pixivは2018年5月16日付けでプライバシーポリシーを改定します。内容が以前よりも明確になり、EU(欧州連合)の新しいプライバシー保護法にも対応します。

ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。
Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。

イラストコミュニケーションサービス[pixiv(ピクシブ)]

pixivへようこそ

この作品「【CoCシナリオ】善悪の悲願」は「CoCシナリオ500users入り」「創作」等のタグがつけられた作品です。

恐縮です。先日見た夢の(ｒｙ)本格的に疲れてるのかなって思いました。素直にお仕事...

【CoCシナリオ】善悪の悲願

USB

2016年6月26日 00:18

恐縮です。先日見た夢の(ｒｙ)
本格的に疲れてるのかなって思いました。素直にお仕事どうにかしたい。

今回は死ぬ確率もあり、ＫＰ処理が大変かと思います。
テストプレイをした結果、トゥルーに行けた卓はありませんでした。
トゥルーエンドに向かう為には戦闘技能が必要になります。

20180404●シナリオ使用上の注意 | USB #pixiv novel/9442954

※難易度設定がありますので、玄人卓な場合は最低限の情報でいいと思います。
※何かありましたらコメントまでお願い申し上げます。
※プレイした方でエンディング１行った方が居りましたら、教えて頂けると幸いです＾＾

※地図・ＮＰＣ立絵など→【CoCシナリオ】『善悪の悲願』【地図など】 | USB [pixiv] illust/57588702

2016/07/16→身内卓でエンディング1行きました。このシナリオこんな怖かったんですね(真顔)同時発狂とか逃走とか薬ぷすっとか色々ありましたが、生きています(・▽・)

シナリオ関係で問い合わせありましたら、プロフのツイッターアカウントからもお気軽に。

※全てのシナリオになりますが、改変リプレイ等は御随意に。原型が無くなるほどの改変になる場合はピクシブかツイッターまで御一報くださいませ。
リプレイや動画投稿に関しましてはご自由にどうぞ。その際はシナリオ、制作者名を明記して頂くよう御願い申し上げます。

※ネタバレは禁止です。必ずふせったーなどのアプリを使用してください。
※自作発言・二次配布もお断りさせていただいております。不安なことがありましたらお知らせを……！

※It is ok if only do KP.
please do not pass the translation to anyone.
please do not reprint on any site or book etc.※

a a a

[newpage]

＜あらすじ＞
貴方は大富豪≪水月要(ミツキ　カナメ)≫が主催で行う食事会に行くことになっている。定期的に行われる食事会の参加者は、統一性が無い事でも有名だ。ある日突然手紙が送られ、不参加は基本的に認められていない。

■ルール
・水月要以外のＮＰＣの中に一人だけ生存していない者が居ます。元々死んでいるが、イゴーロナクに憑りつかれている事と、生への依存によりこの世界に留まっている形になります。ＮＰＣの誰が死者かは最初のうちにＫＰがダイスで決めておいてください。
・死者は自分が死んでいるという事にも気付いていません。なので普通に話すことは出来ます。
・後半、主電源を入れると建物全体に明かりが点きます。すると、＜死者＞は自分が死んでいる事に気付き、今度は邪魔者を殺そうとします。
そのギミックが解放されると＜死者＞のみ焼印の文字が変化します。
・ギミックが解放されてからは、＜ＮＰＣ＞に【呪文：恐怖の注入】を掛け、散り散りにさせます。
・シナリオ内で死者を特定する部分になった際はＮＰＣの名前ではなく＜死者＞という形で表記します。

・ギミック解放後のイベント(『階段イベント』『エントランスイベント』)に関しては、難易度に合わせて使うか使わないかを決めてくださいませ。

■背景：ネタバレ含む
・＜椅子取りゲーム＞という都市伝説が噂されている場所。一年に一度、学生が五人誘拐され、廃墟などに拉致される。五人のうち一人だけが生き残ると、その一名だけが脱出する事が出来る。殺し合いではなく、廃墟に仕掛けられた罠によって確率的に死んでしまうというもの。出入り口は無く、最後の一人になると一枚だけ扉が現れる。
・水月要はこの都市の実権を握っている大富豪。自分の知りえないものや、得体の知れないものが紛れている事が気に入らない。＜椅子取りゲーム＞の主催者が人間ではない何かであることも察しているので、この都市伝説自体の根絶を願っている。その為若い頃からオカルトや魔術的な物を調べる様にもなっている。
水月が調べている内に【参加者全員死亡】の回があると知った。
水月が調べた中で＜椅子取りゲーム＞が行われた回数は暫定二十二回。二十二年間に及び、参加者は凡そ百十人。生き残りは二十二人になるが、参加者が全員死亡した回があるのならば二十一人になると考えられていた。けれど生き残りは二十二人と一人多い。
勿論水月自身が調べた情報自体が間違っている可能性もあるが、水月は自分の都市に人ではないものが紛れているという事自体が気に入らない為、それを自ら探す事にし＜食事会＞を企画している。
全員が参加者では面白みに欠けるので、半分は参加者、半分は一般人で選んでいる。

　参加者はいずれにしても項に『累(ルイ)/意味：好ましくない関わり』と焼印を入れられている。「好ましくない関わり」→＜椅子取りゲーム＞の関わり。

[newpage]

【同伴ＮＰＣステータス】

●煙草を吸っている男性＜佐崎順平(ササキ　ジュンペイ)＞
・大学生　医学部
・長い前髪で顔が見えない。Ｔシャツにジーパン。
聞き耳60％　医学70％　説得70％　目星50％　精神分析70％

STR(筋力):12　　　　 CON(体力):10
POW(精神力):15　　　DEX(敏捷性):10
APP(外見):14　　　　 SIZ(体格):16
INT(知性):14　　　　 EDU(教育):15
SAN（正気度）:75
幸運:75　　　　　　　アイデア:70
知識:75　　　　　　　耐久力:13
ダメージボーナス:＋1D4
―――――――――――――――――――――――
・過去の＜椅子取りゲーム＞参加者。生き残った事を後悔しているような発言を繰り返す。
・根暗な性格、頭はいいが兎に角根暗。じめじめしている。
・口数は極端に少なく、会話に困ると煙草を吸ってしまう。
▼好感度を上げる(会話をする、行動を共にする)と
・実の父親というよりも漫画のブラックジャックに憧れている。
・漫画や小説が好き。趣味が一致すると寧ろ話しまくる。

●パンク系の女性＜桐谷優子(キリタニ　ユウコ)＞
・高校生　ビジュアル系バンドVo
・アシンメトリーの髪型。片側だけツーブロックになっている。
芸術(音楽)80％　聞き耳70％　言いくるめ50％　目星50％　キック60％

STR(筋力):10　　　　 CON(体力):10
POW(精神力):12　　　DEX(敏捷性):14
APP(外見):16　　　　 SIZ(体格):12
INT(知性):11　　　　 EDU(教育):12
SAN（正気度）:60
幸運:60　　　　　　　アイデア:55
知識:60　　　　　　　耐久力:11
―――――――――――――――――――――――――
・過去の＜椅子取りゲーム＞の参加者。生き残った事に関しては無関心。
・口調がきつく、他人を責めているような発言が多い。
・常にイライラしているイメージで、面倒事が嫌い。
▼好感度が上がると
・ツンデレです。非常にツンデレです。別にアンタの為にやったわけじゃないんだからねみたいなツンデレです。
・将来はアーティストに成りたい。

●眼鏡の女性＜霜月めぐみ(シモツキ　メグミ)＞
・大学院生　司書
・ゆるいパーマの黒髪。セミロング。
図書館80％　聞き耳60％　薬学50％　説得70％　オカルト50％

STR(筋力):10　　　　 CON(体力):9
POW(精神力):15　　　DEX(敏捷性):9
APP(外見):17　　　　 SIZ(体格):13
INT(知性):15　　　　 EDU(教育):15
SAN（正気度）:75
幸運:75　　　　　　　アイデア:75
知識:75　　　　　　　耐久力:11
――――――――――――――――――――――――――――――――
・過去の＜椅子取りゲーム＞参加者。生き残った事を後悔しているような発言を繰り返す。
・穏やかだが天然なイメージ。
・包容力があるので人の厄介事も喜んで受け入れる。
▼好感度が上がると
・アーケードゲームのしかも格闘ゲームのプロ。
・同人誌などを描いていたりもする。想像力が非常に豊かな人。

[newpage]

【ギミック解放前】

■導入
　あなたはごく普通の日常を送っている。仕事などの帰りにポストを確認してみると、そこには黒い封筒が入っていた。あなたは訝しく思いながらもその封を開け、中身を確認するだろう。そこには『食事会への招待状』と書かれており、日時と場所が記されてあった。
　日時は翌日、招待状の送り主は≪水月　要(ミツキ　カナメ)≫と書かれており、下には『不参加は認められません』と書かれていた。

●水月要……＜アイディア＞成功で開示
　このあたりで有名な大富豪。歳は四十代で男性。ニュースなどでも頻繁に取り上げられる。少々変わり者であるとも言われている。
→更に＜食事会＞について思い出す場合は＜知識＞を成功させる
　こうした＜食事会＞は定期的に行われている。その都度参加者を集めているようだが、それに統一性が無い事でも有名。毎回固定の場所ではなく、水月氏の別荘や有名なホテルなどその度に変わっている。
　不参加が認められた事は無く。時間に来なかった場合はどんな場所に居てもお迎えが来るという噂もある。

導入で得られる情報は以上。その他に探索者が個々に連絡を取りたい場合はＲＰを入れても構わない。
※恐らく絶対に「行かない」という探索者も居るとは思うが、その場合はエージェントのような屈強な男達がリムジンで、しかも早朝、ご自宅(職場)へとお迎えにあがります。勝てません。戦闘はしないでください。諦めてください。

■食事会の会場
　会場は戸建てのレストランだった。緑豊かな立地で、殆どがガラス張りになっている。
　探索者達が会場に到着すると、そこには既に三人の人影があった。一人は黒髪で煙草を吸っている男性、もう一人は黒髪でややパンク系の恰好をした少女、もう一人はセミロングヘアーで眼鏡をかけた女性だった。
　集合時間よりやや早く到着している。三人は知り合いという訳では無いようで、話し合っているような雰囲気ではない。
　新たに現れた探索者達に全員注目している。

※この時点でする自己紹介は名前や職業程度のものになります。
※因みに今後パニックに陥る彼らを＜精神分析＞したり＜説得＞したり、彼らに配慮した行動をすると好感度が上がります。

■水月要の登場
　会場前で話をしていると、そこに一台の車が到着する。黒い高級車から降りてきたのは、上下共に灰色のスーツに身を包んだ四十代ぐらいの男性だった。彼は参加者の顔ぶれを眺め、スッと笑顔を浮かべる。

水月「この度は急な食事会にお誘いして申し訳ありません。僕は主催者の水月要と言います。御存じの方も、そうでない方もどうぞ宜しくお願い致します。さて、立ち話も何ですから、中でお話をしましょうか」

※ＮＰＣや探索者が何と言おうと、水月は強引に会場に入れようとします。続きの話や何故呼んだのかという理由についても会場に入らない限りは話しません。

　全員が会場に入った後、最後に水月が入る形になった。彼はくるりと探索者達の方を見、一番奥の席まで歩きながら話を始める。

水月「参加者の方の中には、何故自分が呼ばれたのか、何故此処に居るのかを不思議に思う方が居るかもしれません。僕の方も気分で選ばせて頂いた節はありますので、どうかお気になさらず」

「と言っても」と続けながら彼は自分の席の前に立ちにっこりと微笑んで見せた。

水月「気になるのも仕方の無い事。つもる話もあるでしょうから、此処は料理でも食べながらゆるりと話をしようではありませんか」

　水月がそう言った後、参加者全員に座る様に促す。全員が座ったのを確認すると、彼はレストランの店員に耳打ちをし、食事を用意するように言うだろう。
　それから数分も掛からず料理が運ばれてくる。
　料理の数々は今まで自分たちが食べてきたものとは比べ物にならない様な豪華な品々だったが、味わいも逸品だと感じる事だろう。

※そうした料理が運ばれながら、水月は様々な質問に答えてくれます。
　以下、質疑応答

問「何故このメンバーにしたのか」
水月「それは先ほどもお伝えしたように、気ままに選ばせて頂きましたよ。様々な方に僕の気に入っている料理を食べて頂きたいのです」
＜心理学＞成功→「水月は何か企んでいるようだが、その成功も失敗も望んでいるようだ」と感じる

問「ここのレストランについて」
水月「ここは僕のお気に入りのシェフが経営しているレストランです。旧軽井沢を思わせる佇まいと、洋風の中に和を感じさせる料理が相俟って、僕の心を癒してくれるんですよ」

問「水月の仕事に関して」
水月「今は経営コンサルタントのような仕事をしていますよ。詳しいお話は出来ませんが」
※経営コンサルタントは副業、この都市の大手企業の総取がメインの仕事だが社長は別の人間を宛がっている。(自由に生きたい)

水月からの質問
・「皆さんのご職業を教えてください」

※水月要は基本的な事は全て知っているので、わざわざ聞く事でもないですが、
　当人たちから直接話してほしいのでこう質問しています。

・「過去に経験した一番怖いと思った体験はありますか？」
ＮＰＣ解答例→佐崎「日々が怖い」
　　　　　　→桐谷「答える義理は無い(放課後の学校で停電になった時が一番怖かった)」
　　　　　　→霜月「趣味が親にバレた時の親」(同人活動)

※恐怖を感じた事が無い為、これはオカルト好きな彼の純粋な興味です。
　オカルトの類の話を聞くと、興味を抱きます。

・「将来はどうなりたいと思っておいでですか？」
ＮＰＣ解答例→佐崎「父のようなかっこいい医者」
　　　　　　→桐谷「別に(アーティストになってＣＤデビューしたい)」
　　　　　　→霜月「司書になり本に囲まれて過ごしたい」

※水月はこの中に居る＜死者＞を探し、それを葬りたいと考えています。けれどそうする事で＜死者＞の将来を奪う事も理解しています。なので一応全員にこの質問の答えを聞き、せめてその将来を知っておこうと考えています。

ある程度食事が終わり始めると、水月は急に思い出したかのように「そういえば」と口にします。

水月「皆様は＜椅子取りゲーム＞という都市伝説をご存知でしょうか」

　そう言って彼は静かに手を組み、参加者の反応を伺っているようだった。

＜知識＞成功→その地域で噂されている都市伝説。一年に一度、学生が五人誘拐され、廃墟などに拉致されるというもの。五人のうち一人だけが生き残ると、その一名だけが脱出する事が出来るらしい。殺し合いではなく、廃墟に仕掛けられた罠によって確率的に死んでしまうという。出入り口は無く、最後の一人になると一枚だけ扉が現れる。失踪事件も多発される中で噂されているだけのようだが、真実は不明。

＜心理学＞成功→水月は何かを期待しているようだ
　　　　　　　→佐崎、桐谷、霜月は明らかに動揺しているようだ

水月「簡単にお話しすると＜椅子取りゲーム＞とは一年に一回、参加者五名という中で行われる脱出ゲームのようなものです。殺し合いなどで人が死ぬのではなく、この世ならざるものによって四人は死に、一人だけが生き残るのだとか」

　水月は組んでいた手を遊ばせながら続けた。

水月「その都市伝説にはもう一つ隠れた噂があるんです。【参加者全員死亡】の回が一度だけあったという事です。けれど生き残った人数は開催された回数と同数、これ、どういう意味か僕には見当もつかないのですが、気味が悪いですよねぇ？　まぁ、尤もそれが一体何回行われているかなんて、誰も知り得はしないのですが、それはそれで怖いとは思いませんか？」

＜心理学＞成功→水月はやはり何かを期待しているようで、参加者の顔色を伺っている。
　　　　　　　→佐崎、桐谷、霜月は今知ったかのような顔をしている。

　水月は少しだけ間を置いてから、一つ息を吐いた。

水月「僕は、都市が大好きです。こうした都市伝説の類も良いスパイスになります。だからこうやって話してしまうんですよ。
さて、オカルト染みた話をしてしまって申し訳ありません。食後にする話では無かったですね。本日は皆様のお話を聞けて幸せでした。因みに、お食事の方はいかがでしたでしょうか？」

※水月は料理が美味しかったなどの言葉には嬉しそうにし、要望などを言われた際は熱心に聞きます。また強引に＜食事会＞に参加させた事に関しては飄々とした態度で「まぁ腹が満たされたのだからいいではないですか」とにこやかにいいます。

　探索者が答え終えると、水月はそっと立ち上がり出入り口の方へ向かう。

水月「それでは、皆様をお送り致します。本日は貴重な時間を頂きありがとうございました。帰りは僕が送らせて頂きますよ。何、こう見えて運転は得意なのです」

※水月は必ず最後に出ていこうとします。因みに此処で水月が参加者に出る様に促している扉は＜門の創造＞の呪文が掛かっているものになります。(ルールブック289頁)
　門の向こう側の世界は【死んだ者の記憶】に設定しています。つまり全員が生存者であれば、ただの扉になりますが、今回の場合は＜死者＞が紛れているので、その人物の最期の記憶に繋がっていきます。(実際の場所に繋がっているというよりも、実際に起きた事と＜死者＞の意識を混ぜたような場所に繋がっています)

※水月に最も多く＜心理学＞を振った探索者は、こっそり水月から書物を渡されます。その際は以下の文章を。

【探索者が扉を潜ろうとした間際、水月はそっと大きい封筒を渡してきた。中には本のような物が入っているようだ。
　探索者が水月にこれについて問うと、彼はそっと人差し指を口元で立ててこう言った。
水月「これはお土産です。何やら僕の話を一番熱心に聞いてくれていたようなので、僕が調べた＜椅子取りゲーム＞の概要をお渡しします。手持無沙汰になった時にお読みください」
水月「足を止めさせてしまって申し訳ありません。中身はご自宅に帰った際にでもお読みくださいね」】

■＜食事会＞終了：門の先
　探索者達が門を潜り抜けた瞬間、酷い眩暈を覚える。立っていられない程の頭痛も相俟って、その場で崩れ落ちてしまうだろう。視界は暗転していくが、振り返れば通ってきた門の光があった。

＜目星＞成功→扉を閉めようとしている水月が見える。驚いた様な顔だ。
＜聞き耳＞成功→水月の「成る程、今回は、当たり……という事ですか……」という苦しげな声が聞こえる。

※水月は＜食事会＞を何回も行っているが、そのどれもが不発だったので、今回もそうだろうという気持ちでいました。けれど＜死者＞が現れた事により、門は創造され、探索者と参加者全員を巻き込んで異世界に飛ばされてしまいます。術者である水月は一時的に大量の魔力を失うので、気を失ってしまいます。本人自身も本当は行きたがっていました。

■廃墟：二階食堂
　再び探索者達が目を覚ますと、そこは暗い廃墟のようだった。全体を見てみると、以前は食堂として使われていたようだ。
明かりもない状態なので何もしない場合は＜目星＞-30％。荷物は持っている状態。
食堂には散乱した椅子と立っている事がやっとな古い長テーブルがある。厨房はとても狭い。
佐崎順平のみ探索者と共に居るが、桐谷、霜月の姿は無い。

佐崎順平は本当に驚いた様子で辺りを見回している。明らかに恐怖しているようで、カチカチと歯を鳴らしていた。

※＜椅子取りゲーム＞の雰囲気に似ている為、内心パニック状態にあります。＜精神分析＞を成功させれば、その相手に信頼を覚え共に行動をしようとします。
　＜精神分析＞を試みた探索者や彼を気を配った探索者が居た場合、彼はしっかりと自分が＜椅子取りゲーム＞の参加者であった事を打ち明けます。
　そして【参加者全員死亡】の話も知らなかったと話します。
　因みに項も見せてくれます。(探索者の項には『累』という焼印はありません)

※水月から本を貰った探索者はここで読むことも出来るが、非常に長い時間を使う為、暫くは動く事が出来ない。

●『＜椅子取りゲーム＞調査資料/水月要』――――――――――――――――――――
＜椅子取りゲーム＞が開催されたのは今から二十数年程前の事だ。恐らく第１回が行われたのはそのぐらいだろうと思う。
この都市では失踪事件が相次ぎ、一日に２１件の失踪届が出されるが、大体は当人の都合によるものが大きい。
失踪者が多い都市だからこそ、こうした都市伝説が流行しているのだろうと思っていたが、どうやら違うらしい。
この＜椅子取りゲーム＞が根強く生き残っているのは、所謂生きた証人＜生存者＞が居るからである。
彼らは「参加者は５人いた」と証言するが、それも定かではない。ただ誰もが酷い精神状態なので、カウンセリングや身体検査を定期で行わなくてはならなかった。
生存者の証言で一致している事は２点。
「参加者は五人で、人気の無い廃墟に集められる。見知った顔は一人もいない」
「殺し合いではなく、何かによって人が消えていく」
そして生存者の共通点も２点ある。
・彼らの項には必ず『累(ルイ)』という焼印が押されている。
・生存者が会場で発見された事は無い。街中で突然倒れた所を救出されている。
非常に考えにくい事だが、これは人による犯行ではないと思われる。
生存者にその「何か」について尋ねると、途端に怯えだしてしまうので聞きだすことは出来ない。
もしかしたら彼らもそれが何なのかを理解できていないのかもしれない。

　過去一度だけ生存者を作らなかった【参加者全員死亡】の話が何故生まれたのか、その真意を問う事は出来ない。
　けれどそれが真実であるならば可笑しな事がある。調査の中でゲームが行われたのは２２回、参加者は１１０人、生存者は２２人だ。【参加者全員死亡】の話が本当ならば、１人確実に異端な者がいる。これは何を示しているのか。
因みに『累』という文字は「好ましくない関わり」という意味合いがある。
生存者が２回＜椅子取りゲーム＞に参加したという例は無い事から、見分ける為に押印しているようだった。

………
　定期的に開催している＜食事会＞にてある罠を張ってみる事にする。
　もしも＜死者＞が実在するのならば、その＜死者＞の最期の記憶に繋がる時系列へと行けるように。
　やはり、自分の目で確かめてみない事には、何も信じられない。
　死んでいる者は等しく、そこに還るべきだ。
　呪文は少々労力を使うようだ……。正真正銘の過去に行けるかは解らないな。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

●厨房
　厨房には食料は勿論、食器や調理器具は殆どない。寂れていて、少しだけ煤の匂いがする。
　厨房のカウンターには懐中電灯が置いてある。電池は一本だけ入っていない。何処かに転がってしまったようだ。

＜目星＞成功→単１電池を発見できる。
　懐中電灯が使用可能になる。(＜目星＞補正が解消される)

●机
　埃が溜まっている。息を吹きかければ埃が舞い上がってしまいそうだ。

＜目星＞成功or息を吹きかける→埃の下から薄汚い紙が見つかる。どうやらこの施設のパンフレットのようだ。(地図の開示)

●椅子
　座ろうとすると足が折れてしまいダメージ-1

■図書室　※霜月が居ます
　その部屋は以前は図書室として機能していたようだった。扉を開けた瞬間にびくりと震える人影があった。霜月は怯えた様子で探索者達を見詰めている。震える体を自分で抱きしめながらゆっくりと後ずさりをしている。
　図書室には小さな本棚と机と椅子がある。

※霜月も精神的なパニックを起こしています。＜精神分析＞成功で話が出来る様になります。自分が＜椅子取りゲーム＞の参加者であった事や項の事も教えてくれます。
この部屋に居た理由に関しては、解らないと答えます。

●本棚
　今にも壊れてしまいそうな本棚だ。埃を被っていて、触るのも憚られる。
　＜図書室＞成功→『神話とオカルト』という如何にもチープな書物が見つかる。

『神話とオカルト』-――――――――――――――――――――――――――
　暗闇の中には必ず神話上の生き物が棲んでいる。
　中でも暗闇の中で如何様にも変化するニ■■タは危険だ。
　彼らは気付いた時には我々の傍に這いよっているのだ。
　やつに出会わないようにするには明かりが必要だ。
暗闇を作らずに光の中で暮らすのだ。
物理的な闇の中に住まうのがニ■■タならば
精神的な闇に住まうのは■ゴ■■■クだろう。
これは心に光を灯すほかない。
我々人間は、常に闇と共に生きている。
そこに光を灯さねばならない。
それを忘れてはならないのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

　この本を読んだ探索者が本を閉じると、目の前の本棚の隙間から黒い何かが蠢いているのが見えるだろう。
　黒い闇は鎌のような形を作り、探索者を襲う。
　ここで本を読んでいた探索者は＜幸運＞を振ってもらう。

成功→寸での所でかわすことが出来た探索者が、もう一度その方向を見ると、闇は蠢きながら消えていく様子が見えた。

失敗→探索者は腕に切り込まれ1ｄ3のダメージを負う。痛みに堪えながらその方向を見ると、闇は蠢きながら消えていってしまった。

●机と椅子
　机の上も埃まみれだったが、少しだけ誰かが使用したようなあとがあった。
＜目星＞成功orその個所を重点的に見る→『手紙』が発見できる。

『手紙』―――――――――――――――――――――――――――――――
　さっき遠くで叫び声が聞こえた。きっと誰かがまた消えたんだ。
怖い。父さん、母さん。最後になるなんて思ってなかったから
喧嘩したままになっちゃった。
ごめんなさい。ごめんなさい。
携帯電話の電池が切れちゃったから
暗いこの部屋でせめて助けが来る事を祈ります。
そう言えば見知った人なんて誰も居ない筈なのに
あの人だけはすぐにパートナーを見つけて
「頑張ろう」って言ってたっけ。
僕はさっきまで誰も信じられないでいたから、
今思えば誰かと一緒に居れば良かった。
一致団結すれば、全員助かったかもしれないのに。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

※＜死者＞はパートナー(異性)と共に逃げ廻っていましたが、最終的にそのパートナーに裏切られてしまい死んでしまいます。＜死者＞はその恨みからこと切れる前にイゴーロナクを呼び、パートナーをも殺しています。
　この時点で＜死者＞は記憶が混濁しているのでパートナーの存在も忘れています。

■廊下　※桐谷が居ます
　廊下に一番最初に入った探索者は＜回避＞を振る。
成功→扉を開けた瞬間に桐谷優子がキックをしてきたが、あなたは交わすことが出来た。気が動転しているらしい桐谷は息を荒くして、また飛び掛かろうとしている。
失敗→扉を開けた瞬間に桐谷優子のキックは体に入ってしまい、あなたは倒れてしまう。1d3のダメージ。彼女は気が動転しているらしく、息を荒くして再び攻撃を加えようとしていた。

※＜精神分析＞成功で彼女の気を戻すことが出来ます。彼女は謝罪をし、蹴りかかった相手に対して酷く申し訳なさそうに接してきます。
自分がゲーム参加者である事や、焼印の事も伝えてくれます。

廊下に＜目星＞成功→廊下を少し歩くと、壁に何かが書かれている事に気が付く。
『シニタクナイ　シニタクナイ　イキタイ　イキタ』と爪で書かれたらしい文字がある。
所々赤黒く変色していて、その壁の下を見ると、渇いたばかりの血の後がある。

SANc0/1

■風呂場
　脱衣所と大きな風呂場があるようだ。以前には多くの人が使ったのだろう。
　今となってはただただ古臭いだけで、足元もじめじめとしている。

＜目星＞成功→浴室の床に銀色に光るナイフが落ちている
ナイフ　1d4+db

■トイレ
　簡素なトイレだ。僅かにアンモニアの匂いもしていて、気分が悪くなりそうだ。個室が一室だけある。
＜目星＞成功→個室の奥にボイスレコーダーが落ちている。

●ボイスレコーダー
　再生をしてみると酷いノイズが走っていて殆どよく聞こえない

―――――――――――――――――――――――――
怖い……暗いし……さっｻﾞｻﾞｻﾞｯパートナーとか言われてる奴に
懐中電灯を取られちまった……
一緒にいる人、完全に騙されてるけど……ｻﾞｻﾞｯ
大丈夫、かな……ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯ
あの人最初あった時
真っ黒い髪の毛だっ　　　から
闇に溶け　　みたいで怖かったけど
良い人……みたい、だし……
あのパートナーって呼ばれてたやつと一緒だと
ｻﾞｻﾞｻﾞｯきっと死んじまう
俺は　ｯｻﾞｯどうしようもない奴だけど
最後ぐらい、何かかっこいいことｓ

何だ……？　今何か……
あっ！　ィヤダッ　いやｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄ
―――――――――――――――――――――――――
以下泣き叫ぶ声が永遠とリピートされてしまうようになる。
探索者が電源を切っても電池を抜いても、その音は止まらない。

SANc0/1d2

探索者がボイスレコーダーを床に叩きつけると、その音は止まった。

　それと同時にトイレの排水溝から黒い何かがにゅるりと姿を現す。人の手のような物が這い出て来て、全員に掴みかかろうとする。
全員＜幸運＞を振る。
＜幸運＞成功→ダメージなし
　　　　失敗→1ｄ2のダメージ
　　　　掴まれた瞬間に焼けるような痛みを感じ、慌てて探索者は振り払った。けれど足に酷い火傷を負ってしまい、足を使う技能に-10％
　手は再び排水溝の中へと戻って行ってしまった。
　ボイスレコーダーの持ち主は、今の黒い手によって死んでしまったのだろうか。

■電源室
　鍵が掛かっている。
※ゲームセンターで＜電源室の鍵＞を手に入れる

■階段
　階段らしきものの近くに来ると何かが光っているようだった。近くに寄ってみると、誰かの携帯電話が落ちている。

●携帯電話　テキストログ――――――――――――――――――――――――――
他の人もそうだったけど『累』って書いてある。
調べてみたけど『累』って言葉の意味は「良くない関わり」とか悪い意味だったり
「繋ぎ止める」って意味みたい。(＞＜)
同じような字で『縲』って見た事あるけど、あれってなんだったっけ(・ω・`)？
あ、よく使うのは『類』って言葉だよね(＞▽・)ｂ

はー(-Д-)
こんな事書いてても仕方ないけど、どっかで気を紛らわさないと
ああ、でもー
なんかもう、どうでもいいなー
怖がるのも疲れちゃったやー(・▽・`)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

携帯電話を他の画面に変えようとしても壊れているようでフリーズしてしまっている。

▼主電源を入れる前
階段を降りようとすると、黒い影が波打っているように感じ始める。それは触手のようなものを地面から生やしながら、探索者達の足を絡め取ろうとするだろう。
　DEX×5で成功した探索者→その気味の悪い階段に恐怖しつつも、あなたは階段を走り降りる事が出来た。
DEX×5で失敗した探索者→その触手があなたの足首にするりと絡み付き、きつく締め上げる。突然の事にあなたは階段を転げ落ちてしまうだろう。
1d3のダメージ

■１階：玄関
　酷く雑然としている下駄箱と玄関だ。古い大時計は既に停止してしまっている。出入り口の扉があるようだ。

●下駄箱
　サンダルなどが転がっている。ボロボロになっている為かゴム特有の厭な匂いも発している。

●大時計
　古い大時計のようで、振り子も止まってしまっている。部品が無い訳ではなく、完全に寿命が切れたような有様だ。
　振り子の中を覗く為のガラス板にはヒビが入っている。

＜キック＞＜パンチ＞などの成功→ガラスは非常に脆くなっていた為か、粉々に割れてしまった。

＜目星＞成功or中を漁る→小さなポケットラジオが見つかる。電源は入りそうだ。

●ポケットラジオ
ラジオの電源を入れると、突然大音量で何かの言葉が再生される。
探索者が止めようとしても、それは止まる事は無かった。
それは途轍もなく不快で、気分が悪くなるような言葉だった。
グラーキ、イゴーロナク、アザトース等の名称だけが何故か耳に入る。
更にそれらの生物に関する情報も次々と流される事になる。
そして最後には呪文のような言葉が永遠と繰り返されるようになり、
それがもう一度同じように繰り返そうとしたところで自然に止まってしまった。

『グラーキの黙示録』の断片
SANc1/1d5+クトゥルフ技能3％

●玄関の扉
　取っ手が無いようだ。開く事が出来ない。

【玄関イベント】
☆次の部屋に行く前にシークレットダイスを振ってください。
＜死者＞と＜ＮＰＣ＞両方が居る時に発生。
　主電源のＯＮ・ＯＦＦに関わらずこのイベントは発生します。
　＜死者＞を除いたＮＰＣ2人で考えます。
【例】死者：霜月
ダイス
１：桐谷
２：佐崎

以下＜ＮＰＣ＞
シークレット：【＜ＮＰＣ＞は何故か背後で異様な殺気を感じる。振り返ってみるが、そこには＜死者＞の後姿しかない。不思議に思っていると、彼(彼女)の影がうねうねと蠢いているのをはっきりと目撃してしまう。驚き、恐怖してしまったが、辛うじて残った勇気を振り絞り、その腕を掴んだ。腕は驚くほど冷え切っている。まるで死んでいるみたいだ、と感じるだろう】→発狂：＜恐怖症＞

探索者視点：【探索者達が次の部屋へ行こうとしたところで＜ＮＰＣ＞が小さく叫び声を上げた。探索者達がそちらを見ると＜死者＞と＜ＮＰＣ＞が対峙している形になっている。＜ＮＰＣ＞は明らかに＜死者＞を警戒し、恐怖している様子だ。精神的にパニックになってしまっているようで、今にも何処かへ逃げ出してしまいそうだ】

＜精神分析＞成功→＜ＮＰＣ＞は落ち着いた様子だが、探索者の傍から離れようとしなくなる。

※ここで選ばれた＜ＮＰＣ＞は＜死者＞に近付かなくなり、好感度の高い探索者にはその時に見た光景を話します。ただし＜死者＞が居る前では話してくれません。

■1Fエントランス
　閑散としている。長椅子が沢山並んでいるので、当時は多くの人が此処を利用していたのだろうと感じる。長椅子の他には受付カウンター、そして周りを見れば、ガラスの壁らしきものが見える。

●受付カウンター
　受付と書かれたプレートが立てられている。カウンターの机には薄い冊子のような物が置いてあった。

●第19回　『参加者リスト』――――――――――――――――――――
金髪の男■　ゴシップ好き　ヘラヘラとした■動
黒■の女性　賑やかな■格　面倒くさがり
茶髪の■性　嘘つき　自己中■的
■■の男性　臆病　泣き虫
■髪の■性　■■■足　■じや■い
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
※上から
ボイスレコーダーの男
携帯電話の女
パートナー
手紙の男
今回の＜死者＞(愛情不足　信じやすい)

　ＮＰＣ達に尋ねてみても見覚えが無いと言うだろう。

●ガラスの壁
▼主電源を入れる前
※自動扉近くにある折りたたまれた紙には気付けません。

　暗い中でよく解らないが、奥は地図の通りゲームセンターのようだ。右端には開きっぱなしの自動扉がある。

■ゲームセンター
▼主電源を入れる前
　広々とした空間にいくつものゲーム台が置かれている。格闘ゲームの台や、クレーンゲーム、射的ゲームの台などもある。どれも電源が切れているようで、うんともすんとも言わない。

●格闘ゲーム台
　古いゲームの様だ。知らないキャラクターの名前が書いてある。

●クレーンゲーム台
　よく解らない人形が置かれている。少なくとも可愛いとは思えない見た目だ。落とし穴の所に奇妙なバランスで落ちかけている人形が一体だけ居る。

＜キック＞成功or揺らす→人形が落とし穴に入り、下に落ちたようだ。人形らしからぬチャリンという音も同時に聞こえた。
人形の体に鍵が絡み付いていた。
　●＜電源室の鍵＞を入手

●射撃ゲーム
　出てくるゾンビを撃っていくゲームなようだ。埃が被っていて、銃を持とうとは思えない。

■物置
▼主電源を入れる前
　エントランスの隣の部屋は鉄でできた扉で閉ざされていた。
　扉は開かないようだ。

[newpage]

【ギミック解放後】

■電源室
　どうやら電源制御室のようだった。光が僅かに点灯している事から、電気は通っているらしい。
主電源と書かれたボタンがある。

電源を入れるとその場が明るく照らされるようになる。暗闇の中に居たためかその光が強く感じてしまい、目をすぐに開く事も難しいだろう。

主電源を入れる事により【ギミック解放】
☆ここでシークレットダイスを振っているフリをしてください。

※ここから＜死者＞は自分が死んでいる事に気が付きます。主電源が入った後からは大体の発言が嘘になり、なんとか生き残ろうとします。更に【玄関イベント】の＜ＮＰＣ＞を早急に殺そうとします。
※焼印の変化を知った探索者も邪魔とみなし、二人きりになった際は殺そうとします。
※三人以上の団体行動の場合は何もしてきません。
※＜死者＞が居た場合。その光を見て再びパニック状態を演じ、部屋から脱走してしまいます。
※そして、脱走する間際にその他＜ＮＰＣ＞に【呪文：恐怖の注入】をして、残り二人も発狂し、部屋から脱走させます。

【死者→玄関、【階段イベント】のＮＰＣ→受付カウンター、他のＮＰＣ→食堂】

この際「階段を駆け下りる音」と別の場所で「食器が割れるような音」が聞こえると伝えてください。
※誰かが１階にいる＜死者＞か＜ＮＰＣ＞を探しに行かないと、＜ＮＰＣ＞は死んでしまいます。
※発見した際は等しく発狂しているので＜精神分析＞が必要。
＜死者＞は「いきなりの光で驚いた」と答え、他は「急に怖くなってしまった」と言います。

＜目星＞成功→機械の脇に『手帳』が落ちている

●『汚い字で書かれた手帳』―――――――――――――――――――――――――
俺(私)が＜椅子取りゲーム＞の参加者だって？
死ぬのはごめんだ(わ)。
あの楽天的な女も面倒だし
噂が好きそうな男も使えそうにない
臆病そうなやつは、警戒心が強そうだから
手なずけるなら、あいつが良さそうだ(ね)。
少し優しくしたら「いいパートナー」なんて言ってきた
愛情を受けなかったとかベラベラ話し出す始末。
でも、俺(私)が生き残る為に利用しないと。
生き残りが二人になるまでの辛抱だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

※＜死者＞の性別によって性別が変わります。

※秘密裏に＜死者＞がＮＰＣを殺害した場合は以下の文章を

【探索者がその部屋を見ると、何故か照明が壊されており、床にはガラスの欠片が散らばっていた。ザリザリとした床を歩きながら、ふと暗い部屋の中で何かの塊を見つける。それはピクリとも動かずそこに佇んでいたが、近付いてみるとそれが人だと解った。＜ＮＰＣ＞が首を掻き毟るような仕草のまま絶命していた。体の所々が食い千切られているようだ。部屋の影がしゅるりと動いたのが視界の端で見えたが、ただ＜ＮＰＣ＞の死体から目を離すことは出来なかった】
SANc1/1d3

※殺す技法とすれば、＜死者＞はイゴーロナクとなって攻撃を仕掛けてくることはありませんので、ニョグタの特性を利用します。暗い部屋に誘い込み、ニョグタに捕食させる形になります。探索者を殺そうと考えていても、ニョグタが現れた際は驚愕し応戦するという演技をします。探索者が死んだらそれはそれでいいが、生き残った場合は何とでも言い訳が出来るからです。中々攻撃も当たらず、当たっても最少値になります。

※探索者が＜死者＞の罠に嵌った際は以下の文章を
【探索者が＜死者＞と共に部屋に入ると、その部屋の照明が突然叩き割られてしまった。＜死者＞はその音に驚き、一層探索者の近くに寄るだろう。明かりが消えた部屋を出ようと、扉の方を見るが、そこには何か黒い影が静かに佇んでいた。黒い触手を伸ばし、悪臭を放ちながらそれは探索者に襲いかかってきた

グレート・オールド・ワン　ニョグタの断片との戦闘
(ただし若干の弱体化、最初からダメージが入る)
SANc 1d3/1d10

DEX10　耐久値15
触肢　70%　1d8
噛みつき　40% 1d5】

■階段

【階段イベント】

▼主電源を入れた後　＜死者＞が居る場合
　再び階段を使おうとしたが、そこには暗闇の時にはあった妙な触手はなかった。
建物全体を明かりで満たした事により、それらが消えたのだろうと感じるだろう。

☆シークレットダイスを振る振りをしてください。

　探索者達が階段を降りていると、＜死者＞が突然声を上げた。探索者達が振り返ると、階段の僅かな影に縫い留められるかのように、片足だけ身動きが出来なくなっている＜死者＞が居た。＜死者＞は必死に片足を剥がそうとして、階段を踏み外してしまう。しかし彼(彼女)が階段を踏み外した瞬間に、片足の拘束が外れてしまった。
このままでは階段から流れ落ちてしまう。

※ここで必ず、助けるか助けないかを宣言してもらって下さい。

助ける場合：DEX×5でダイスを振る(失敗した場合は＜幸運＞を。この時の出目で数が小さい人を覚えておく)
　→探索者は倒れ落ちそうになる＜死者＞を寸でのところで助ける事が出来た。突然の事に驚いている＜死者＞だったが、助けた探索者の顔を見て静かに「ありがとう」と言った。異性、もしくは一番仲の良い探索者の場合は、安心したような笑みを浮かべて「助けてくれないかと思った」と冗談のように言うだろう。

助けなかった場合・ダイス失敗
　→探索者は崩れ落ちていく＜死者＞に対して何も出来なかった。それに対して＜死者＞は「大丈夫」と静かな顔で言うだろう。それが異性、もしくは一番仲の良い探索者だった場合は「結局は他人だから、気にしていない」と微笑みながら言う。
(誰も助けられなかった場合、＜死者＞は1ｄ3のダメージ)

※助けた探索者の中で一番出目が小さかった探索者に以下をハンドアウト。

【あなたは＜死者＞を助けた際、さらりと落ちた黒髪の隙間から彼(彼女)の項が見えるだろう。そこには『累』という文字の左横に『糸』という焼印も入れられている事に気が付く。】

【けれど＜死者＞がすぐに体を起こした為、よく見る事は出来なかった。】

【＜死者＞に項の焼印の事を尋ねてみると「こういうのを見たがるなんて」と少し呆れられてしまい、拒んでしまうだろう。】

※＜死者＞は自分の項に押された焼印の文字が微妙に変わっている事に気が付いています。『縲』という漢字は「罪人を縛る」という意味があります。
＜椅子取りゲーム＞で正しく自らの意思で人を殺めた人物が今回の＜死者＞だからです。
【※難易度を上げたい場合、このイベントは無くてもＯＫです。】

■1Fエントランス
【エントランスイベント】
▼主電源が入った後
『参加者リスト』をもう一度見た場合。＜死者＞のみに心理的な変化が現れます。
探索者が＜死者＞の方を見ると一瞬本当に厭そうな顔をしたという事が解ります。
『参加者リスト』をその場に置いておく場合、＜死者＞はDEX×3を振ってください。
成功した時のみ、誰にも気づかれず『参加者リスト』のパートナーの部分だけ黒く塗りつぶす事が出来ます。
失敗した場合、＜死者＞以外のＮＰＣと探索者に番号を振り分けてダイスを振って下さい。
　ダイスで当たった人物のみ、その瞬間を目撃する事になります。
【※難易度を上げたい場合、このイベントは無くてもＯＫです】

●ガラスの壁
▼主電源を入れた後
　エントランスに入った瞬間から耳障りなメロディーが大音量で聞こえる。ゲームセンターの機械が一斉に動き出したようだ。しかし所々壊れているようで、不協和音を奏でている。
　暗い時には気が付かなかったが、自動扉の近くに折りたたまれた紙が落ちている事に気が付くだろう。

●『箱の中の猫』―――――――――――――――――――――――――――――
　蓋のある箱の中には
　毒ガスを発生させる装置と共に
　一匹の猫が入れられた
　装置が起動する確率は50％
　それはつまり
　猫は半分の確率で死に
　半分の確率で生きるという事だ
　猫が死んでいるのか生きているのか
　我々は蓋を開けるまで知る事は出来ない
　けれど蓋を開けるべきか開けないべきか
　我々はそれを選ぶことは出来る
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜知識＞成功→『シュレーディンガーの猫』という科学的理論を思い出す。

※最後の選択のヒントです。

■ゲームセンター
▼主電源が入った後
　暗い時には動かなかったゲーム台が稼働しているようだ。試しにクレーンゲームのスイッチを押してみるとコインを入れずとも動くようだ。

以下、遊び方(茶番ですので入れる入れないはＰＬ次第)
●クレーンゲーム
　桐谷が物欲しそうにしている。
＜幸運-20＞で成功すると人形を入手する事が出来る。
　人形を桐谷に渡すと、子供のように喜ぶ姿を見せ、すぐにハッとして「ありがと」と無愛想に答える。
※＜死者＞の場合、最後には淋しそうに項を撫でます。

●格闘ゲーム
　霜月が居た場合、自動的に霜月とのバトル。彼女は有無を言わさず座った。
①DEX×3 (霜月はDEX×6)
②互いに＜幸運1/2＞
③CON対抗(霜月はCON 15)
多く勝った方が勝ち

　ゲームを終えると霜月は勝っても負けても楽しそうに笑い「ありがとうございます！こんなところでも楽しめるなんて思っていませんでした！」と言います。
※＜死者＞の場合、最後には淋しそうに項を撫でます。

●射撃ゲーム
　佐崎が少しやりたそうにそわそわしだす。
DEX×5を３回繰り返し、成功した数が多い方が勝ち。

　ゲームを終えると佐崎は「友達とゲームなんてやったことなかったけど、楽しかったなぁ」と微笑みます。
※＜死者＞の場合、最後には淋しそうに項を撫でます。

■物置
▼主電源を入れた後
　扉に四角く溝があるのが解る。
溝をゆっくり押すと、パカッと蓋のようなものが開いた。
その中にはホワイトボードが貼り付けてあり、横にはペンもある。
蓋の裏側にはマグネットでメモもくっついていた。
けれど依然として扉は開かない。

●メモ―――――――――――――――――――
　人の皮を被り
　人を恋しがり
　人を憎んだ

　「死者」の部屋
――――――――――――――――――――――
ホワイトボードのようなものは、どうやらネームプレートだったらしい。

※このホワイトボードに水月要以外のＮＰＣ・探索者の名前を書いても扉は開きます。
　ただし場合によってはロストしてしまうので、「縲」or＜死者＞の名前を書くのが正解です。
※＜死者＞はどうにか生き残ろうとするので、ホワイトボードの意味を探索者に聞かれた際は知らない振りをし、単独行動になった時に【玄関イベント】を目撃した＜ＮＰＣ＞の名前、もしくは項の文字の変化に気付いた探索者の名前を書こうとします。
※ホワイトボートの事を知らなければ、特にそういった行動はしません。
※因みに最悪箱が開けられ、死を知られたとしても、誰かしら共に死んでくれるのであれば構わないという腹でもいます。なので自分以外の名前を書こうとします。

[newpage]

【エンディング分岐】

※ホワイトボードに誰の名前を書くかしっかりと聞いておいてください。

　ホワイトボードに名前を書くと、扉からかちゃんという音が聞こえるだろう。
　その瞬間にホワイトボードは黒く塗りつぶされてしまう。
　どうやら進めるようだ。
※＜死者＞はこの部屋を一番最後に入ります。この時扉を再び潜る事は出来なくなります。

　部屋に入ると、そこは物置のようだった。かつては色々な物が入れ込まれていたのだろう。そこには一つの黒い箱のようなものしか置かれていなかった。主電源を入れた筈だが、その箱を照らす裸電球が釣り下がっている以外に照明は無かった。

しんと静まり返った部屋の中で
＜死者＞が「あの箱……どうする？」と震える声で言った。

■エンディング分岐
エンディング１：箱を開ける
エンディング２：箱を開けない

■エンディング１：箱を開ける
※探索者が箱を開けると宣言した場合、＜死者＞は激しく抵抗します。
　＜説得＞を振るか、POWの対抗をするか、他の探索者に押さえつけてもらうかしてもらいます。

　探索者が箱を開けようとすると、その黒い箱は一度静かに波打った。その脈動は次第に激しくなり、最後に大きく波打つと、生き物のように形づくられていく。
　電球を大きく揺らし、チラチラと照らされる中、金色の双眸が薄く開かれた。
しゅーしゅーという音を立てながら、蛇のような動きをさせて、探索者に近付くだろう。
どろどろとした闇を波打たせ、探索者だけを捕食するように取り囲んだ。

グレート・オールド・ワン『ニョグタ』１体との戦闘開始
(ただし若干の弱体化、最初からダメージが入る)
SANc 1d6/1d20

DEX10　耐久値20
触肢　70%　1d8
噛みつき　40% 1d5

☆難易度はご随意に。

※ＮＰＣ達は戦闘に介入する事が出来ません。
※ホワイトボードに＜死者＞以外の名前を書いた場合、真っ先にニョグタによって殺されてしまいます。その場合は以下の文章を
【探索者達がニョグタと対峙してすぐの事だった。その触手は探索者を通り過ぎ、真っ直ぐに伸ばされていく。あまりにも早い動きに瞬きさえ出来ないでいると、探索者の後ろで「ぐぇ」という蛙が潰されたような声が聞こえた。声がする方を見れば、＜ＮＰＣ＞の喉に触手が絡み付き、ミシミシと音を立てて締め付けている所だった。＜ＮＰＣ＞は苦しさに悶え、叫び声とも言えない奇妙な音を鳴らす。首に纏わりつく触手を引きはがそうと必死に爪を立てるも、全く意味を成さず、それはより一層締め付けるばかりだった】

希望が有ればDEX×3

成功→【探索者は瞬時に＜ＮＰＣ＞へと駆け寄った。首に纏わりつく影を引き剥がそうと手を伸ばすも、それは叶わない。ますます首は締まるばかりだ。探索者が＜ＮＰＣ＞の顔を見ると、＜ＮＰＣ＞は苦しげな表情の中で一瞬だけ微笑んだように見えた。声も音も無く唇だけが動かされる。「ありがとう」。その瞬間触手は急激に力を強め、バキリッという音を立てながら＜ＮＰＣ＞の首の骨を折った】
SANc1/1d3

失敗→【探索者が駆け出そうとした瞬間、バキリッという音と共に＜ＮＰＣ＞の首は折られてしまった。助けようと動く事さえ出来なかった。絶命する＜ＮＰＣ＞の顔は苦痛と絶望で歪められていた。】
SANc2/1d4+1

▼倒した場合
ニョグタは叫びとも言えない奇妙な声を上げながら、闇の中へと溶けて行ってしまった。どろりとした闇が去った場所に残っていたのは、何か食べ漁った後の残骸のようなものだった。
それは僅かに人の形を保っており、顔だけはしっかりと、不自然なほど綺麗に残っている。
その顔は正しく＜死者＞だった。
関節という関節が折り曲げられ、先程まで箱に収まっていたかのような格好の＜死者＞の体は腐敗が進み、加えて所々溶けてしまっている。

SANc1/1d3

＜死者＞「ああ、やっぱり俺(私)は死んでいたんだ」

冷え切った声に探索者は思わず背後を見るだろう。そこには複雑そうな顔をした＜死者＞が歪んだ笑みを浮かべながら立っていた。

＜死者＞
「俺(私)はただ生きたかっただけなんだ。生を願うのは罪なのか？」
「誰も殺したくなかった。全員で生き残れたらそれはそれで幸せだったけど。それは無理だろうって何処かで思っていた」
「けど一人で生き残るのも、一人で死ぬのも厭だったから、あの人の傍に居ようって思ったんだ」
「なのにあいつは最後に俺(私)を裏切った！！！！！！！！！」

そう叫んだ瞬間に＜死者＞の背中が風船のように膨らみ、白く変色していく。
ボコボコと音を立てながら体のいたる部分が膨らみ変色していった。
その間彼(彼女)の悲痛な叫び声が部屋中に木霊していき、やがて人の声ではなくなっていく。
最期に残った唇が、人の声とも動物の声とも言えない音を重ねながらこう言った。

「生きたかっただけなのに！！！！なんでそれすらも望んじゃいけないんだ！！！！！」

グレート・オールド・ワン　『イゴーロナク』との戦闘
(僅かに人間の体を残している為、本来の姿ではありません)
SANc1/1d20

DEX 14 耐久値35
タッチ　50％　1powダウン
貪り食う　80％　1d4
殴る　90% 1d3

※＜死者＞にいくら声を掛けても何の成果もありません。
※この場合＜ＮＰＣ＞もイゴーロナクの攻撃対象に入ります。

▼倒した場合
　イゴーロナクの形を失い、人の形すらも失いながら＜死者＞は両手で自分の顔を押さえつけていた。死臭のようなものを放ちながら白い風船は何回も破裂し、ドロドロと溶け落ちていった。

＜死者＞
「うう……ああ……ははは……これじゃただの化け物だ」
「こんな体なら、きっともう人間としては死ぬことすら出来ないんだな」

　最期に自嘲ぎみな笑い声を一つ上げて＜死者＞は静かに溶けて消えていった。

SANc1/1d3

　呆然としている探索者達の目の前に突如白い扉が現れた。白いと感じたそれは、どうやら光のようだ。
　探索者達がその光の中に入っていくと、キーンという耳鳴りが響く。
　その音が次第に大きくなっていくので、同時に頭痛も引き起こし目を閉じてしまう事だろう。

　探索者が目を覚ますと、それはフカフカのシートをした車の中だった。高級感あふれる車は部屋と見誤ってしまう程広々としており、気付けばそこには全員座っていた。
＜死者＞はいない。
＜ＮＰＣ＞達はまだ眠ってしまっているようだ。
(※＜ＮＰＣ＞が死んでいる場合は、その＜ＮＰＣ＞の姿も無い)
　停止している車の中、運転席に座っていた男がこちらに顔を向けた。
　彼、水月要は酷く疲れたような顔をしながらも微笑んでいた。
　その表情に僅かに浮かんでいたのは「憐れみ」だと思える。

水月「……今回が、当たりだとは思いませんでした」
　　「お疲れ様です。そして申し訳ありませんでした」
　　「彼(彼女)が死に還れたのならば、よかった」

　水月は正面を向いて、車のエンジンを入れた。その振動は非常に心地よく、眠気を煽ってくることだろう。

水月「僕は、この都市を愛しています。そこに人ならざるものが潜んでいる事が気に入らなかった」
　　「それが、まるで神であるかのようにのさばるのが、ただ気に入らなかった」
　　「この結果はある意味、僕の願いが叶った結果だと言えます」

　水月は車を走らせながら、バックミラー越しに微笑んで見せた。

水月「けれど、悲願が叶った訳では無い」

　その言葉を最後に、探索者は眠ってしまうだろう。
　
　探索者が気が付いた時には自宅のベッドの上で寝かされていた。まるで夢を見ていたかのような気分だったが、体の怠さが全てを物語っていた。
ふと気になって＜死者＞の名前をインターネットで調べてみると
『＜死者＞●歳　三年前に失踪。未だ見つからず』と書かれていた。

■報酬
・生還　1d5
・死者以外のＮＰＣの生還　一人につき　1d3
・ホワイトボートに＜死者＞の名前を書いた　1d3
・箱を開けた　1d5

■エンディング２：箱を開けない
　あからさまに置かれている箱を目の前に、探索者を始めとした他の面々も、それを開ける事を拒んだ。
　暫く無言でいると、探索者の背後で何かが光った。振り返れば、いつからあったのか白い扉が神々しく輝きながらそこに立っていた。
　訝しく思いながらその扉に手を掛ければ、それは呆気なく開かれる。
＜死者＞「さぁ、早く出よう」
　彼(彼女)が扉を潜りながらそう言った。
　すると先程の黒い箱から何かがどろりと漏れ出してきていた。粘り気のある黒い液体は絶え間なく箱の隙間から流れ落ち、着実に探索者との距離を縮めていった。
　それは意思を持って人を追い求めているように思える。

SANc1/1d2

＜死者＞「早く！」

　彼(彼女)が更に声を荒げる。探索者達は迫りくる黒い液体に追われるように扉を潜った。

☆シークレットダイスを振って下さい。
　探索者全員に番号を振って一人を選んでください。
　選ばれた人物には以下の文章を。

【あなたが門を潜ろうとした瞬間に、黒い液体は勢いを増し、にゅるり、という音を立てながらあなたの首を絞めつけるだろう。黒い触手のようなものがあなたの首を掴みながら、ずるずると沈んでいく。箱の中へと戻ろうとしているのだ。その間にもあなたの首は絞められていく】

※助ける事が可能。DEX×5を成功させ、POW×5を振って下さい。
※上記でも難しかった場合、選ばれた人物の＜幸運＞成功。

▼救出成功
【あなたは何とか脱出する事が出来た。首に纏わりついていた何かに不快感を覚えながら、這う這うの体で扉を潜り抜けるだろう】

▼救出失敗
【あなたは助けを請うも、それが叶う事は無かった。ずるずると暗い部屋へと引きずられ、あの黒い箱の中へと仕舞われていく。突然、何かに咀嚼される様な感触を覚え、自分の体を見ると、黒い塊が意思を持って自分の体を貪っている姿が映った。後からくる痛みに叫びたくなったが、すでに喉もグチグチと溶かされていた。本来、口に逃げていく筈の息は、肺から咽へと抜けていく。体中が溶かされながら食い潰される感覚に何も考えられなくなっていくことだろう。
箱の中へ入ると、そこには既に先客が居た。＜〇〇(死者)＞の絶望した顔が眼前に広がっている。
それに驚くよりも早く、あなたの体は残酷にも溶かされていってしまった】→ロスト

あれは一体何だったのだろうか。そう思う中、誰かの声が耳に届いた。

「生きていて良かった」
　その言葉を最後に探索者達の視界は黒く暗転してしまった。

探索者が目を覚ますと、それはフカフカのシートをした車の中だった。高級感あふれる車は部屋と見誤ってしまう程広々としており、気付けばそこには全員座っていた。
(※ロストが居る場合は、全員にはなりません)
疲れてしまっているようで、探索者以外は静かに寝息を立てていた。
　運転席に座っていた水月要が、「おや」と一つ声を上げた。
　彼はバックミラー越しに目じりだけを細める。

水月「成る程。一筋縄ではいかないようだ」
　　「あるべきものは還るべきだと思うのですがね」

　水月はやや声色を低くさせながらそう言った。けれどそれ以上には何も言わなかった。

※水月に先程までの事を問い質しても何も答えようとしません。＜死者＞が誰なのか解らないので、無闇に話せない状態です。

　探索者が訝しく思いながら車内を見回し、ふと＜死者＞に目が留まった。彼(彼女)は規則正しい寝息を立てながらすやすやと眠っている。その顔をなんとなしに見詰めていると、その口が何かの言葉を吐き出した。

＜聞き耳＞成功→【生かしてくれて、ありがとう】

　後日、探索者がテレビを見ていると、そこには水月要がコメンテーターとして登場していた。『驚愕都市伝説！＜椅子取りゲーム＞』というコーナーにて彼はニコニコと笑いながらこう話していた。

水月「僕はこの都市に眠るオカルトの類が大好きです。けれど、人が生んだものに限ります」
「なので＜椅子取りゲーム＞を諦めるわけにはいきませんね」
　　「先日奇妙な縁で得た可能性を存分に生かそうと思いますよ」

■報酬
・生還　1d5
・死者以外のＮＰＣの生還　一人につき　1d3
・死者の生還　クトゥルフ技能+1d5

[newpage]

■あとがき　補足
一応続き物になる予定です。気長に待っていただければと思います。
＜死者＞は唯一のパートナーに手酷く裏切られてしまいましたが、イゴーロナクという生物の事を死ぬ前に思い出し、彼と一体化してしまいます。
＜死者＞は混濁する意識の中で、ある人物に「面白そうだから生かしてやろう」と言われ
その時の記憶を失った状態でゲームから脱出しています。
【参加者全員死亡】の噂を流したのもその人物になります。

エンディング１の補足
これが正史ルートになります。パラレルワールドのようになっています。
元々の世界【＜死者＞が誕生した世界】がＡだったならば、＜食事会＞の地点からＢという世界【＜死者＞が復讐を願わず死んだ世界】に通じています。
呪文を使った水月と探索者はＡとＢの世界両方の記憶を持っています。
それ以外は＜死者＞が居た事すら忘れてしまいます。世の中的にも忘れられています。
＜門の創造＞によって開かれた扉の先は多少＜死者＞の意識が入り込んでしまっていましたが、時間軸だけで言えば過去に戻っています。
過去の時間軸で正しく＜死者＞がしっかりと死んだ為、元から＜食事会＞には参加していないという事になっています。
水月が「悲願は叶っていない」と言っているのは、何によってそれが引き起こされたかが明確でないからです。彼は【参加者全員死亡】の回がイレギュラーだと考えているので、その回に＜椅子取りゲーム＞の主催者が直に関わっていると考えていました。

エンディング２の補足
これは＜死者＞が残ってしまう世界です。彼(彼女)が残っていても特別害になる事は無いですが、いつでも爆発できる爆弾が都市に放り出されている状態のようなものです。イゴーロナクの悪意が広がっていく可能性もあるので、水月的にはバッドエンドですね。
ですが、諦めが悪いのでより一層その根絶を望む様になります。
今まで以上に権力も金も振るうようになりますので、今後の水月にご期待くださいという感じです。

続編はどちらのエンディングに行ってもプレイ可能なように作る予定です。
お疲れ様でございました。
楽しんでいただけたようなら何より。

『善悪の悲願』 ＜シュレーディンガーの猫は生きているのか死んでいるのか その両方を司り、その両方を持ち合わせている 最後の箱を開けるまで、その顛末を知る術は無い 君はそれを開けて終えるのか、開けずに終えるのか＞ シナリオ形式：クローズド 推奨技能：心理学、戦闘技能、精神分析 準推奨技能：説得、医学、基本三大技能 推奨人数：１～３人(ＮＰＣが４人居るのでご注意を) 時間：４～５時間(ボイセで一番早くて４時間でした) ＜＞：技能・キーワード 『』：書物・単語 「」：会話 ≪≫：アイテム ※：ＫＰ情報 【目次】 1:このページ 2:あらすじ～背景まで 3:同伴ＮＰＣステータス 4:導入～廃墟内　ギミック解放前 5:廃墟内　ギミック解放後 6:エンディング分岐 7:あとがき [newpage] ＜あらすじ＞ 貴方は大富豪≪水月要(ミツキ　カナメ)≫が主催で行う食事会に行くことになっている。定期的に行われる食事会の参加者は、統一性が無い事でも有名だ。ある日突然手紙が送られ、不参加は基本的に認められていない。 ■ルール ・水月要以外のＮＰＣの中に一人だけ生存していない者が居ます。元々死んでいるが、イゴーロナクに憑りつかれている事と、生への依存によりこの世界に留まっている形になります。ＮＰＣの誰が死者かは最初のうちにＫＰがダイスで決めておいてください。 ・死者は自分が死んでいるという事にも気付いていません。なので普通に話すことは出来ます。 ・後半、主電源を入れると建物全体に明かりが点きます。すると、＜死者＞は自分が死んでいる事に気付き、今度は邪魔者を殺そうとします。 そのギミックが解放されると＜死者＞のみ焼印の文字が変化します。 ・ギミックが解放されてからは、＜ＮＰＣ＞に【呪文：恐怖の注入】を掛け、散り散りにさせます。 ・シナリオ内で死者を特定する部分になった際はＮＰＣの名前ではなく＜死者＞という形で表記します。 ・ギミック解放後のイベント(『階段イベント』『エントランスイベント』)に関しては、難易度に合わせて使うか使わないかを決めてくださいませ。 ■背景：ネタバレ含む ・＜椅子取りゲーム＞という都市伝説が噂されている場所。一年に一度、学生が五人誘拐され、廃墟などに拉致される。五人のうち一人だけが生き残ると、その一名だけが脱出する事が出来る。殺し合いではなく、廃墟に仕掛けられた罠によって確率的に死んでしまうというもの。出入り口は無く、最後の一人になると一枚だけ扉が現れる。 ・水月要はこの都市の実権を握っている大富豪。自分の知りえないものや、得体の知れないものが紛れている事が気に入らない。＜椅子取りゲーム＞の主催者が人間ではない何かであることも察しているので、この都市伝説自体の根絶を願っている。その為若い頃からオカルトや魔術的な物を調べる様にもなっている。 水月が調べている内に【参加者全員死亡】の回があると知った。 水月が調べた中で＜椅子取りゲーム＞が行われた回数は暫定二十二回。二十二年間に及び、参加者は凡そ百十人。生き残りは二十二人になるが、参加者が全員死亡した回があるのならば二十一人になると考えられていた。けれど生き残りは二十二人と一人多い。 勿論水月自身が調べた情報自体が間違っている可能性もあるが、水月は自分の都市に人ではないものが紛れているという事自体が気に入らない為、それを自ら探す事にし＜食事会＞を企画している。 全員が参加者では面白みに欠けるので、半分は参加者、半分は一般人で選んでいる。 　参加者はいずれにしても項に『累(ルイ)/意味：好ましくない関わり』と焼印を入れられている。「好ましくない関わり」→＜椅子取りゲーム＞の関わり。 [newpage] 【同伴ＮＰＣステータス】 ●煙草を吸っている男性＜佐崎順平(ササキ　ジュンペイ)＞ ・大学生　医学部 ・長い前髪で顔が見えない。Ｔシャツにジーパン。 聞き耳60％　医学70％　説得70％　目星50％　精神分析70％ STR(筋力):12　　　　 CON(体力):10 POW(精神力):15　　　DEX(敏捷性):10 APP(外見):14　　　　 SIZ(体格):16 INT(知性):14　　　　 EDU(教育):15 SAN（正気度）:75 幸運:75　　　　　　　アイデア:70 知識:75　　　　　　　耐久力:13 ダメージボーナス:＋1D4 ――――――――――――――――――――――― ・過去の＜椅子取りゲーム＞参加者。生き残った事を後悔しているような発言を繰り返す。 ・根暗な性格、頭はいいが兎に角根暗。じめじめしている。 ・口数は極端に少なく、会話に困ると煙草を吸ってしまう。 ▼好感度を上げる(会話をする、行動を共にする)と ・実の父親というよりも漫画のブラックジャックに憧れている。 ・漫画や小説が好き。趣味が一致すると寧ろ話しまくる。 ●パンク系の女性＜桐谷優子(キリタニ　ユウコ)＞ ・高校生　ビジュアル系バンドVo ・アシンメトリーの髪型。片側だけツーブロックになっている。 芸術(音楽)80％　聞き耳70％　言いくるめ50％　目星50％　キック60％ STR(筋力):10　　　　 CON(体力):10 POW(精神力):12　　　DEX(敏捷性):14 APP(外見):16　　　　 SIZ(体格):12 INT(知性):11　　　　 EDU(教育):12 SAN（正気度）:60 幸運:60　　　　　　　アイデア:55 知識:60　　　　　　　耐久力:11 ――――――――――――――――――――――――― ・過去の＜椅子取りゲーム＞の参加者。生き残った事に関しては無関心。 ・口調がきつく、他人を責めているような発言が多い。 ・常にイライラしているイメージで、面倒事が嫌い。 ▼好感度が上がると ・ツンデレです。非常にツンデレです。別にアンタの為にやったわけじゃないんだからねみたいなツンデレです。 ・将来はアーティストに成りたい。 ●眼鏡の女性＜霜月めぐみ(シモツキ　メグミ)＞ ・大学院生　司書 ・ゆるいパーマの黒髪。セミロング。 図書館80％　聞き耳60％　薬学50％　説得70％　オカルト50％ STR(筋力):10　　　　 CON(体力):9 POW(精神力):15　　　DEX(敏捷性):9 APP(外見):17　　　　 SIZ(体格):13 INT(知性):15　　　　 EDU(教育):15 SAN（正気度）:75 幸運:75　　　　　　　アイデア:75 知識:75　　　　　　　耐久力:11 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ・過去の＜椅子取りゲーム＞参加者。生き残った事を後悔しているような発言を繰り返す。 ・穏やかだが天然なイメージ。 ・包容力があるので人の厄介事も喜んで受け入れる。 ▼好感度が上がると ・アーケードゲームのしかも格闘ゲームのプロ。 ・同人誌などを描いていたりもする。想像力が非常に豊かな人。 [newpage] 【ギミック解放前】 ■導入 　あなたはごく普通の日常を送っている。仕事などの帰りにポストを確認してみると、そこには黒い封筒が入っていた。あなたは訝しく思いながらもその封を開け、中身を確認するだろう。そこには『食事会への招待状』と書かれており、日時と場所が記されてあった。 　日時は翌日、招待状の送り主は≪水月　要(ミツキ　カナメ)≫と書かれており、下には『不参加は認められません』と書かれていた。 ●水月要……＜アイディア＞成功で開示 　このあたりで有名な大富豪。歳は四十代で男性。ニュースなどでも頻繁に取り上げられる。少々変わり者であるとも言われている。 →更に＜食事会＞について思い出す場合は＜知識＞を成功させる 　こうした＜食事会＞は定期的に行われている。その都度参加者を集めているようだが、それに統一性が無い事でも有名。毎回固定の場所ではなく、水月氏の別荘や有名なホテルなどその度に変わっている。 　不参加が認められた事は無く。時間に来なかった場合はどんな場所に居てもお迎えが来るという噂もある。 導入で得られる情報は以上。その他に探索者が個々に連絡を取りたい場合はＲＰを入れても構わない。 ※恐らく絶対に「行かない」という探索者も居るとは思うが、その場合はエージェントのような屈強な男達がリムジンで、しかも早朝、ご自宅(職場)へとお迎えにあがります。勝てません。戦闘はしないでください。諦めてください。 ■食事会の会場 　会場は戸建てのレストランだった。緑豊かな立地で、殆どがガラス張りになっている。 　探索者達が会場に到着すると、そこには既に三人の人影があった。一人は黒髪で煙草を吸っている男性、もう一人は黒髪でややパンク系の恰好をした少女、もう一人はセミロングヘアーで眼鏡をかけた女性だった。 　集合時間よりやや早く到着している。三人は知り合いという訳では無いようで、話し合っているような雰囲気ではない。 　新たに現れた探索者達に全員注目している。 ※この時点でする自己紹介は名前や職業程度のものになります。 ※因みに今後パニックに陥る彼らを＜精神分析＞したり＜説得＞したり、彼らに配慮した行動をすると好感度が上がります。 ■水月要の登場 　会場前で話をしていると、そこに一台の車が到着する。黒い高級車から降りてきたのは、上下共に灰色のスーツに身を包んだ四十代ぐらいの男性だった。彼は参加者の顔ぶれを眺め、スッと笑顔を浮かべる。 水月「この度は急な食事会にお誘いして申し訳ありません。僕は主催者の水月要と言います。御存じの方も、そうでない方もどうぞ宜しくお願い致します。さて、立ち話も何ですから、中でお話をしましょうか」 ※ＮＰＣや探索者が何と言おうと、水月は強引に会場に入れようとします。続きの話や何故呼んだのかという理由についても会場に入らない限りは話しません。 　全員が会場に入った後、最後に水月が入る形になった。彼はくるりと探索者達の方を見、一番奥の席まで歩きながら話を始める。 水月「参加者の方の中には、何故自分が呼ばれたのか、何故此処に居るのかを不思議に思う方が居るかもしれません。僕の方も気分で選ばせて頂いた節はありますので、どうかお気になさらず」 「と言っても」と続けながら彼は自分の席の前に立ちにっこりと微笑んで見せた。 水月「気になるのも仕方の無い事。つもる話もあるでしょうから、此処は料理でも食べながらゆるりと話をしようではありませんか」 　水月がそう言った後、参加者全員に座る様に促す。全員が座ったのを確認すると、彼はレストランの店員に耳打ちをし、食事を用意するように言うだろう。 　それから数分も掛からず料理が運ばれてくる。 　料理の数々は今まで自分たちが食べてきたものとは比べ物にならない様な豪華な品々だったが、味わいも逸品だと感じる事だろう。 ※そうした料理が運ばれながら、水月は様々な質問に答えてくれます。 　以下、質疑応答 問「何故このメンバーにしたのか」 水月「それは先ほどもお伝えしたように、気ままに選ばせて頂きましたよ。様々な方に僕の気に入っている料理を食べて頂きたいのです」 ＜心理学＞成功→「水月は何か企んでいるようだが、その成功も失敗も望んでいるようだ」と感じる 問「ここのレストランについて」 水月「ここは僕のお気に入りのシェフが経営しているレストランです。旧軽井沢を思わせる佇まいと、洋風の中に和を感じさせる料理が相俟って、僕の心を癒してくれるんですよ」 問「水月の仕事に関して」 水月「今は経営コンサルタントのような仕事をしていますよ。詳しいお話は出来ませんが」 ※経営コンサルタントは副業、この都市の大手企業の総取がメインの仕事だが社長は別の人間を宛がっている。(自由に生きたい) 水月からの質問 ・「皆さんのご職業を教えてください」 ※水月要は基本的な事は全て知っているので、わざわざ聞く事でもないですが、 　当人たちから直接話してほしいのでこう質問しています。 ・「過去に経験した一番怖いと思った体験はありますか？」 ＮＰＣ解答例→佐崎「日々が怖い」 　　　　　　→桐谷「答える義理は無い(放課後の学校で停電になった時が一番怖かった)」 　　　　　　→霜月「趣味が親にバレた時の親」(同人活動) ※恐怖を感じた事が無い為、これはオカルト好きな彼の純粋な興味です。 　オカルトの類の話を聞くと、興味を抱きます。 ・「将来はどうなりたいと思っておいでですか？」 ＮＰＣ解答例→佐崎「父のようなかっこいい医者」 　　　　　　→桐谷「別に(アーティストになってＣＤデビューしたい)」 　　　　　　→霜月「司書になり本に囲まれて過ごしたい」 ※水月はこの中に居る＜死者＞を探し、それを葬りたいと考えています。けれどそうする事で＜死者＞の将来を奪う事も理解しています。なので一応全員にこの質問の答えを聞き、せめてその将来を知っておこうと考えています。 ある程度食事が終わり始めると、水月は急に思い出したかのように「そういえば」と口にします。 水月「皆様は＜椅子取りゲーム＞という都市伝説をご存知でしょうか」 　そう言って彼は静かに手を組み、参加者の反応を伺っているようだった。 ＜知識＞成功→その地域で噂されている都市伝説。一年に一度、学生が五人誘拐され、廃墟などに拉致されるというもの。五人のうち一人だけが生き残ると、その一名だけが脱出する事が出来るらしい。殺し合いではなく、廃墟に仕掛けられた罠によって確率的に死んでしまうという。出入り口は無く、最後の一人になると一枚だけ扉が現れる。失踪事件も多発される中で噂されているだけのようだが、真実は不明。 ＜心理学＞成功→水月は何かを期待しているようだ 　　　　　　　→佐崎、桐谷、霜月は明らかに動揺しているようだ 水月「簡単にお話しすると＜椅子取りゲーム＞とは一年に一回、参加者五名という中で行われる脱出ゲームのようなものです。殺し合いなどで人が死ぬのではなく、この世ならざるものによって四人は死に、一人だけが生き残るのだとか」 　水月は組んでいた手を遊ばせながら続けた。 水月「その都市伝説にはもう一つ隠れた噂があるんです。【参加者全員死亡】の回が一度だけあったという事です。けれど生き残った人数は開催された回数と同数、これ、どういう意味か僕には見当もつかないのですが、気味が悪いですよねぇ？　まぁ、尤もそれが一体何回行われているかなんて、誰も知り得はしないのですが、それはそれで怖いとは思いませんか？」 ＜心理学＞成功→水月はやはり何かを期待しているようで、参加者の顔色を伺っている。 　　　　　　　→佐崎、桐谷、霜月は今知ったかのような顔をしている。 　水月は少しだけ間を置いてから、一つ息を吐いた。 水月「僕は、都市が大好きです。こうした都市伝説の類も良いスパイスになります。だからこうやって話してしまうんですよ。 さて、オカルト染みた話をしてしまって申し訳ありません。食後にする話では無かったですね。本日は皆様のお話を聞けて幸せでした。因みに、お食事の方はいかがでしたでしょうか？」 ※水月は料理が美味しかったなどの言葉には嬉しそうにし、要望などを言われた際は熱心に聞きます。また強引に＜食事会＞に参加させた事に関しては飄々とした態度で「まぁ腹が満たされたのだからいいではないですか」とにこやかにいいます。 　探索者が答え終えると、水月はそっと立ち上がり出入り口の方へ向かう。 水月「それでは、皆様をお送り致します。本日は貴重な時間を頂きありがとうございました。帰りは僕が送らせて頂きますよ。何、こう見えて運転は得意なのです」 ※水月は必ず最後に出ていこうとします。因みに此処で水月が参加者に出る様に促している扉は＜門の創造＞の呪文が掛かっているものになります。(ルールブック289頁) 　門の向こう側の世界は【死んだ者の記憶】に設定しています。つまり全員が生存者であれば、ただの扉になりますが、今回の場合は＜死者＞が紛れているので、その人物の最期の記憶に繋がっていきます。(実際の場所に繋がっているというよりも、実際に起きた事と＜死者＞の意識を混ぜたような場所に繋がっています) ※水月に最も多く＜心理学＞を振った探索者は、こっそり水月から書物を渡されます。その際は以下の文章を。 【探索者が扉を潜ろうとした間際、水月はそっと大きい封筒を渡してきた。中には本のような物が入っているようだ。 　探索者が水月にこれについて問うと、彼はそっと人差し指を口元で立ててこう言った。 水月「これはお土産です。何やら僕の話を一番熱心に聞いてくれていたようなので、僕が調べた＜椅子取りゲーム＞の概要をお渡しします。手持無沙汰になった時にお読みください」 水月「足を止めさせてしまって申し訳ありません。中身はご自宅に帰った際にでもお読みくださいね」】 ■＜食事会＞終了：門の先 　探索者達が門を潜り抜けた瞬間、酷い眩暈を覚える。立っていられない程の頭痛も相俟って、その場で崩れ落ちてしまうだろう。視界は暗転していくが、振り返れば通ってきた門の光があった。 ＜目星＞成功→扉を閉めようとしている水月が見える。驚いた様な顔だ。 ＜聞き耳＞成功→水月の「成る程、今回は、当たり……という事ですか……」という苦しげな声が聞こえる。 ※水月は＜食事会＞を何回も行っているが、そのどれもが不発だったので、今回もそうだろうという気持ちでいました。けれど＜死者＞が現れた事により、門は創造され、探索者と参加者全員を巻き込んで異世界に飛ばされてしまいます。術者である水月は一時的に大量の魔力を失うので、気を失ってしまいます。本人自身も本当は行きたがっていました。 ■廃墟：二階食堂 　再び探索者達が目を覚ますと、そこは暗い廃墟のようだった。全体を見てみると、以前は食堂として使われていたようだ。 明かりもない状態なので何もしない場合は＜目星＞-30％。荷物は持っている状態。 食堂には散乱した椅子と立っている事がやっとな古い長テーブルがある。厨房はとても狭い。 佐崎順平のみ探索者と共に居るが、桐谷、霜月の姿は無い。 佐崎順平は本当に驚いた様子で辺りを見回している。明らかに恐怖しているようで、カチカチと歯を鳴らしていた。 ※＜椅子取りゲーム＞の雰囲気に似ている為、内心パニック状態にあります。＜精神分析＞を成功させれば、その相手に信頼を覚え共に行動をしようとします。 　＜精神分析＞を試みた探索者や彼を気を配った探索者が居た場合、彼はしっかりと自分が＜椅子取りゲーム＞の参加者であった事を打ち明けます。 　そして【参加者全員死亡】の話も知らなかったと話します。 　因みに項も見せてくれます。(探索者の項には『累』という焼印はありません) ※水月から本を貰った探索者はここで読むことも出来るが、非常に長い時間を使う為、暫くは動く事が出来ない。 ●『＜椅子取りゲーム＞調査資料/水月要』―――――――――――――――――――― ＜椅子取りゲーム＞が開催されたのは今から二十数年程前の事だ。恐らく第１回が行われたのはそのぐらいだろうと思う。 この都市では失踪事件が相次ぎ、一日に２１件の失踪届が出されるが、大体は当人の都合によるものが大きい。 失踪者が多い都市だからこそ、こうした都市伝説が流行しているのだろうと思っていたが、どうやら違うらしい。 この＜椅子取りゲーム＞が根強く生き残っているのは、所謂生きた証人＜生存者＞が居るからである。 彼らは「参加者は５人いた」と証言するが、それも定かではない。ただ誰もが酷い精神状態なので、カウンセリングや身体検査を定期で行わなくてはならなかった。 生存者の証言で一致している事は２点。 「参加者は五人で、人気の無い廃墟に集められる。見知った顔は一人もいない」 「殺し合いではなく、何かによって人が消えていく」 そして生存者の共通点も２点ある。 ・彼らの項には必ず『累(ルイ)』という焼印が押されている。 ・生存者が会場で発見された事は無い。街中で突然倒れた所を救出されている。 非常に考えにくい事だが、これは人による犯行ではないと思われる。 生存者にその「何か」について尋ねると、途端に怯えだしてしまうので聞きだすことは出来ない。 もしかしたら彼らもそれが何なのかを理解できていないのかもしれない。 　過去一度だけ生存者を作らなかった【参加者全員死亡】の話が何故生まれたのか、その真意を問う事は出来ない。 　けれどそれが真実であるならば可笑しな事がある。調査の中でゲームが行われたのは２２回、参加者は１１０人、生存者は２２人だ。【参加者全員死亡】の話が本当ならば、１人確実に異端な者がいる。これは何を示しているのか。 因みに『累』という文字は「好ましくない関わり」という意味合いがある。 生存者が２回＜椅子取りゲーム＞に参加したという例は無い事から、見分ける為に押印しているようだった。 ……… 　定期的に開催している＜食事会＞にてある罠を張ってみる事にする。 　もしも＜死者＞が実在するのならば、その＜死者＞の最期の記憶に繋がる時系列へと行けるように。 　やはり、自分の目で確かめてみない事には、何も信じられない。 　死んでいる者は等しく、そこに還るべきだ。 　呪文は少々労力を使うようだ……。正真正銘の過去に行けるかは解らないな。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●厨房 　厨房には食料は勿論、食器や調理器具は殆どない。寂れていて、少しだけ煤の匂いがする。 　厨房のカウンターには懐中電灯が置いてある。電池は一本だけ入っていない。何処かに転がってしまったようだ。 ＜目星＞成功→単１電池を発見できる。 　懐中電灯が使用可能になる。(＜目星＞補正が解消される) ●机 　埃が溜まっている。息を吹きかければ埃が舞い上がってしまいそうだ。 ＜目星＞成功or息を吹きかける→埃の下から薄汚い紙が見つかる。どうやらこの施設のパンフレットのようだ。(地図の開示) ●椅子 　座ろうとすると足が折れてしまいダメージ-1 ■図書室　※霜月が居ます 　その部屋は以前は図書室として機能していたようだった。扉を開けた瞬間にびくりと震える人影があった。霜月は怯えた様子で探索者達を見詰めている。震える体を自分で抱きしめながらゆっくりと後ずさりをしている。 　図書室には小さな本棚と机と椅子がある。 ※霜月も精神的なパニックを起こしています。＜精神分析＞成功で話が出来る様になります。自分が＜椅子取りゲーム＞の参加者であった事や項の事も教えてくれます。 この部屋に居た理由に関しては、解らないと答えます。 ●本棚 　今にも壊れてしまいそうな本棚だ。埃を被っていて、触るのも憚られる。 　＜図書室＞成功→『神話とオカルト』という如何にもチープな書物が見つかる。 『神話とオカルト』-―――――――――――――――――――――――――― 　暗闇の中には必ず神話上の生き物が棲んでいる。 　中でも暗闇の中で如何様にも変化するニ■■タは危険だ。 　彼らは気付いた時には我々の傍に這いよっているのだ。 　やつに出会わないようにするには明かりが必要だ。 暗闇を作らずに光の中で暮らすのだ。 物理的な闇の中に住まうのがニ■■タならば 精神的な闇に住まうのは■ゴ■■■クだろう。 これは心に光を灯すほかない。 我々人間は、常に闇と共に生きている。 そこに光を灯さねばならない。 それを忘れてはならないのだ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 　この本を読んだ探索者が本を閉じると、目の前の本棚の隙間から黒い何かが蠢いているのが見えるだろう。 　黒い闇は鎌のような形を作り、探索者を襲う。 　ここで本を読んでいた探索者は＜幸運＞を振ってもらう。 成功→寸での所でかわすことが出来た探索者が、もう一度その方向を見ると、闇は蠢きながら消えていく様子が見えた。 失敗→探索者は腕に切り込まれ1ｄ3のダメージを負う。痛みに堪えながらその方向を見ると、闇は蠢きながら消えていってしまった。 ●机と椅子 　机の上も埃まみれだったが、少しだけ誰かが使用したようなあとがあった。 ＜目星＞成功orその個所を重点的に見る→『手紙』が発見できる。 『手紙』――――――――――――――――――――――――――――――― 　さっき遠くで叫び声が聞こえた。きっと誰かがまた消えたんだ。 怖い。父さん、母さん。最後になるなんて思ってなかったから 喧嘩したままになっちゃった。 ごめんなさい。ごめんなさい。 携帯電話の電池が切れちゃったから 暗いこの部屋でせめて助けが来る事を祈ります。 そう言えば見知った人なんて誰も居ない筈なのに あの人だけはすぐにパートナーを見つけて 「頑張ろう」って言ってたっけ。 僕はさっきまで誰も信じられないでいたから、 今思えば誰かと一緒に居れば良かった。 一致団結すれば、全員助かったかもしれないのに。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ※＜死者＞はパートナー(異性)と共に逃げ廻っていましたが、最終的にそのパートナーに裏切られてしまい死んでしまいます。＜死者＞はその恨みからこと切れる前にイゴーロナクを呼び、パートナーをも殺しています。 　この時点で＜死者＞は記憶が混濁しているのでパートナーの存在も忘れています。 ■廊下　※桐谷が居ます 　廊下に一番最初に入った探索者は＜回避＞を振る。 成功→扉を開けた瞬間に桐谷優子がキックをしてきたが、あなたは交わすことが出来た。気が動転しているらしい桐谷は息を荒くして、また飛び掛かろうとしている。 失敗→扉を開けた瞬間に桐谷優子のキックは体に入ってしまい、あなたは倒れてしまう。1d3のダメージ。彼女は気が動転しているらしく、息を荒くして再び攻撃を加えようとしていた。 ※＜精神分析＞成功で彼女の気を戻すことが出来ます。彼女は謝罪をし、蹴りかかった相手に対して酷く申し訳なさそうに接してきます。 自分がゲーム参加者である事や、焼印の事も伝えてくれます。 廊下に＜目星＞成功→廊下を少し歩くと、壁に何かが書かれている事に気が付く。 『シニタクナイ　シニタクナイ　イキタイ　イキタ』と爪で書かれたらしい文字がある。 所々赤黒く変色していて、その壁の下を見ると、渇いたばかりの血の後がある。 SANc0/1 ■風呂場 　脱衣所と大きな風呂場があるようだ。以前には多くの人が使ったのだろう。 　今となってはただただ古臭いだけで、足元もじめじめとしている。 ＜目星＞成功→浴室の床に銀色に光るナイフが落ちている ナイフ　1d4+db ■トイレ 　簡素なトイレだ。僅かにアンモニアの匂いもしていて、気分が悪くなりそうだ。個室が一室だけある。 ＜目星＞成功→個室の奥にボイスレコーダーが落ちている。 ●ボイスレコーダー 　再生をしてみると酷いノイズが走っていて殆どよく聞こえない ――――――――――――――――――――――――― 怖い……暗いし……さっｻﾞｻﾞｻﾞｯパートナーとか言われてる奴に 懐中電灯を取られちまった…… 一緒にいる人、完全に騙されてるけど……ｻﾞｻﾞｯ 大丈夫、かな……ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯ あの人最初あった時 真っ黒い髪の毛だっ　　　から 闇に溶け　　みたいで怖かったけど 良い人……みたい、だし…… あのパートナーって呼ばれてたやつと一緒だと ｻﾞｻﾞｻﾞｯきっと死んじまう 俺は　ｯｻﾞｯどうしようもない奴だけど 最後ぐらい、何かかっこいいことｓ 何だ……？　今何か…… あっ！　ィヤダッ　いやｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄｄ ――――――――――――――――――――――――― 以下泣き叫ぶ声が永遠とリピートされてしまうようになる。 探索者が電源を切っても電池を抜いても、その音は止まらない。 SANc0/1d2 探索者がボイスレコーダーを床に叩きつけると、その音は止まった。 　それと同時にトイレの排水溝から黒い何かがにゅるりと姿を現す。人の手のような物が這い出て来て、全員に掴みかかろうとする。 全員＜幸運＞を振る。 ＜幸運＞成功→ダメージなし 　　　　失敗→1ｄ2のダメージ 　　　　掴まれた瞬間に焼けるような痛みを感じ、慌てて探索者は振り払った。けれど足に酷い火傷を負ってしまい、足を使う技能に-10％ 　手は再び排水溝の中へと戻って行ってしまった。 　ボイスレコーダーの持ち主は、今の黒い手によって死んでしまったのだろうか。 ■電源室 　鍵が掛かっている。 ※ゲームセンターで＜電源室の鍵＞を手に入れる ■階段 　階段らしきものの近くに来ると何かが光っているようだった。近くに寄ってみると、誰かの携帯電話が落ちている。 ●携帯電話　テキストログ―――――――――――――――――――――――――― 他の人もそうだったけど『累』って書いてある。 調べてみたけど『累』って言葉の意味は「良くない関わり」とか悪い意味だったり 「繋ぎ止める」って意味みたい。(＞＜) 同じような字で『縲』って見た事あるけど、あれってなんだったっけ(・ω・`)？ あ、よく使うのは『類』って言葉だよね(＞▽・)ｂ はー(-Д-) こんな事書いてても仕方ないけど、どっかで気を紛らわさないと ああ、でもー なんかもう、どうでもいいなー 怖がるのも疲れちゃったやー(・▽・`) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 携帯電話を他の画面に変えようとしても壊れているようでフリーズしてしまっている。 ▼主電源を入れる前 階段を降りようとすると、黒い影が波打っているように感じ始める。それは触手のようなものを地面から生やしながら、探索者達の足を絡め取ろうとするだろう。 　DEX×5で成功した探索者→その気味の悪い階段に恐怖しつつも、あなたは階段を走り降りる事が出来た。 DEX×5で失敗した探索者→その触手があなたの足首にするりと絡み付き、きつく締め上げる。突然の事にあなたは階段を転げ落ちてしまうだろう。 1d3のダメージ ■１階：玄関 　酷く雑然としている下駄箱と玄関だ。古い大時計は既に停止してしまっている。出入り口の扉があるようだ。 ●下駄箱 　サンダルなどが転がっている。ボロボロになっている為かゴム特有の厭な匂いも発している。 ●大時計 　古い大時計のようで、振り子も止まってしまっている。部品が無い訳ではなく、完全に寿命が切れたような有様だ。 　振り子の中を覗く為のガラス板にはヒビが入っている。 ＜キック＞＜パンチ＞などの成功→ガラスは非常に脆くなっていた為か、粉々に割れてしまった。 ＜目星＞成功or中を漁る→小さなポケットラジオが見つかる。電源は入りそうだ。 ●ポケットラジオ ラジオの電源を入れると、突然大音量で何かの言葉が再生される。 探索者が止めようとしても、それは止まる事は無かった。 それは途轍もなく不快で、気分が悪くなるような言葉だった。 グラーキ、イゴーロナク、アザトース等の名称だけが何故か耳に入る。 更にそれらの生物に関する情報も次々と流される事になる。 そして最後には呪文のような言葉が永遠と繰り返されるようになり、 それがもう一度同じように繰り返そうとしたところで自然に止まってしまった。 『グラーキの黙示録』の断片 SANc1/1d5+クトゥルフ技能3％ ●玄関の扉 　取っ手が無いようだ。開く事が出来ない。 【玄関イベント】 ☆次の部屋に行く前にシークレットダイスを振ってください。 ＜死者＞と＜ＮＰＣ＞両方が居る時に発生。 　主電源のＯＮ・ＯＦＦに関わらずこのイベントは発生します。 　＜死者＞を除いたＮＰＣ2人で考えます。 【例】死者：霜月 ダイス １：桐谷 ２：佐崎 以下＜ＮＰＣ＞ シークレット：【＜ＮＰＣ＞は何故か背後で異様な殺気を感じる。振り返ってみるが、そこには＜死者＞の後姿しかない。不思議に思っていると、彼(彼女)の影がうねうねと蠢いているのをはっきりと目撃してしまう。驚き、恐怖してしまったが、辛うじて残った勇気を振り絞り、その腕を掴んだ。腕は驚くほど冷え切っている。まるで死んでいるみたいだ、と感じるだろう】→発狂：＜恐怖症＞ 探索者視点：【探索者達が次の部屋へ行こうとしたところで＜ＮＰＣ＞が小さく叫び声を上げた。探索者達がそちらを見ると＜死者＞と＜ＮＰＣ＞が対峙している形になっている。＜ＮＰＣ＞は明らかに＜死者＞を警戒し、恐怖している様子だ。精神的にパニックになってしまっているようで、今にも何処かへ逃げ出してしまいそうだ】 ＜精神分析＞成功→＜ＮＰＣ＞は落ち着いた様子だが、探索者の傍から離れようとしなくなる。 ※ここで選ばれた＜ＮＰＣ＞は＜死者＞に近付かなくなり、好感度の高い探索者にはその時に見た光景を話します。ただし＜死者＞が居る前では話してくれません。 ■1Fエントランス 　閑散としている。長椅子が沢山並んでいるので、当時は多くの人が此処を利用していたのだろうと感じる。長椅子の他には受付カウンター、そして周りを見れば、ガラスの壁らしきものが見える。 ●受付カウンター 　受付と書かれたプレートが立てられている。カウンターの机には薄い冊子のような物が置いてあった。 ●第19回　『参加者リスト』―――――――――――――――――――― 金髪の男■　ゴシップ好き　ヘラヘラとした■動 黒■の女性　賑やかな■格　面倒くさがり 茶髪の■性　嘘つき　自己中■的 ■■の男性　臆病　泣き虫 ■髪の■性　■■■足　■じや■い ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ※上から ボイスレコーダーの男 携帯電話の女 パートナー 手紙の男 今回の＜死者＞(愛情不足　信じやすい) 　ＮＰＣ達に尋ねてみても見覚えが無いと言うだろう。 ●ガラスの壁 ▼主電源を入れる前 ※自動扉近くにある折りたたまれた紙には気付けません。 　暗い中でよく解らないが、奥は地図の通りゲームセンターのようだ。右端には開きっぱなしの自動扉がある。 ■ゲームセンター ▼主電源を入れる前 　広々とした空間にいくつものゲーム台が置かれている。格闘ゲームの台や、クレーンゲーム、射的ゲームの台などもある。どれも電源が切れているようで、うんともすんとも言わない。 ●格闘ゲーム台 　古いゲームの様だ。知らないキャラクターの名前が書いてある。 ●クレーンゲーム台 　よく解らない人形が置かれている。少なくとも可愛いとは思えない見た目だ。落とし穴の所に奇妙なバランスで落ちかけている人形が一体だけ居る。 ＜キック＞成功or揺らす→人形が落とし穴に入り、下に落ちたようだ。人形らしからぬチャリンという音も同時に聞こえた。 人形の体に鍵が絡み付いていた。 　●＜電源室の鍵＞を入手 ●射撃ゲーム 　出てくるゾンビを撃っていくゲームなようだ。埃が被っていて、銃を持とうとは思えない。 ■物置 ▼主電源を入れる前 　エントランスの隣の部屋は鉄でできた扉で閉ざされていた。 　扉は開かないようだ。 [newpage] 【ギミック解放後】 ■電源室 　どうやら電源制御室のようだった。光が僅かに点灯している事から、電気は通っているらしい。 主電源と書かれたボタンがある。 電源を入れるとその場が明るく照らされるようになる。暗闇の中に居たためかその光が強く感じてしまい、目をすぐに開く事も難しいだろう。 主電源を入れる事により【ギミック解放】 ☆ここでシークレットダイスを振っているフリをしてください。 ※ここから＜死者＞は自分が死んでいる事に気が付きます。主電源が入った後からは大体の発言が嘘になり、なんとか生き残ろうとします。更に【玄関イベント】の＜ＮＰＣ＞を早急に殺そうとします。 ※焼印の変化を知った探索者も邪魔とみなし、二人きりになった際は殺そうとします。 ※三人以上の団体行動の場合は何もしてきません。 ※＜死者＞が居た場合。その光を見て再びパニック状態を演じ、部屋から脱走してしまいます。 ※そして、脱走する間際にその他＜ＮＰＣ＞に【呪文：恐怖の注入】をして、残り二人も発狂し、部屋から脱走させます。 【死者→玄関、【階段イベント】のＮＰＣ→受付カウンター、他のＮＰＣ→食堂】 この際「階段を駆け下りる音」と別の場所で「食器が割れるような音」が聞こえると伝えてください。 ※誰かが１階にいる＜死者＞か＜ＮＰＣ＞を探しに行かないと、＜ＮＰＣ＞は死んでしまいます。 ※発見した際は等しく発狂しているので＜精神分析＞が必要。 ＜死者＞は「いきなりの光で驚いた」と答え、他は「急に怖くなってしまった」と言います。 ＜目星＞成功→機械の脇に『手帳』が落ちている ●『汚い字で書かれた手帳』――――――――――――――――――――――――― 俺(私)が＜椅子取りゲーム＞の参加者だって？ 死ぬのはごめんだ(わ)。 あの楽天的な女も面倒だし 噂が好きそうな男も使えそうにない 臆病そうなやつは、警戒心が強そうだから 手なずけるなら、あいつが良さそうだ(ね)。 少し優しくしたら「いいパートナー」なんて言ってきた 愛情を受けなかったとかベラベラ話し出す始末。 でも、俺(私)が生き残る為に利用しないと。 生き残りが二人になるまでの辛抱だ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ※＜死者＞の性別によって性別が変わります。 ※秘密裏に＜死者＞がＮＰＣを殺害した場合は以下の文章を 【探索者がその部屋を見ると、何故か照明が壊されており、床にはガラスの欠片が散らばっていた。ザリザリとした床を歩きながら、ふと暗い部屋の中で何かの塊を見つける。それはピクリとも動かずそこに佇んでいたが、近付いてみるとそれが人だと解った。＜ＮＰＣ＞が首を掻き毟るような仕草のまま絶命していた。体の所々が食い千切られているようだ。部屋の影がしゅるりと動いたのが視界の端で見えたが、ただ＜ＮＰＣ＞の死体から目を離すことは出来なかった】 SANc1/1d3 ※殺す技法とすれば、＜死者＞はイゴーロナクとなって攻撃を仕掛けてくることはありませんので、ニョグタの特性を利用します。暗い部屋に誘い込み、ニョグタに捕食させる形になります。探索者を殺そうと考えていても、ニョグタが現れた際は驚愕し応戦するという演技をします。探索者が死んだらそれはそれでいいが、生き残った場合は何とでも言い訳が出来るからです。中々攻撃も当たらず、当たっても最少値になります。 ※探索者が＜死者＞の罠に嵌った際は以下の文章を 【探索者が＜死者＞と共に部屋に入ると、その部屋の照明が突然叩き割られてしまった。＜死者＞はその音に驚き、一層探索者の近くに寄るだろう。明かりが消えた部屋を出ようと、扉の方を見るが、そこには何か黒い影が静かに佇んでいた。黒い触手を伸ばし、悪臭を放ちながらそれは探索者に襲いかかってきた グレート・オールド・ワン　ニョグタの断片との戦闘 (ただし若干の弱体化、最初からダメージが入る) SANc 1d3/1d10 DEX10　耐久値15 触肢　70%　1d8 噛みつき　40% 1d5】 ■階段 【階段イベント】 ▼主電源を入れた後　＜死者＞が居る場合 　再び階段を使おうとしたが、そこには暗闇の時にはあった妙な触手はなかった。 建物全体を明かりで満たした事により、それらが消えたのだろうと感じるだろう。 ☆シークレットダイスを振る振りをしてください。 　探索者達が階段を降りていると、＜死者＞が突然声を上げた。探索者達が振り返ると、階段の僅かな影に縫い留められるかのように、片足だけ身動きが出来なくなっている＜死者＞が居た。＜死者＞は必死に片足を剥がそうとして、階段を踏み外してしまう。しかし彼(彼女)が階段を踏み外した瞬間に、片足の拘束が外れてしまった。 このままでは階段から流れ落ちてしまう。 ※ここで必ず、助けるか助けないかを宣言してもらって下さい。 助ける場合：DEX×5でダイスを振る(失敗した場合は＜幸運＞を。この時の出目で数が小さい人を覚えておく) 　→探索者は倒れ落ちそうになる＜死者＞を寸でのところで助ける事が出来た。突然の事に驚いている＜死者＞だったが、助けた探索者の顔を見て静かに「ありがとう」と言った。異性、もしくは一番仲の良い探索者の場合は、安心したような笑みを浮かべて「助けてくれないかと思った」と冗談のように言うだろう。 助けなかった場合・ダイス失敗 　→探索者は崩れ落ちていく＜死者＞に対して何も出来なかった。それに対して＜死者＞は「大丈夫」と静かな顔で言うだろう。それが異性、もしくは一番仲の良い探索者だった場合は「結局は他人だから、気にしていない」と微笑みながら言う。 (誰も助けられなかった場合、＜死者＞は1ｄ3のダメージ) ※助けた探索者の中で一番出目が小さかった探索者に以下をハンドアウト。 【あなたは＜死者＞を助けた際、さらりと落ちた黒髪の隙間から彼(彼女)の項が見えるだろう。そこには『累』という文字の左横に『糸』という焼印も入れられている事に気が付く。】 【けれど＜死者＞がすぐに体を起こした為、よく見る事は出来なかった。】 【＜死者＞に項の焼印の事を尋ねてみると「こういうのを見たがるなんて」と少し呆れられてしまい、拒んでしまうだろう。】 ※＜死者＞は自分の項に押された焼印の文字が微妙に変わっている事に気が付いています。『縲』という漢字は「罪人を縛る」という意味があります。 ＜椅子取りゲーム＞で正しく自らの意思で人を殺めた人物が今回の＜死者＞だからです。 【※難易度を上げたい場合、このイベントは無くてもＯＫです。】 ■1Fエントランス 【エントランスイベント】 ▼主電源が入った後 『参加者リスト』をもう一度見た場合。＜死者＞のみに心理的な変化が現れます。 探索者が＜死者＞の方を見ると一瞬本当に厭そうな顔をしたという事が解ります。 『参加者リスト』をその場に置いておく場合、＜死者＞はDEX×3を振ってください。 成功した時のみ、誰にも気づかれず『参加者リスト』のパートナーの部分だけ黒く塗りつぶす事が出来ます。 失敗した場合、＜死者＞以外のＮＰＣと探索者に番号を振り分けてダイスを振って下さい。 　ダイスで当たった人物のみ、その瞬間を目撃する事になります。 【※難易度を上げたい場合、このイベントは無くてもＯＫです】 ●ガラスの壁 ▼主電源を入れた後 　エントランスに入った瞬間から耳障りなメロディーが大音量で聞こえる。ゲームセンターの機械が一斉に動き出したようだ。しかし所々壊れているようで、不協和音を奏でている。 　暗い時には気が付かなかったが、自動扉の近くに折りたたまれた紙が落ちている事に気が付くだろう。 ●『箱の中の猫』――――――――――――――――――――――――――――― 　蓋のある箱の中には 　毒ガスを発生させる装置と共に 　一匹の猫が入れられた 　装置が起動する確率は50％ 　それはつまり 　猫は半分の確率で死に 　半分の確率で生きるという事だ 　猫が死んでいるのか生きているのか 　我々は蓋を開けるまで知る事は出来ない 　けれど蓋を開けるべきか開けないべきか 　我々はそれを選ぶことは出来る ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ＜知識＞成功→『シュレーディンガーの猫』という科学的理論を思い出す。 ※最後の選択のヒントです。 ■ゲームセンター ▼主電源が入った後 　暗い時には動かなかったゲーム台が稼働しているようだ。試しにクレーンゲームのスイッチを押してみるとコインを入れずとも動くようだ。 以下、遊び方(茶番ですので入れる入れないはＰＬ次第) ●クレーンゲーム 　桐谷が物欲しそうにしている。 ＜幸運-20＞で成功すると人形を入手する事が出来る。 　人形を桐谷に渡すと、子供のように喜ぶ姿を見せ、すぐにハッとして「ありがと」と無愛想に答える。 ※＜死者＞の場合、最後には淋しそうに項を撫でます。 ●格闘ゲーム 　霜月が居た場合、自動的に霜月とのバトル。彼女は有無を言わさず座った。 ①DEX×3 (霜月はDEX×6) ②互いに＜幸運1/2＞ ③CON対抗(霜月はCON 15) 多く勝った方が勝ち 　ゲームを終えると霜月は勝っても負けても楽しそうに笑い「ありがとうございます！こんなところでも楽しめるなんて思っていませんでした！」と言います。 ※＜死者＞の場合、最後には淋しそうに項を撫でます。 ●射撃ゲーム 　佐崎が少しやりたそうにそわそわしだす。 DEX×5を３回繰り返し、成功した数が多い方が勝ち。 　ゲームを終えると佐崎は「友達とゲームなんてやったことなかったけど、楽しかったなぁ」と微笑みます。 ※＜死者＞の場合、最後には淋しそうに項を撫でます。 ■物置 ▼主電源を入れた後 　扉に四角く溝があるのが解る。 溝をゆっくり押すと、パカッと蓋のようなものが開いた。 その中にはホワイトボードが貼り付けてあり、横にはペンもある。 蓋の裏側にはマグネットでメモもくっついていた。 けれど依然として扉は開かない。 ●メモ――――――――――――――――――― 　人の皮を被り 　人を恋しがり 　人を憎んだ 　「死者」の部屋 ―――――――――――――――――――――― ホワイトボードのようなものは、どうやらネームプレートだったらしい。 ※このホワイトボードに水月要以外のＮＰＣ・探索者の名前を書いても扉は開きます。 　ただし場合によってはロストしてしまうので、「縲」or＜死者＞の名前を書くのが正解です。 ※＜死者＞はどうにか生き残ろうとするので、ホワイトボードの意味を探索者に聞かれた際は知らない振りをし、単独行動になった時に【玄関イベント】を目撃した＜ＮＰＣ＞の名前、もしくは項の文字の変化に気付いた探索者の名前を書こうとします。 ※ホワイトボートの事を知らなければ、特にそういった行動はしません。 ※因みに最悪箱が開けられ、死を知られたとしても、誰かしら共に死んでくれるのであれば構わないという腹でもいます。なので自分以外の名前を書こうとします。 [newpage] 【エンディング分岐】 ※ホワイトボードに誰の名前を書くかしっかりと聞いておいてください。 　ホワイトボードに名前を書くと、扉からかちゃんという音が聞こえるだろう。 　その瞬間にホワイトボードは黒く塗りつぶされてしまう。 　どうやら進めるようだ。 ※＜死者＞はこの部屋を一番最後に入ります。この時扉を再び潜る事は出来なくなります。 　部屋に入ると、そこは物置のようだった。かつては色々な物が入れ込まれていたのだろう。そこには一つの黒い箱のようなものしか置かれていなかった。主電源を入れた筈だが、その箱を照らす裸電球が釣り下がっている以外に照明は無かった。 しんと静まり返った部屋の中で ＜死者＞が「あの箱……どうする？」と震える声で言った。 ■エンディング分岐 エンディング１：箱を開ける エンディング２：箱を開けない ■エンディング１：箱を開ける ※探索者が箱を開けると宣言した場合、＜死者＞は激しく抵抗します。 　＜説得＞を振るか、POWの対抗をするか、他の探索者に押さえつけてもらうかしてもらいます。 　探索者が箱を開けようとすると、その黒い箱は一度静かに波打った。その脈動は次第に激しくなり、最後に大きく波打つと、生き物のように形づくられていく。 　電球を大きく揺らし、チラチラと照らされる中、金色の双眸が薄く開かれた。 しゅーしゅーという音を立てながら、蛇のような動きをさせて、探索者に近付くだろう。 どろどろとした闇を波打たせ、探索者だけを捕食するように取り囲んだ。 グレート・オールド・ワン『ニョグタ』１体との戦闘開始 (ただし若干の弱体化、最初からダメージが入る) SANc 1d6/1d20 DEX10　耐久値20 触肢　70%　1d8 噛みつき　40% 1d5 ☆難易度はご随意に。 ※ＮＰＣ達は戦闘に介入する事が出来ません。 ※ホワイトボードに＜死者＞以外の名前を書いた場合、真っ先にニョグタによって殺されてしまいます。その場合は以下の文章を 【探索者達がニョグタと対峙してすぐの事だった。その触手は探索者を通り過ぎ、真っ直ぐに伸ばされていく。あまりにも早い動きに瞬きさえ出来ないでいると、探索者の後ろで「ぐぇ」という蛙が潰されたような声が聞こえた。声がする方を見れば、＜ＮＰＣ＞の喉に触手が絡み付き、ミシミシと音を立てて締め付けている所だった。＜ＮＰＣ＞は苦しさに悶え、叫び声とも言えない奇妙な音を鳴らす。首に纏わりつく触手を引きはがそうと必死に爪を立てるも、全く意味を成さず、それはより一層締め付けるばかりだった】 希望が有ればDEX×3 成功→【探索者は瞬時に＜ＮＰＣ＞へと駆け寄った。首に纏わりつく影を引き剥がそうと手を伸ばすも、それは叶わない。ますます首は締まるばかりだ。探索者が＜ＮＰＣ＞の顔を見ると、＜ＮＰＣ＞は苦しげな表情の中で一瞬だけ微笑んだように見えた。声も音も無く唇だけが動かされる。「ありがとう」。その瞬間触手は急激に力を強め、バキリッという音を立てながら＜ＮＰＣ＞の首の骨を折った】 SANc1/1d3 失敗→【探索者が駆け出そうとした瞬間、バキリッという音と共に＜ＮＰＣ＞の首は折られてしまった。助けようと動く事さえ出来なかった。絶命する＜ＮＰＣ＞の顔は苦痛と絶望で歪められていた。】 SANc2/1d4+1 ▼倒した場合 ニョグタは叫びとも言えない奇妙な声を上げながら、闇の中へと溶けて行ってしまった。どろりとした闇が去った場所に残っていたのは、何か食べ漁った後の残骸のようなものだった。 それは僅かに人の形を保っており、顔だけはしっかりと、不自然なほど綺麗に残っている。 その顔は正しく＜死者＞だった。 関節という関節が折り曲げられ、先程まで箱に収まっていたかのような格好の＜死者＞の体は腐敗が進み、加えて所々溶けてしまっている。 SANc1/1d3 ＜死者＞「ああ、やっぱり俺(私)は死んでいたんだ」 冷え切った声に探索者は思わず背後を見るだろう。そこには複雑そうな顔をした＜死者＞が歪んだ笑みを浮かべながら立っていた。 ＜死者＞ 「俺(私)はただ生きたかっただけなんだ。生を願うのは罪なのか？」 「誰も殺したくなかった。全員で生き残れたらそれはそれで幸せだったけど。それは無理だろうって何処かで思っていた」 「けど一人で生き残るのも、一人で死ぬのも厭だったから、あの人の傍に居ようって思ったんだ」 「なのにあいつは最後に俺(私)を裏切った！！！！！！！！！」 そう叫んだ瞬間に＜死者＞の背中が風船のように膨らみ、白く変色していく。 ボコボコと音を立てながら体のいたる部分が膨らみ変色していった。 その間彼(彼女)の悲痛な叫び声が部屋中に木霊していき、やがて人の声ではなくなっていく。 最期に残った唇が、人の声とも動物の声とも言えない音を重ねながらこう言った。 「生きたかっただけなのに！！！！なんでそれすらも望んじゃいけないんだ！！！！！」 グレート・オールド・ワン　『イゴーロナク』との戦闘 (僅かに人間の体を残している為、本来の姿ではありません) SANc1/1d20 DEX 14 耐久値35 タッチ　50％　1powダウン 貪り食う　80％　1d4 殴る　90% 1d3 ※＜死者＞にいくら声を掛けても何の成果もありません。 ※この場合＜ＮＰＣ＞もイゴーロナクの攻撃対象に入ります。 ▼倒した場合 　イゴーロナクの形を失い、人の形すらも失いながら＜死者＞は両手で自分の顔を押さえつけていた。死臭のようなものを放ちながら白い風船は何回も破裂し、ドロドロと溶け落ちていった。 ＜死者＞ 「うう……ああ……ははは……これじゃただの化け物だ」 「こんな体なら、きっともう人間としては死ぬことすら出来ないんだな」 　最期に自嘲ぎみな笑い声を一つ上げて＜死者＞は静かに溶けて消えていった。 SANc1/1d3 　呆然としている探索者達の目の前に突如白い扉が現れた。白いと感じたそれは、どうやら光のようだ。 　探索者達がその光の中に入っていくと、キーンという耳鳴りが響く。 　その音が次第に大きくなっていくので、同時に頭痛も引き起こし目を閉じてしまう事だろう。 　探索者が目を覚ますと、それはフカフカのシートをした車の中だった。高級感あふれる車は部屋と見誤ってしまう程広々としており、気付けばそこには全員座っていた。 ＜死者＞はいない。 ＜ＮＰＣ＞達はまだ眠ってしまっているようだ。 (※＜ＮＰＣ＞が死んでいる場合は、その＜ＮＰＣ＞の姿も無い) 　停止している車の中、運転席に座っていた男がこちらに顔を向けた。 　彼、水月要は酷く疲れたような顔をしながらも微笑んでいた。 　その表情に僅かに浮かんでいたのは「憐れみ」だと思える。 水月「……今回が、当たりだとは思いませんでした」 　　「お疲れ様です。そして申し訳ありませんでした」 　　「彼(彼女)が死に還れたのならば、よかった」 　水月は正面を向いて、車のエンジンを入れた。その振動は非常に心地よく、眠気を煽ってくることだろう。 水月「僕は、この都市を愛しています。そこに人ならざるものが潜んでいる事が気に入らなかった」 　　「それが、まるで神であるかのようにのさばるのが、ただ気に入らなかった」 　　「この結果はある意味、僕の願いが叶った結果だと言えます」 　水月は車を走らせながら、バックミラー越しに微笑んで見せた。 水月「けれど、悲願が叶った訳では無い」 　その言葉を最後に、探索者は眠ってしまうだろう。 　 　探索者が気が付いた時には自宅のベッドの上で寝かされていた。まるで夢を見ていたかのような気分だったが、体の怠さが全てを物語っていた。 ふと気になって＜死者＞の名前をインターネットで調べてみると 『＜死者＞●歳　三年前に失踪。未だ見つからず』と書かれていた。 ■報酬 ・生還　1d5 ・死者以外のＮＰＣの生還　一人につき　1d3 ・ホワイトボートに＜死者＞の名前を書いた　1d3 ・箱を開けた　1d5 ■エンディング２：箱を開けない 　あからさまに置かれている箱を目の前に、探索者を始めとした他の面々も、それを開ける事を拒んだ。 　暫く無言でいると、探索者の背後で何かが光った。振り返れば、いつからあったのか白い扉が神々しく輝きながらそこに立っていた。 　訝しく思いながらその扉に手を掛ければ、それは呆気なく開かれる。 ＜死者＞「さぁ、早く出よう」 　彼(彼女)が扉を潜りながらそう言った。 　すると先程の黒い箱から何かがどろりと漏れ出してきていた。粘り気のある黒い液体は絶え間なく箱の隙間から流れ落ち、着実に探索者との距離を縮めていった。 　それは意思を持って人を追い求めているように思える。 SANc1/1d2 ＜死者＞「早く！」 　彼(彼女)が更に声を荒げる。探索者達は迫りくる黒い液体に追われるように扉を潜った。 ☆シークレットダイスを振って下さい。 　探索者全員に番号を振って一人を選んでください。 　選ばれた人物には以下の文章を。 【あなたが門を潜ろうとした瞬間に、黒い液体は勢いを増し、にゅるり、という音を立てながらあなたの首を絞めつけるだろう。黒い触手のようなものがあなたの首を掴みながら、ずるずると沈んでいく。箱の中へと戻ろうとしているのだ。その間にもあなたの首は絞められていく】 ※助ける事が可能。DEX×5を成功させ、POW×5を振って下さい。 ※上記でも難しかった場合、選ばれた人物の＜幸運＞成功。 ▼救出成功 【あなたは何とか脱出する事が出来た。首に纏わりついていた何かに不快感を覚えながら、這う這うの体で扉を潜り抜けるだろう】 ▼救出失敗 【あなたは助けを請うも、それが叶う事は無かった。ずるずると暗い部屋へと引きずられ、あの黒い箱の中へと仕舞われていく。突然、何かに咀嚼される様な感触を覚え、自分の体を見ると、黒い塊が意思を持って自分の体を貪っている姿が映った。後からくる痛みに叫びたくなったが、すでに喉もグチグチと溶かされていた。本来、口に逃げていく筈の息は、肺から咽へと抜けていく。体中が溶かされながら食い潰される感覚に何も考えられなくなっていくことだろう。 箱の中へ入ると、そこには既に先客が居た。＜〇〇(死者)＞の絶望した顔が眼前に広がっている。 それに驚くよりも早く、あなたの体は残酷にも溶かされていってしまった】→ロスト あれは一体何だったのだろうか。そう思う中、誰かの声が耳に届いた。 「生きていて良かった」 　その言葉を最後に探索者達の視界は黒く暗転してしまった。 探索者が目を覚ますと、それはフカフカのシートをした車の中だった。高級感あふれる車は部屋と見誤ってしまう程広々としており、気付けばそこには全員座っていた。 (※ロストが居る場合は、全員にはなりません) 疲れてしまっているようで、探索者以外は静かに寝息を立てていた。 　運転席に座っていた水月要が、「おや」と一つ声を上げた。 　彼はバックミラー越しに目じりだけを細める。 水月「成る程。一筋縄ではいかないようだ」 　　「あるべきものは還るべきだと思うのですがね」 　水月はやや声色を低くさせながらそう言った。けれどそれ以上には何も言わなかった。 ※水月に先程までの事を問い質しても何も答えようとしません。＜死者＞が誰なのか解らないので、無闇に話せない状態です。 　探索者が訝しく思いながら車内を見回し、ふと＜死者＞に目が留まった。彼(彼女)は規則正しい寝息を立てながらすやすやと眠っている。その顔をなんとなしに見詰めていると、その口が何かの言葉を吐き出した。 ＜聞き耳＞成功→【生かしてくれて、ありがとう】 　後日、探索者がテレビを見ていると、そこには水月要がコメンテーターとして登場していた。『驚愕都市伝説！＜椅子取りゲーム＞』というコーナーにて彼はニコニコと笑いながらこう話していた。 水月「僕はこの都市に眠るオカルトの類が大好きです。けれど、人が生んだものに限ります」 「なので＜椅子取りゲーム＞を諦めるわけにはいきませんね」 　　「先日奇妙な縁で得た可能性を存分に生かそうと思いますよ」 ■報酬 ・生還　1d5 ・死者以外のＮＰＣの生還　一人につき　1d3 ・死者の生還　クトゥルフ技能+1d5 [newpage] ■あとがき　補足 一応続き物になる予定です。気長に待っていただければと思います。 ＜死者＞は唯一のパートナーに手酷く裏切られてしまいましたが、イゴーロナクという生物の事を死ぬ前に思い出し、彼と一体化してしまいます。 ＜死者＞は混濁する意識の中で、ある人物に「面白そうだから生かしてやろう」と言われ その時の記憶を失った状態でゲームから脱出しています。 【参加者全員死亡】の噂を流したのもその人物になります。 エンディング１の補足 これが正史ルートになります。パラレルワールドのようになっています。 元々の世界【＜死者＞が誕生した世界】がＡだったならば、＜食事会＞の地点からＢという世界【＜死者＞が復讐を願わず死んだ世界】に通じています。 呪文を使った水月と探索者はＡとＢの世界両方の記憶を持っています。 それ以外は＜死者＞が居た事すら忘れてしまいます。世の中的にも忘れられています。 ＜門の創造＞によって開かれた扉の先は多少＜死者＞の意識が入り込んでしまっていましたが、時間軸だけで言えば過去に戻っています。 過去の時間軸で正しく＜死者＞がしっかりと死んだ為、元から＜食事会＞には参加していないという事になっています。 水月が「悲願は叶っていない」と言っているのは、何によってそれが引き起こされたかが明確でないからです。彼は【参加者全員死亡】の回がイレギュラーだと考えているので、その回に＜椅子取りゲーム＞の主催者が直に関わっていると考えていました。 エンディング２の補足 これは＜死者＞が残ってしまう世界です。彼(彼女)が残っていても特別害になる事は無いですが、いつでも爆発できる爆弾が都市に放り出されている状態のようなものです。イゴーロナクの悪意が広がっていく可能性もあるので、水月的にはバッドエンドですね。 ですが、諦めが悪いのでより一層その根絶を望む様になります。 今まで以上に権力も金も振るうようになりますので、今後の水月にご期待くださいという感じです。 続編はどちらのエンディングに行ってもプレイ可能なように作る予定です。 お疲れ様でございました。 楽しんでいただけたようなら何より。

閲覧数18062
いいね！529

ブックマークに追加

イラスト コミュニケーションサービス[pixiv(ピクシブ)]

pixivへようこそ

【CoCシナリオ】善悪の悲願

USB

投稿した作品

この作品の前後に投稿された作品

イラストコミュニケーションサービス[pixiv(ピクシブ)]