鹿児島県出水市で大塚璃愛来ちゃん(4)が死亡し、同居する建設作業員、日渡駿容疑者(21)が暴行容疑で逮捕された事件で、県警が虐待の可能性があるとして中央児童相談所(鹿児島市)に文書や電話で一時保護の必要性を伝えたが、児相は一時保護をしていなかったことが1日、県警への取材で分かった。
児相を管轄する県子ども家庭課は取材に「情報収集中だ」としている。
県警によると、同容疑者は璃愛来ちゃんの20代の母親の交際相手。母子が同県薩摩川内市に住んでいた3月、県警に虐待の可能性がある動画が投稿されているとの情報が寄せられた。県警と児相が母子に面接したが虐待の疑われる目立つ傷はなく、動画の存在も確認できなかったとしている。
3月下旬~4月上旬には夜間に1人で外出している璃愛来ちゃんを県警が計4回保護。「一時保護の必要性を認める」と文書などで複数回児相に伝えたが、児相は一時保護しなかったという。7月から、3人は出水市で暮らし始めた。
出水市は1日記者会見し、母親が7月に「遊んでいて頭をぶつけ、嘔吐(おうと)した」と市内の病院を受診させたほか、8月5日には璃愛来ちゃんの体にあざ数カ所を確認していたと明らかにした。逮捕容疑の暴行があった前日の8月26日に保健師が面談したが、外傷は確認できなかったとしている。
璃愛来ちゃんは日渡容疑者が8月28日に出水市内の病院に運び、同日深夜に死亡が確認された。溺死だった。〔共同〕
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