こんにちは!Hirokiです。
この記事では、化学変化の中でも“分解”について学習していきます。
まずは、“分解”のイメージを持ってください。
分解のイメージを図にしてみました。
分解とは、1つの物質が全く異なる2つ以上の物質に分かれる化学変化のことです。
加熱して分解する物質は、電気を流して分解する物質があり、
加熱して分解する化学変化を熱分解
電気を流して分解する化学変化を電気分解といいます。
この記事では、炭酸水素ナトリウムの熱分解について学習していきましょう!
①炭酸水素ナトリウムとは?
炭酸水素ナトリウムって聞いたことありますか?
私は、学校の授業で習うまで知りませんでした笑
私は、学校の授業で習うまで知りませんでした笑
学校や塾では、パンやケーキをふっくらした触感にするために使う“ベーキングパウダー”とかしつこい汚れを落とすために使う“重そう”の例も出てくるかもしれない。
じゃあ、花王のバブは使ったことありますか?
入浴剤です。湯船にお湯をためて、これを入れるのが楽しみで、だいたいお風呂には一番に入っていました笑
この入浴剤に炭酸水素ナトリウムが成分として入っています。
また、入浴剤をお湯につけると、ブクブクと泡が出てくるのですが、この泡は“二酸化炭素”です。これについても後で出てきますよ。
実際の炭酸水素ナトリウムです。
By Thavox - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
白色の粉末ですね。
熱分解したら何色になるんだろうね?
②【実験】炭酸水素ナトリウムの熱分解
炭酸水素ナトリウムの熱分解は以下のような器具を用いて行います。実験上の注意
①炭酸水素ナトリウムを入れている試験管の口を下げる。
⇒(理由)発生した液体が加熱部に流れ、試験管が割れるのを防ぐため。
(補足)加熱部と発生した液体の温度差に試験管が耐えられなくて割れてしまう可能性がある。
②加熱を止めるときは、ガラス管を水から抜く。
⇒(理由)水が逆流し、加熱部に流れ、試験管が割れるのを防ぐため。
(補足)加熱を止めると、加熱している試験管内の圧力が下がり、水が逆流してしまう。
この2つの実験上の注意に関しては、記述問題でよく出てくるので、そのまま覚えておきましょう。
③【解説】炭酸水素ナトリウムは何に分解するの?
ガスバーナーで試験管の中にある炭酸水素ナトリウムを加熱して熱分解すると何が起こるのでしょうか?結果①:ブクブクと泡が発生した。
泡なので、発生したのは気体ですね。
では、この気体を調べるために
石灰水に入れ、よく振ると、石灰水が白くにごった。
⇒この結果から、発生した気体は“二酸化炭素”ということがわかりました。
入浴剤(花王のバブ)がブクブクなるのは、二酸化炭素の気体が発生しているのですね。
結果②:試験管の口付近に液体が付着した。
液体が発生しました。
この液体の正体を調べるために、
試験管の口に“塩化コバルト紙”をつけると、青色の塩化コバルト紙が赤色になりました。
⇒この結果から、発生した液体は“水”ということがわかりました。
結果③:炭酸水素ナトリウムの色は変化しなかった。
炭酸水素ナトリウムは先ほどの写真にもあったように、白色でした。
でも、一番最初に“分解のイメージ”でもあったように、分解すると、全く異なる物質に分かれます。
だから、この炭酸水素ナトリウムも全く異なる物質になっているハズ!
まず、炭酸水素ナトリウムを熱分解すると、炭酸ナトリウムになります。
炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの違いについてまとめると、次のようになりました。
分解前 | 分解後 | |
---|---|---|
炭酸水素ナトリウム | 炭酸ナトリウム | |
色 | 白 | 白 |
フェノールフタレイン液の変化 | 無色⇒うすい赤色 | 無色⇒濃い赤色 |
性質 | 弱アルカリ性 | 強アルカリ性 |
水への溶解性 | あまり溶けない | よく溶ける |
このように見た目は同じでも、性質や水への溶解性が違いました。
今回の熱分解の化学変化を化学反応式でまとめると
炭酸水素ナトリウム → 炭酸ナトリウム + 水 + 二酸化炭素
2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2
となります。
④【問題と解答】炭酸水素ナトリウムの熱分解
中2化学分野の炭酸水素ナトリウムの熱分解についての問題です。頻出事項なので、問題を解きながらノートにまとめていきましょう。
問題
(1)炭酸水素ナトリウムを加熱したときに生成する物質は何か。(3つ)
(2)炭酸水素ナトリウムの色は何色か。
(3)(1)で生成した固体は何色か。
(4)炭酸水素ナトリウムと、(1)で生成した固体を区別するために使う試薬は何か。
(5)①炭酸水素ナトリウムの水溶液に(4)の試薬を加えると何色になるか。
(6)(1)で生成した固体に(4)の試薬を加えると何色になるか。
(7)(1)の反応は化学反応の中でも何というか。
(8)(1)の反応を化学反応式で表せ。
(9)(1)で生成した気体について、①化学式、②捕集方法、③石灰水に通したときの変化、を答えよ。
(10)(1)で生成した液体を確かめるための①試薬と②その変化を答えよ。
(11)炭酸水素ナトリウムを加熱するとき、試験管の口を少し下げておくのはなぜか。
(12)ガスバーナーの火を消す前に①しなければならないことは何か。また、それは②なぜか。
解答
(1)炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水
(2)白色
(3)白色
(4)フェノールフタレイン液
(5)うすい赤色
(6)濃い赤色
(7)分解
(8)2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
(9)①CO2 ②水上置換 ③白くにごる
(10)①塩化コバルト紙 ②青色から赤色に変化
(11)発生した液体(水)が試験管の加熱部に流れ、試験管が割れるのを防ぐため。
(12)①試験管からガラス管を抜く。
②試験管内の石灰水が逆流 するのを防ぐため。
コメント
コメント一覧 (4)
あ、わかりやすい解説ありがとうございますお世話になってます
ご指摘ありがとうございます。
修正しました。
下方置換でも大丈夫です。水上置換ということも覚えてくださいね。
コメントありがとうございました😊