しびれる場面を乗り切り、故郷に錦を飾った。6回、先発の小笠原が1点取られなおも2死一、二塁のピンチ。ここでリリーフした群馬県高崎市出身の三ツ間が、若林をキッチリと三邪飛に抑えて、勝利への流れを加速させた。
「あそこで行くイメージはできていた。抑えることができてホッとしました」。右腕は笑顔を見せながら振り返った。1人をしっかりと抑えるという任務が大きな仕事になった。この時点で4点のリードがあったが、つながれていたら代打に阿部や亀井という怖い打者を送り込んでくる可能性もあった。「とにかく何点あってもジャイアンツ打線は怖いので、あそこでよく止めてくれた」と与田監督も目を細めた。
昨年4月25日の巨人戦でもこの球場で登板した。プロ入りして初の凱旋(がいせん)登板だったものの、両親や親戚らが観戦に訪れた中で、まさかの6失点をしていた。今回は昨年同様に両親や親戚、さらには昨オフに結婚した法子夫人、長男の伊吹ちゃんらも見守る前で「故郷に錦」の目標を2年越しで実現させた。
昨年の雪辱をする気持ちはあったか-。そんな問い掛けに「意識するとダメなので、いつも通りという気持ちでした」。結果的に、平常心が功を奏し「いいところを見せることができて良かったです」と、しみじみ語った。 (井上洋一)