Snow Man＆SixTONESが集大成　ジャニーさんの思い乗せ「少年たち To be！」

　ジャニーズＪｒ．の９人組グループ「Ｓｎｏｗ　Ｍａｎ」と６人組の「ＳｉｘＴＯＮＥＳ」の主演で５年目を迎えるミュージカル「少年たち　Ｔｏ　ｂｅ！」（企画・演出・総合演出ジャニー喜多川さん）の公開稽古が６日、東京・有楽町の日生劇場で行われた。１９６９年にフォーリーブスが初演して以来５０年を迎え、Ｊｒ．グループの登竜門として受け継がれてきた舞台。両グループは来年に同時ＣＤデビューが決定したため、今年がラスト。５年間の集大成を飾り、次世代にバトンをつなぐ。

　Ｋｉｓ－Ｍｙ－Ｆｔ２、Ａ．Ｂ．Ｃ－Ｚ、ジャニーズＷＥＳＴらがＪｒ．時代に足跡を残して羽ばたいていった「少年たち」シリーズに、今年は「Ｔｏ　ｂｅ！」がタイトルに盛り込まれた。

　これまでは少年刑務所を舞台に、対立するグループが次第に友情をはぐくみ、自由を求めて脱獄を計画する物語が主軸となっていたが、今作は脱獄シーンからスタート。仲間を思いやりつつ、将来に不安を抱きながら大人に成長していく姿を、現実世界でＣＤデビューを控えるＳｎｏｗ　ＭａｎとＳｉｘＴＯＮＥＳ（通称スノスト）に重ねている。

　７月にジャニーさんが死去後、故人の思いを受け継いだ滝沢秀明さん（３７）が、スノストのメンバー全員に１０代のころの悩みを思い返しながら手紙を書いてもらい、まとめて１冊の本にしたような物語になっている。本編ラストの脱獄から５０年後、１５人は約束の地で再会するが、１人が塀の中で拾った１通の手紙を取り出す。そこに書かれているのは、ジャニーさんがのこした格言。１５年１月に故蜷川幸雄さんとラジオ番組で対談した際の肉声が字幕付きで流れる。

　「若い子はどんどん伸びていくけど、やっぱり大事にしないといけないと思います」「若い子をね、若い子を築き上げなきゃ。それだけにやりがいがある」。人間としてどう育っていき、少年としてどのように生きていけばいいのか。Ｊｒ．からデビュー組へと羽ばたいていくスノストの胸に響く言葉をみんなで選んだ。

　「勝手に声を使って『ＹＯＵダメだよ』って言われそうですが、そこにジャニーさんの全ての言葉が詰まっている気がします」と滝沢さん。目黒蓮（２２）は「最初の本読みの段階で何人か泣いているメンバーがいました」と明かした。

　公演は７日から２８日まで。佐久間大介（２７）「これまでの思いをすべて詰め合わせた集大成にしたい。ここにかけて、次へちゃんとバトンを渡せるように走り抜けたい」と気を引き締めていた。

　舞台は２部構成で、第１部の芝居では、キャストがパンツ１枚になり、風呂桶（おけ）を使って踊る「桶ダンス」が今年も健在。また、脱獄から５０年後の世界では、１５人それぞれがキャラの濃すぎる老人に変身する。

　第２部はショータイム。来年の同時デビューからライバル関係になる２組が手を取り合ってコラボレーションする。それぞれのグループのオリジナル楽曲を、メンバーを全員入れ替えて歌うシャッフルメドレーのほか、ジェシー（２３）とラウール（１６）の“ハーフコンビ”によるセクシーなパフォーマンスも。またＳｉｘＴＯＮＥＳは「ＲＡＭ－ＰＡＭ－ＰＡＭ」、Ｓｎｏｗ　Ｍａｎは「Ｃｒｙ　ｏｕｔ」という新曲を披露する。

　４日に東京ドームで開催されたジャニーさんのお別れ会で、祭壇をはじめ、関係者の部のセレモニーで流す映像や進行次第などすべての流れをプロデュースした滝沢さんは、一般の部を含め、９万１５００人が集まったことについて「平日なのに、お客さんの列が全然途切れなかった。僕自身も最後列まで見に行きました」と明かした。その上で「ちゃんとお別れに来てくれるジャニーズファンの温かみを感じました。（たくさんの人が来てくれるだろうと）分かってはいましたけど、すごくうれしかった」と素直に喜んだ。

　郷ひろみや川崎麻世、元光ＧＥＮＪＩの大沢樹生、佐藤寛之ら退所したＯＢも多数来場。「皆さん、『原点はジャニーさん』とおっしゃっていましたけど、やっぱりそういうことだと思う。形が変わっても、心のどこかに（ジャニーイズムが）ある」と、あらためて恩師の偉大さを実感した様子だった。

　滝沢さんは、関ジャニ∞を脱退し今月末でジャニーズ事務所からの退所を発表した錦戸亮（３４）とは、０９年のＴＢＳ系連続ドラマ「オルトロスの犬」で共演している。錦戸の決断について「年齢も年齢ですし、いろんなことを考えるのは当たり前。それを受け入れた他のメンバーもすごい。もちろん（今後も）錦戸に対しても応援はするし、関ジャニを守っていく他のメンバーも応援したい」と話した。