(ディーパスオーバードライブ)を伝授されたことで窮地から脱出し、タルカスを撃破した。

その後、Mr.噛ませいn……もといダイアーさんの犠牲があったもののディオと直接対決に臨み、辛くも勝利を収める。

石仮面を破壊したジョナサンは事態が収束したと考え、故郷に戻った後、エリナと結婚する。
しかし、エリナとの船での新婚旅行の最中、死の間際自ら首を切り落とすことにより生き延びたディオの襲撃に遭う。

何とかディオを退けるも、自身も最後の力を振り絞ってしまったジョナサンは、船の爆発に巻き込まれ帰らぬ人となってしまった。


100年後、DIOが首から下はジョナサンの体をのっとり再び目覚めることから第3部が始まることになる。

ちなみにDIOが使っていた隠者の紫っぽいスタンドは、首から下のジョナサンの肉体に発現したスタンドである。
このスタンドに関しては小説『OVER HEAVEN』では「ハーミット・パープル」であると明言され、
舞城王太郎の小説『JORGE JOESTAR -ジョージ・ジョースター-』では「ザ・パッション」という名称がつけられている。


また第5部ではDIOの子供の一人であるジョルノ・ジョバァーナが、ジョースターの血統を受け継ぎ主人公になった。
ちなみにジョルノはDIOがジョナサンの体で作った子供であり、体はなじむにつれて吸血鬼化しているので、
ジョナサンの黄金の精神と爽やかな雰囲気、ジョースターの星の痣を受け継ぎ、
そして黒髪から金髪になり「無駄無駄」や「WRY」と言ったり性格がDIOにも一部似ていたりカリスマ要素も受け継いでいる。 



その能力の少なさから、時折「最弱のジョジョ」と揶揄されることがあったりもする。

と言うのも、当時スタンドという技術は無く、
また波紋量は多いもののジョセフの頃と比べると派生において劣るように思われるからだ。


しかし忘れないで欲しい。
ジョナサン最大の魅力、それは
丸太のような脚から発揮される重機関車のごとき膂力でも、
鉄の首輪を引きちぎる腕力でも、
ましてや溢れ出る波紋の才能でもない。

本当の紳士と呼ぶに相応しい勇気と気高さ、そして優しさである。

宿敵ディオとの決戦を制した際には、周囲の人間が歓喜に沸く中、決して幸福とは言えなかったはずの彼との青春に思いを馳せてひとり涙を流し、
生きていたディオとの戦いでは、致命傷を負ってもなお愛妻エリナと見ず知らずの赤ちゃんの身を案じ、自らの命を散らしてまで二人を助け、
果てはディオに対してまで今際の際に
「奇妙な友情すら感じる」と述懐し、怒りや憎しみひとつ見せなかった。

総じて、どこかエキセントリックなところのある歴代ジョジョの中でも、その聖人っぷりは飛び抜けており、その人気は決して子孫達に劣らない。

…ASBなどでは生身でスタンドとラッシュ合戦を行ったりするので
結構そういうことは考えられないことも多くなってきたが。


ジョナサン
「冥殿ーーーーーッ
 君がッ
 追記・修正するまでッ
 殴るのを止めないッ!」

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