【高校野球】星稜・奥川、圧巻の7イニング18奪三振2019年9月6日 紙面から
◇U-18W杯<第7日> 日本5-1カナダ【釜山(韓国)麻生和男】野球のU-18W杯は5日、当地で2次リーグ(L)が始まり、1次LでB組1位の高校日本代表は同A組2位のカナダに5-1で逆転勝ちし、2勝1敗とした。今秋のドラフト1位候補の奥川恭伸投手(3年)=星稜=が今大会初登板で先発し、ソロ本塁打を浴びたものの7イニング18奪三振の快投を見せた。6日は1勝2敗の地元・韓国と対戦する。 世界が驚く圧巻の投球で、エースが戻ってきた。今大会初登板となった奥川が背番号と同じ、華々しい18個の奪三振ショーを繰り広げ、日本が2次L初戦を取った。 「打者が立ち、審判がいる景色に慣れていない。とにかくストライクを入れないといけないと思った。入って良かった」 甲子園決勝以来、14日ぶりの登板。快投の主は、実は意外なほど初歩的な不安を抱えていたことを打ち明けたが、星稜でもバッテリーを組む山瀬とのコンビで、直球は最速152キロを計測。球威、スライダーの切れ、制球とも抜群だった。 4回に4番・ディオダティに右越えソロ弾を浴びた。「選択したボールを間違えた」と不用意な直球で先制点を与えたことを反省したが、失投と言えるのは、その1球だけ。延長14回まで投げて23奪三振を記録した甲子園3回戦・智弁和歌山戦をほうふつさせる熱投を、国際舞台で再現した。 ただ勝てばいいだけではなかった。大会規定で、投手は球数が50球以上になると中1日、105球に達すると中4日空ける必要がある。5回終了時に、永田裕治監督(55)から「7回まで投げて、104球以内に収めろ」と注文された。 7回スタートの時点で、あと14球。10球で2死を取り、最後は三球三振で仕留めた。「何とか自分で(7回を)終えようと。最後はストライクゾーンで勝負しようと思った」。計ったかのように、103球でミッション達成。6日の韓国戦は登板できないが、7日のオーストラリア戦、最終日の8日は登板できる。 「これくらいで満足したくない。世界一になって喜びたい。まだ、やることはたくさんある」 甲子園後、張り詰めていた気持ちが緩み、戦意を取り戻すのに時間を要した。だが、佐々木(大船渡)にも大きな刺激を与える投球で、チームにこれ以上ない勢いをもたらした。
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