石川白山ジオトレイル 23人完走 室堂小屋では結婚式も
白山麓の二百五十キロのコースに七日間で挑む「白山ジオトレイル」が三十一日閉幕した。選手は累積標高差約一万三千メートルの過酷な旅を終え、ゴールの白山市三宮町の白山比●(しらやまひめ)神社に到着した。愛知県豊田市から参加した会社員横田貴大(たかひろ)さん(33)が七日間の合計タイム28時間34分56秒で優勝。その他の選手も、午後二時三十五分までに二十三人が完走した。 大会はトレイルランでは国内最高峰の厳しさ。途中、豪雨の影響でコースを一部変更した。横田さんは「山域の登り下りが非常に厳しかったが、仲間と励ましあってゴールできた」と振り返った。 大会四日目の白山中腹の室堂小屋では、七月に結婚したばかりの井上昌信さん(55)、満美(まみ)さん(44)夫妻=神奈川県=が「結婚式」を挙げた。満美さんの友人が白いドレスと日本酒を用意し、選手ら関係者が盛大に二人を祝福した。 満美さんは、四年前に右膝を故障。医者からは「二度と走れない」と宣告を受けた。「もう一度思い出のジオトレイルを走り、白山で結婚式を挙げたい」。昌信さんからは「まだ走るのは早い」と心配されたが説き伏せた。膝に幹細胞を注入する再生医療を受け、リハビリを重ねてきた。 大会では、優勝経験者でもある昌信さんがサポート役に徹し、チームで完走を目指した。この日のために友人四人が駆けつけ、選手として参加。今回が初参加の甲斐聖子さん(34)=東京=は「全身がつらいが走りきれて良かった」。無事、チームの三人全員が完走し、満美さんは「一生の思い出です」とほほ笑んだ。(吉田拓海) ※文中、写真説明の●は口へんに羊 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報
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