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水原希子のPR動画ツイートにまたヘイトスピーチ 拡散したまま信じ込まれている「デマ」

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水原希子Instagramより

 水原希子(27)に対するヘイトスピーチが続いている。今年3月に水原希子が「ディオール(Dior)」のビューティアジアアンバサダーに就任したことが発表され、4月上旬より美容雑誌「マキア(MAQUIA)」(集英社)のオンラインサイトでは、水原希子とディオールの美白スキンケア用品「ディオール スノー」シリーズのスペシャルコラボ動画を配信している。それに関連して、43日にマキア編集部のTwitterアカウントが動画をツイートしたところ、そのツイートに「かわいい在日だな~!」「日本人ではないよね」「日本の血が入ってないからかなぁ」といったリプライが寄せられている。

 こうしたレイシズム(民族差別)の発露は、昨年、水原がサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」のCMに出演した際も同様だった。当時、サントリーのPRツイートには、投稿日から数日の間に、民族差別的、性差別的なヘイトに満ちたリプライが相次いだのだ。その多くは彼女がコリアンルーツであることを嫌悪する内容であり、今回も同様だ。

 水原希子は、父親がアメリカ人、母親が韓国人で、アメリカ国籍を持つモデルだ。アメリカで生まれ、兵庫県で育った。そんな彼女のルーツをさして「日本人じゃないのに日本人のふりをしている」と糾弾する人々がいるのだ。さらに、「水原希子自身が『私は日本人ではない』と言っていた」というデマも拡散され、浸透してしまった。

 この「水原希子自身が『私は日本人ではない』と言っていた」というデマは、2016年に彼女がネット上にUPした動画からきている。水原希子はInstagramで友人の現代美術家が投稿した写真(天安門に中指を突き立てている)に「いいね!」を押したことで中国のユーザーから非難され、そのことについて謝罪動画をオンラインに投稿。

 その動画において彼女は、「父親がアメリカ人、母親が韓国人」という多国籍なルーツにあることを語り、それゆえに「民族差別などすべきじゃないと思っている。だから自分は中国を侮辱する意図を持っていない」という主張を述べた。この主張が、どういうわけか「反日感情で怒りを向けている中国のネットユーザーに対して、『私は日本人ではないので許してください』と訴えた」と曲解され、デマとして残り続けている。

 水原希子の主張は一貫しており、ぶれてはいない。TwitterInstagramでのオリジナルな発言、インタビュー記事などでの発言を見る限り、世界平和を祈り、特定の属性を持つ人々を貶めず、マイノリティの権利が担保されることを彼女は望んでいる。

 別に水原希子が清らかな心の聖人君子だなどと言いたいわけではないし、素顔なんてわかりようもない。ただ、彼女に関する明らかなデマを拡散し、信じ込んで、民族差別や性差別を繰り返す行為には全く正当性などないことを覚えておいてほしい。

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