あざみのごとく棘あればと言う。
世間ではお盆休みに区切りをつけて仕事と言う名の日常に人々は還っていった。
気だるげな東京の風と少し涼しくなった空気に秋を感じ、身体も心もさみしさを感じていた。
僕の仕事に休日と言う概念は少なく、休みのない日々に気絶するほど悩ましい事もある。常在戦場ならぬ常在職場である。
日々忙しい中、以前遠方での仕事の空き時間に僕の純潔を散らす可能性のある風俗店にお伺いさせていただいた。
しかしお盆休みと言う世間の波に僕と社長も逆らうことは出来ず、社長の子供たちは「遊園地!プール!キャンプ!」と声を大に僕たちに毎日プレッシャーを与えてきた。
レース当日目を覚ましたあの時、雨が降っているとても不幸の朝がくるようなプレッシャーだ。
世間一般より僕たちの仕事はズレてはいるが、稼ぎも伴っていると思う。
その皺寄せはやはり家庭である。社長も身体が二つ欲しい程忙しい。僕もその補助にあたり日付が変わってから家に帰る。
子供たちを連れて遊園地に行ったり、近所のプールに連れて行ったり、僕の部屋に泊まったり等と忙しくも楽しい夏休みの日々だ。
家族ぐるみで店長と仲良くさせていただいている。ありがたいことだ。
めがねおじさんは大人気だ。子供たち4人に毎日遊んでくれとせがまれる。しあわせだ。
だが僕も一人の男で、一人のバイク乗りである。僕の求める幸せは、いや俺の求める幸せってのは。
そう バイクに乗りたいのだ。
バイクに乗るために鍵を手に取りスロットルと言う名前の銃爪(ひきがね)を引いた。
後輩が東京から地元の愛知に帰ってきているのに便乗し東京への帰路についていくことにした。
旅すがら「東京行ってもやることねぇなァ」としか思っていなかった。
僕の相棒ZX-9Rは気分次第で責めないでよと言わんばかりにアクセルを開けろと煽ってくる。
岐阜から東京へ向かう400kmの最中、幾度となくスロットルを捻った。
あの大阪での夏前の日。僕は少し心残りを感じて帰ったじゃないか。
前回は指を突っ込まれる程度でしゃぶることも掘られることもなかった。
だが
「掘られてもないししゃぶってもないんすか。落第ですね。もう一回行ってください。」
てめェこの野郎。掘られたこともしゃぶったこともねぇクセに無駄にデカい身体でクソみてーなこと言ってんじゃねぇぞ。
と言う心の声を奥底にしまい込んだ。
すべては僕の覚悟が無かった。
だが今は違う。
俺の涙は俺が拭く。
Twitter上で嬢とも親密にリプライを交わし、お互いの趣味が一致することも確認済だ。
もう迷いはない。イケるはずだ。
嬢には「初めてなら90分以上。」と教わっていた。
よかろう。120分だ
でもぼくは60分ぶんのおかねしかなかった。
チャンスは一度。
いや、突かれてきますけどね。
そうとなれば兎に角予約だ。
あ、もしもし。予約したいんですけど
わ「かりました。予約したい娘のお名前とかって」
事務的に予約を行う。
準備は整った。
行こう ジュクへ。
俺のテリトリーはノガミ(上野駅周辺)だが今日はジュク(新宿)だ。
ハローワークへ。
って言うかこのお店の人活舌が悪くていまいち電話越しだと何て言ってるかわからんなぁ。
下らない事を考えながら歩を進め辿り着く。
「ではここのnull号室のチャイムを鳴らしてください。」
ここが、こんなところが、いやこんなところに。都会ってスゴい。
遅いエレベータに乗りごとんごとんと一階ずつ上がっていく。
この緊張を何に例えよう。
そう、例えるならばサイフォン式コーヒードリッパーが一滴目を落とすような。
例えるなら2速から1速にヒール・アンド・トゥをキメてヘアピンコーナーに侵入するような。
一度のシフトミスが命取り。そんな気分。あなたを・もっと・知りたくて。
重たい鉄のドアが開く。シグナルグリーン。レーススタート!120分のレースが今開始しました!
僕の中のピエール(モータースポーツアナウンサー)がそう囁く。
「ひさしぶりー。でもTwitterでからんでるしあんまそんな感じしないね。」
そうだね。遅い時間にごめん。でも予約時間遅くして俺がラストのが気楽かなーと思ってさ。
まるで通い慣れた常連だ。2回目だけど。
可愛い男と呼ばないで
「じゃまず浣腸しよっか。」
ケツだけでいいのに僕は何故かネイキッドになり四つん這いの姿勢を取った。
「じゃあ5分くらい我慢してね」
あーOKOK任せとけって我慢比べなら得意なほうさ。と思ったその刹那
痛い痛い痛い痛いおなか痛いしかもあのキュルキュルするこの電車の中ならンコもれそうになるやつ
イッヒフンバルトヘーデル!と言うレベルではなくゲリデルネンになってしまった。
俺は何故、こんな辛い思いをしなきゃいけないんだ。
おなかいたい。
とにかくおなかいたい。
久しぶりだよこんなおなかいたいの。
悲しみにつばをかけろ。
頭の中ではKeepYourselfAliveのイントロが流れていた。邦題は炎のロックンロールだ。
内容物がカラになったのを感じた。
曲がKnockin'on heaven's doorに変更された。
ノックをし、迎えに来てもらった。
ああどうか神様。どうか僕に救いを。
一緒にシャワーを浴び、ベッドの部屋へ戻る。
タオルを敷いたベッドの上で横になり、大量のローションをつけ指が侵入してくる。
思ったよりあっさり入るんだね。
前回の経験からか北斗新血愁を食らったようなレイの顔にはならずに済んだ。
腹の中を内側から掻き回される異物感。
ミカ=ハッキネンが俺の直腸の中をプリウスPHVで走り回るような激しくも優しいドライビングだ。
「なんだかんだもう2本入ってるよ?」
うせやろ。
ここで僕は気づいてしまう。
今こそこのセリフを言うべきか。いやまだ早い。
10分、いや20分、僕の中で30分は指で広げられただろうか。
「もう3本入ってるしこれならいけるかなー」
じゃあアレすか大きくしたほうがいい感じです?
「ん?」
不思議だ。
ぼくはおとこなのに
ちんちんを舐めている。
否
女性のソレは僕もたくさん愛してきたさ。
舐めることも吸うこともしてきた。なんなら不浄の部位だって舐めてきた。
だが、今回は俺と同じだ。
そう。全く同じ形状違いだ。
「昨日飲みに行って記憶があんまないんだけど。朝起きたらシコッティがたくさん落ちてたからこの子言うこときかないかもしれない。」
女性として、男性のそれを大きくすることができないのはきっとプライドが傷つくだろう。
同じように感じ、僕はそれを口唇で迎え入れた。
この気持ちを何と例えよう。案外余裕だった。
大人になってブランコに乗るときの少しの気恥ずかしさやなつかしさを感じた。
一心不乱とは言わないが自分がされたい通りの口による愛撫を行っていた。
ああきっと、僕はこうされると気持ちいいからこうしているんだろうなぁ。と思うと同時に興奮していた。書いてて思うけどこれだめなやつじゃないかな。
「じゃあ挿入よっか。」
しゃぶった俺ぁもう怖くない。さあ来い。急げ風のように。
正常位の体制で
その器官に
彼女のそれが現れた。
ゆっくりと押し込まれる。異物感が凄い。固着したフロントフォークのような異物感。
やはり抜くときが気持ちいいなぁ。なんて思う余裕は僕になかった。
女はそれを我慢できないと言わんばかりに腰を振られ、僕のそれを扱かれる。
今こそこのセリフを頭に浮かべるべきだ。
「おんなのこになっちゃう♡」
自分で思いながらも股間のいつもの快感と初めての快感に戸惑っていた。
こうなれば快楽に身を任せろ。
「奥まで入れてもらってもいいですか」
「いいよ、辛かったら言ってね。」
風俗にも関わらず生まれて初めてキスを強請りたい自分が居ることに軽い絶望を覚えた。いやまぁお願いしておもいっきりべろちゅーしましたけど今思うとこれもめっちゃだめなやつじゃない?????
掘られながらキスするその瞬間
夢の中ならMotoGPレーサーの僕も今この現実は確かにセーラー服の男の娘に突っ込まれているオッサンである。
だがこの「許されている」感はなんだろう。
ツーリングしているとたどりついたらいつも雨ふり。
キャンプしながら土砂降りの雨で大笑いしたり
道の駅で雨宿りをしたり。
でもそんな自分が好きだった。
きっと僕の愛車も、そんな天気でもツーリングしていればきっと楽しいはずさ。
ごめん相棒ZX-9R。コインパーキングに放置してごめん。でもめっちゃ気持ちいいです。
声が出るほど喘ぎながらも僕は限界を迎えつつあった。
「いいよ出して」
ブローバイが僕の腹に落ちた。
「みんなそういうけど結構くるよー」
ずるり。と僕の中から彼女は出て行った。あぁ。終わった。さよなら僕の青春。
前と同じ
尻がぬるぬるする。無限にぬるぬるする。ローションまるけだ。
お互いシャワーを出てベッドに横になりながらシンフォギアライブの映像を見る。
奈々様神じゃね?
そりな?
十年来の友人のように二人でベッドで横になりながら動画を見る。
きっと漫画のように俯瞰視点で見れば僕たちは幸せなカップルだろう。
イミテイション・ゴールド。偽物かもしれないけど120分以内の今は本物だ。
残り時間はなんてことないピロートークと喫煙所で彼女の愚痴を聞いた。
「こちらこそ、また遊ぼうね。」
僕は帰る。
果てしなき闇の彼方に。
相棒ZX-9Rと一緒に。
僕は一つ上の男になった。
そして実績を解除した。
きっと興味があるだろう男の娘。
なんだかんだ興味があるんだろう。
さよならをもう一度言えば新しい扉が開ける。
新宿の街を後にし、終電を逃した僕は歩いて友人のアパートに戻った。
消費した体力からオートバイに乗る事は出来ない。今夜も泊まろう。
友人は「ケツ掘られた人どういう顔で見ればいいんすかw」とわりに真剣に言っていた。
僕を出迎えて一言
「きもちよかったっすか」
満面の笑みで僕は答えた。
プロってすげェよ。
今日も確かな尻の痛みと引き換えに
周りの女性を見る目が少し変わった。
なんでキルラキルのタイトルを1話から順に使っているのか
全部のタイトル使ってるのかと思ったら1,2個?2,3個?抜けてたりして片手落ちでズコーってなったわ
いやあほんとに、快感の前には相手が男か女かなんて些細な問題だと気づかせてくれる秀逸なエントリ ところで、俺ってゲイなんじゃ? みたいな葛藤はないのですか?
いい加減レーティングされてない増田にこういうの書いたらすぐ消されるようになってほしい
増田がモータースポーツファンだってことはわかった
anond:20190902021340 いい加減レーティングされてない増田にこういうの書いたらすぐ消されるようになってほしい
君が気に入らないからって皆が君の基準に合わせる必要は無いよ