奇跡再現でW杯に弾みをつける。日本ラグビー協会は4日、埼玉・熊谷ラグビー場で6日に行われる南アフリカ代表とのテストマッチに臨む日本代表23人を発表。フランカーのリーチ・マイケル主将(30)=東芝=やSH茂野海人(28)=トヨタ自動車=らが先発に名を連ねた。W杯日本大会の開幕を20日に控え、大会前最後の腕試しとなる。前回W杯で劇的な金星を挙げた南アフリカを再び撃破し、本番に向かう。
金星を再び―。日本代表のジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は世界最強国の一つと総仕上げのテストマッチに臨む意義を強調した。「W杯本番に向けて、大きくて強い相手とどれだけ戦えるかを把握するチャンス。フィジカルなチャレンジで、まさに必要な試合」。4年ぶりの再戦。相手もベストメンバーで雪辱を狙っている。これ以上ない腕試しだ。
会見室に入ってきた同HCは、まずメンバー発表を前に報道陣に話し掛けた。「多くの人から『W杯の直前に南アフリカと戦うのはリスキーでは?』と聞かれた。質問の意図がわからない」。大差で負けたりしたら自信を失うのでは―。ケガ人が続出したらW杯構想が狂うのでは―。そうした心配の声もあるかもしれない。だが、ニュージーランドのナンバー8で鳴らしたパワフル指揮官にそんなネガティブな発想はない。
リーチ主将も同じだ。「4年前は、W杯直前にスクラムの強いジョージアと戦って、スクラムにも試合にも勝って自信をつけてW杯に臨めた。今回も自信をつけるチャンス。世界一でかくてFWの強い南アに、世界一小さい日本がどこまで戦えるかを世界に見せたい」。ガチンコ勝負で手応えをつかみ、勢いをつけて自国開催のW杯に臨む。(大友信彦)