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【ドラニュース】

小笠原、菅野先輩に投げ勝った バットではプロ初の適時打も!

2019年9月5日 紙面から

巨人-中日 4回表1死二、三塁、小笠原は右翼線2点適時二塁打を放ちベンチに向かってポーズをとる=上毛新聞敷島球場で(北田美和子撮影)

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 中日の小笠原慎之介投手(21)が4日、巨人戦(前橋・上毛新聞敷島)に先発。本職の投球だけでなく、バットでも貢献した。3点リードで迎えた4回1死二、三塁で変化球にうまく対応し、右翼線へプロ初の適時打となる2点二塁打。投打の活躍で8-4の勝利に導き、リーグ首位の巨人を相手に今季初のカード勝ち越し、そして巨人に今季初の3連勝だ。

 うなりを上げる剛球が打者の懐を次々にえぐる。降り続いた雨も、1軍では初めて立つ地方球場のマウンドも小笠原には問題ない。「しっかり内角を使えたと思います」。イメージ通りの投球で宿敵・巨人をねじ伏せた。

 極限まで研ぎ澄まされていた。相手は8月21日(ナゴヤドーム)に完敗を喫した菅野。東海大相模高の先輩と通算6度目の投げ合いに「日本のエースなので気持ちも高まります」。闘志は白球に乗り移った。球場のスピードガンで最速149キロを計測した直球を軸に緩急を織り交ぜる。菅野が2回で降板しても心に灯った火は消えなかった。

 バットでも魅了した。4回1死二、三塁の好機に2番手・宮国のカーブを右手一本で拾い、右翼線を破る2点適時二塁打。「バットに当たってよかった」と胸をなで下ろした一打は、プロ4年目にして初の適時打となった。

 やや疲れが見えた6回途中で降板。「投げきりたかった」と悔しさをにじませたが、悪条件をものともせず5イニング2/3を5安打2失点の好投。先発としての役割を果たし、今季2勝目を手にした。前夜の梅津に続き、若竜の活躍で今季初めて巨人戦でのカード勝ち越し。与田監督は「若い力が今後のドラゴンズの大きな力、柱になる」と目を細めた。

 自身2連勝へと導いた鍵は「内角」。スタメンに8人の右打者を並べた巨人打線に対し、臆せず胸元に突っ込んだ。「内角に投げきれないと勝てない」。頭で理解してもできない-。そんな現状を打破したくて左腕は完敗を喫した翌日の22日に行動を起こした。

 前日投げ合った巨人・菅野のもとに歩み寄り、頭を下げた。尋ねたのは内角攻めのコツ。先輩は惜しみなく考えを明かしてくれた。「内角は高さよりもコース」。今季初勝利を挙げた先月28日の阪神戦(甲子園)から実践する。小笠原に成長を妨げるような自尊心はない。あるのは貪欲なまでの探求心だ。

 

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