関東大震災九十三周年
朝鮮人犠牲者追悼式典
(平成二十八年九月一日都立横網町公園朝鮮人犠牲者慰霊碑前)

(以下抜粋)
開式の言葉

関東大震災では東京だけでも12万人お亡くなりになった。ところがその
混乱の中で当時の水野練太郎内務大臣と警視総監が共謀して
朝鮮人が暴動を起こすとか井戸に毒を入れるとか、そうしたいわれの
無い流言蜚語を流し、
その後戒厳令を布いた。
しかも武器の使用を認めるという大変なことをしでかして、そのために
なんの罪も無い朝鮮人が六千人以上殺され中国人が七百人以上殺され、
日本人の社会主義者や労働組合の活動家十数名も虐殺される
という大事件が起こりました。
この事實はその後の学者先生や研究者の
長い研究に依って明らかに確定されている事實であります。

私たちは戦後一貫して日朝協会設立後今日まで、
こういう人間とは思われないような大事件を日本人が永久に
忘れないように、
そして再びこのような事件が起こることがないように、
追悼式学習会や調査活動をずっとやって参りました。

日本中国友好協会東京都連合会代表
 
虐殺により貴い命を奪われた中国人日本人犠牲者に心より
哀悼を捧げます。あわせてここに出席されている皆様お一人
お一人の永年の志によってこの追悼式が継続をして行われて
いることに敬意を表します。しかしこうした皆様のご努力に
よっても懸命な努力にもかかわらず、
なお政府と民衆が行った朝鮮人虐殺は未解決のママです。
なぜなら第一に虐殺された方の大多数がいまだに名前もわからず
遺骨もどこにあるか
わからない状態にあるからです。肉親に行方を
知らせることができていないことはまことに恥ずかしく情けない事です。

異国の地で亡くなった犠牲者と遺族に申し訳なく思います。
そして第二に未解決なのは私どもの社会が排外主義から脱却できて
いないからです

こうした排外主義は当時の国家や
民衆が抱いていた意識に通じるものがあります。
朝鮮人虐殺はその意味で過去の問題ではなく、現在における
私どもも深く関係する問題です。

国家は虐殺を隠蔽し自らの責任を回避してきました。

犠牲者遺族に真摯に向き合い、真相を究明しそれから責任をあきらか
にすることが必要だと思います

そのこと無くして真の解決はありません。今後も微力を尽くして参ります。


亀戸事件追悼会実行委員会副実行委員長

私たちは亀戸警察に留置され軍隊によって虐殺された十名
若い労働者を追悼し、志を受け継ぐものです。祖国を奪われ
土地を奪われ〇〇を奪われ命を奪われた、日本政府軍隊警察
だけでなく自警団を名乗る人々によって一人一人が虐殺され
ました。
日本政府はその実相を隠したまま責任を認めずまた賠償もしません。
わたしの祖父は亀戸にいました。
日本人として深い反省と・・・・政府や祖父達は血まみれの手を拭く事も
無く中国への侵略を進めました。

部隊同士の戦闘ではなく各地で女性を犯し、子供を殺し、年寄りを
殺してきた、その根源のひとつは関東大震災にあったのではないでしょうか。


閉式の言葉

関東大震災九十三周年朝鮮人犠牲者追悼式典にご参加いただいた
皆さんに主催者を代表しまして心からお礼申しあげます。また、
さまざまなお言葉を賜り、またこの鎮魂の舞台に各界の追悼メッセージ
お寄せいただいた方々にも、今日ご出席いただいてないですけれども
物心両面にご支援をいただいた皆さんにもここに改めてお礼を
申し上げます。本当にありがとう
ございます。私は一言閉会に当たりましてご挨拶させていただき
ますが、あの残虐な事件からもう93年も経ったのかという、思い、
そんな中で日本国民も他国民も沢山の事を学んで
二度と侵略戦争や植民地支配はやらないという風に平和憲法で
誓いを新たにいたしました。
しかしどうでしょう、
最近の動きはなんか九十三年前のあの怪しい空気に戻ってきた
ような感じがする今日この頃じゃないでしょうか。私たちはこの地平に
立って考えて見ますとやはり憲法そのもの日本の憲法は主権が
国民にあると言う事、基本的人権や民主主義そして二度と再び
戦争しない戦争放棄。武力は持たないこういう方向を世界の人々に
約束したではありませんか。しかしこの参議院選挙について見て
みますと、首相は一言も憲法を変えるなどとは言わないでアベノミクス
の評価と言っていましたが、終わったとたんに、自民党の案で憲法の
改正をするんだ、と言う事を何回も発言しているじゃ有りませんか。

それだけじゃありません、武器を製造して戦争に大きく踏み出しました。
また秘密保護法について今度は共謀罪の問題がでてきております。
緊急事態に対応する体制を作り上げなきゃならない。なんでしょう、
これはアジアの人々の二千万の命を奪った、日本人も三百十万犠牲
をしているわけですが、あの道へあの道へと走っているじゃない
ですか。この七十三年前の哀しみと怒りを今こそ二度と再び繰り返さ
ないために皆さんと力をあわせて我が国に平和憲法が息づいて
おる時に、皆さんと力を一つにしてこの教訓を大きく私たちの物として
前進をして行こうではありませんか。
このことは被害者に対する追悼のこういう気持ちを・・・・こういう日に
したいと思います。皆さんのご協力に心からあらためて
感謝申し上げまして閉会のご挨拶に致します。

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慰霊祭と同時に公園で販売されていた
(東京都立横網町公園朝鮮人追悼碑
を建てた会の小冊子)

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