イシジ ヌ ウイナー スクル ヤーユドゥ ヌキヤーッティ イズ(石の基礎の上に建てる家を、貫き家と言う)。八重山の建築様式で、角材を貫いて組み合わせ、石の基礎の上に柱を立てる本格建築の家を「ヌキヤー(貫き家)」と称します。柱を載せる基礎の石がイシジ(礎)です。イシジは家屋を支えるもっとも重要な役割を担うことから、物事の肝心要・中枢部を意味するのです。
沖縄県は沖縄戦の犠牲者の名を国籍や軍人、民間人の区別なく刻み、1995年に糸満市摩文仁で「平和の礎」を建立しました。碑名を沖縄で広く使われている島言葉の「イシジ」にしたのは、賢明だったと思います。平和の礎に刻まれている戦没者の数は24万人余にのぼります。
大田昌秀元沖縄県知事の恒久平和へのゆるぎない信念が結実した祈念碑です。大田知事は秘書課で勤務していた私に「今は口に出せないが、平和の礎は世界の恒久平和を希求するシンボルとして世界中の人々に支持され、同時に永久的な観光資源として沖縄県の経済を潤すことになる」と断言されました。大田知事の予言どおりになっている現状を見るにつけ、大田知事の先見の明に、今更ながら感服しているところです。
県外から訪れる友人や知人は、かならず「平和の礎」の参拝を希望し「戦争の悲惨さと平和の尊さ」を肌で確実に感じ取ります。同時に日米安保条約に基づく在日米軍基地の70%が、沖縄県に押しつけられている不条理を、自らの問題として真剣に受け止め理解を深めて帰ります。
また、タクシー乗務員として観光業に携わっている親友のN君は、「復帰後の県の施策で最も優れた事業は“平和の礎建立”であり、沖縄の苦難の歴史を確実に理解させることのできる超一級の観光資源だ」と明言しています。
(當山善堂、八重山伝統歌謡研究家)
P R
- 国道331号通行再開へ 31日正午に全面通行止め解除 名護市嘉陽 当面は片側相互通行社会2019年8月30日
- 「auでんき」県内でも 家庭向け電力 沖電とセルラー提携経済2019年8月31日
- ピンクドット沖縄2019始まる 誰もが生きやすい社会めざして社会2019年9月1日
- 「本部をアピール」と沸く地元 比嘉選手ツアー初Vで祝勝会スポーツ2019年9月2日
- 車内で死亡の3歳児、死因は熱中症 外出前に自ら車内に入り2~3時間滞在か 高温注意情報があった沖縄で社会2019年8月25日
- 夫婦別姓、地方から実現訴え 法制化目指し、全国で陳情アクション 沖縄初、うるま市議会に請願書 姓は「アイデンティティーに関わる」くらし2019年8月30日
- 世界的写真家 レスリー・キーが写す「その人らしさ」 LGBTカミングアウトフォト「OUT IN JAPAN」 沖縄で初撮影社会2019年8月31日
- 車内で3歳児が死亡 高温注意報の沖縄社会2019年8月25日
関連するニュース
2019年8月30日 09:45