将棋の最年少プロ・藤井聡太七段(17)は1日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された王将戦2次予選3組決勝で谷川浩司九段(57)を57手で破り、初の挑戦者決定リーグ入りを決めた。谷川九段の歴代単独3位となる通算1325勝目は持ち越しとなった。
最高の恩返しを果たせた。早くから藤井七段の才能に注目し、時に師匠の杉本昌隆八段(50)を通して助言を送りながらその成長を温かく見守ってきた谷川九段は、天才少年にとって大恩人。藤井七段も谷川九段のことを常々「憧れの棋士」と慕ってきた。
盤上は雁木(がんぎ)模様から後手の谷川九段が先攻を見せるも、藤井七段のカウンターがさく裂。午後3時28分、思わぬ短手数での終局となった。持ち時間各3時間のうち、消費時間は藤井七段1時間57分、谷川九段2時間24分。藤井七段は「対戦が実現してうれしかった」と喜びをかみしめた。
王将位は現在、渡辺明三冠(35)が保持。挑戦者決定リーグには7人の棋士が参加し、総当たりで渡辺王将への挑戦権を争う。「全力を尽くして戦いたい」と藤井七段。七番勝負は来年1~3月に行われる。
屋敷伸之九段(47)が持つ史上最年少タイトル獲得記録(18歳6カ月)更新へ向け、藤井七段に残されているチャンスは5棋戦。2020年の王将戦、棋聖戦、王位戦、王座戦、竜王戦となっている。