【ラグビー】<五郎丸歩の願い スタジアムの外から> (5)南ア戦は絶好の機会2019年9月5日 紙面から ラグビーW杯日本大会(20日開幕)がいよいよ間近に迫ってきた。8月29日に発表された最終登録メンバーで臨む南アフリカとの壮行試合(埼玉・熊谷ラグビー場)は6日に行われる。4年前の前回イングランド大会で、その南アを倒す世紀の番狂わせを演じた当事者でもある元日本代表の五郎丸歩(33)=ヤマハ発動機、写真=は「相手は4年前の屈辱を晴らそうと向かってくる。面白いゲームになる」と、本番に向けて力をはかる大切な一戦と見ている。 (末松茂永) 日本代表は北海道・網走の最終合宿に参加した41人からW杯メンバー31人を選んだ。選ばれた選手は「あいつのために」と選ばれなかった選手への思いを強くし、ワンチームの結束力が高まっていく。 五郎丸「これまで長い合宿を一緒にやってきて、苦しい時をともに乗り越えてきたからこそ、落ちたメンバーのために頑張ろうと思えるもの。自分のために頑張るよりも、人のために頑張る方が力が出る。ライバルがいなかったら、自分を高めるのは難しい」 ジョセフ・ヘッドコーチ体制になって1試合も出ていないWTBアタアタ・モエアキオラ(神戸製鋼)や、31人で唯一の代表キャップゼロのフッカー北出卓也(サントリー)が選ばれた。 「ほぼ予想の範囲内のメンバー選出だった。この4年間で成果を出した選手、経験豊富な選手をバランスよく配置した。驚きはアタアタぐらい。ただ、次世代のことを考えるといい選出だと思う。4年前も福岡堅樹や藤田慶和(ともにパナソニック)が将来枠として選ばれ、福岡はしっかりと育った」 このメンバーで南アフリカとの壮行試合に臨む。年間最優秀トライ候補にも挙がった五郎丸のトライなどで、日本代表が前回W杯で大金星を挙げた相手だ。 「勝敗にこだわる必要はない。世界で一番体が大きいチームで、最近の調子もいい。彼らが4年前に味わった屈辱を晴らす場でもある。面白いゲームになる。相手の強みであるセットピース(スクラム、ラインアウト)、ディフェンスがどこまで機能するか確認する絶好の機会だと思う」 この南ア戦は、前回大会後の4年間で、「ティア1」と呼ばれる10チームの強豪と全て戦うことを意味する。 「(南ア戦は)W杯1次リーグでぶつかる仮想アイルランド、スコットランドの試合となるだろう。最近対戦したトンガはチームとして出来上がっていなかったし、フィジーのような相手は1次リーグにいない。W杯に向けて自分たちの力を試す試合としては一番いい相手。開幕まで2週間空くので、勝っても負けても収穫のある試合になる」 <ティア1> 国際統括団体ワールドラグビー(WR)が定期的に発表する世界ランキングとは別の格付け。ティア1はニュージーランド、イングランドなど10チーム。日本は、W杯1次リーグで当たるロシア、サモアなどと同じティア2。
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