本紙評論家のラモス瑠偉(62)が、マジョルカに1年の期限付きで移籍した久保建英(18)に関して激白。この決断に関して「ベストはレアル・マドリードで試合にでることだが、それは簡単なことではない。プロは試合に出てなんぼ。トップリーグに昇格したマジョルカに移籍したという選択は、間違っていない」とエールを送った。
いま、久保に必要なものは経験値だ。先発メンバーとして、クラブの浮沈をかけ、ファンに対して責任を持って戦えることが重要だ。もし、レアルのトップに残れることができたとしても、日ごろの練習は戦術の確認とコンディション調整が主になる。これまで、トップの練習に呼ばれるだけでも成長につながると書いてきたが、北米遠征に同行し、プレシーズンマッチでその能力の高さを証明した久保にとって、そのレベルはクリアしたのではないか。
また、カスティージャ(Bチーム)に残ったとしても、もはやこのレベルで得られるものは、それほど多くない。お客さんも少ないし、ゲーム環境もよくないし、レベルもトップリーグと比べれば知れている。
だったら、トップチームの試合、スペイン1部リーグに身を置いて、そこで経験を積むのがいい。実戦、いや、公式戦と練習では、プレーの質が違う。勝つか負けるか、生きるか死ぬかの勝負では、ギリギリの場面での厳しさ。ボールを競り合ったとき、1センチ、2センチの違いが勝負を分ける。そんなギリギリの世界で得るものが、久保を成長させる。