【超短編】宇宙との交信 おまけ
白い息が立ち上るのを目で追いかけると、見慣れた星座が見えた。
「オリオン座! あれがこの位置に見えると、日本に帰ってきたんだなって感じしますね!」
「だな」
「今日はキレイに星が見えますね、ケイスケ先輩」
私が夜空をぐるっと見回すと、クスリと笑う声がする。
「まだ先輩かよ」
「…ケイスケ先生」
私の言い直しに、ブッと吹き出す声がする。
「言うことに事欠いてそれかよ」
「間違ってないじゃないですか!」
「ハイハイ」
笑いを含む声と同時にその手に包まれた私の手は、コートのポケットに一緒にしまわれた。
完
その後を想像して楽しんでもらえれば幸いです。