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【羽ばたけ中部勢】

足から拳に新人王へ原駆け上がる ボクシング

2019年9月4日 紙面から

空手とテコンドーの経験を生かして全日本新人王を目指す原彪真=名古屋市中区の中日ジムで(志村拓撮影)

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 ボクシングの原彪真(ひょうま、20)=中日=が15日、中日本スーパーフライ級新人王として中日本・西部新人王対抗戦(愛知県刈谷市あいおいホール)に出場する。中学時代は空手、高校時代はテコンドーで全国優勝を果たしたが、腰を痛めて足技の競技を断念。「一対一で戦い続けた経験を武器に、上を目指したい。最初の目標は、全日本新人王」と未知数の拳を武器に、まずは日本ランキング入りを目指す。

 ボクシングを始めて、1年そこそこ。まだパンチはぎこちない。原の一番の武器は、全国の頂点に立った空手とテコンドーの足技が、土台になっているフットワークだ。

 中日本新人王トーナメントは、準決勝から2戦続けて引き分け。スピードを生かして相手をコーナーに追い込んで手数を稼ぎ、試合運びが優勢と評価されていずれも勝者扱いに。プロ3戦目で中日本スーパーフライ級新人王に輝いた。

 「蹴りより近い間合いの緊迫感が、ボクシングの魅力。一対一で戦い続けてきた経験を武器に、どこまで上を目指せるか。ゼロからの挑戦です」。日本一の経験を周囲に伏せ、リングに飛び込んだ。心配事は、相手にとっさに足技が出ないか。キックがさく裂すれば厳罰は免れないが「何とか大丈夫そうです」と屈託なく笑った。

 泣き虫を直すために幼少期、地元道場で寸止めでないフルコンタクトの空手に打ち込むと、格闘技の才能が開花。名古屋市南桜田中3年で、45キロ未満の階級で全国制覇を果たした。

 愛知・至学館高時代は「フルコンにはない五輪があるから」とテコンドーに転向。始めて半年で、高校生以下の日本王者になった。2連覇し、日の丸を背負って世界大会にも出場した。しかし、中学時代から患っていた腰椎分離症が悪化。力を発揮できなくなり、足技の道を断念した。

 足から拳へ。方向性は180度違うが、全国トップまで自身を磨き上げた成果がいきなり出た。4月のデビュー戦で1回、強烈なストレートを食らいながら、両足で踏ん張ってダウンを回避。判定での逆転白星デビューにつながった。「下半身を鍛えてきたおかげ。空手とテコンドーに感謝です」と振り返った。

 (志村拓)

 

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