松坂の現役続行宣言を受け、球団サイドは与田監督を筆頭に現場の意見を尊重しながら、来季の構想に入れるか否かを練っていく。松坂はソフトバンクから戦力外となり、昨シーズン、入団テストに合格して中日入り。全盛期の剛球はなくても、巧みな投球術で6勝を挙げ、カムバック賞も受賞。しかし、今季は春季キャンプ中にファンに腕を引っ張られたことで右肩を痛め、大きく出遅れた。7月16日の阪神戦で1軍初登板。先発として5イニング2失点とゲームを作ったが、2度目の登板となった7月27日のDeNA戦で3分の1イニング8失点と大炎上。再び2軍落ちした。
     現在は右肘炎症により実戦から離れ、今季の戦力になっていない。加藤代表は「日本球界にとって大きな存在だから、まずは意思確認をした。特別扱いはいけないけど、それだけの選手というのはある」と、シーズン中に話し合った理由を述べた。松坂が現役続行の意思を伝えたとはいえ、球団の姿勢は「白紙」の状態のまま。加藤代表は「現場と編成の話をしたときどうなるか。現時点で白紙です」と言い、今後は指揮を執る与田監督の意向も聞くことになりそうだ。阪神から戦力外となった鳥谷は引退か他球団移籍の二択。そのケースと違い、松坂は中日が契約を結ぶとなれば残留、来季構想に入らなければ退団し、新天地を探すことになる。