韓国・文在寅政権の命運が尽きたあと、朝鮮半島はどうなるのか

お約束「身内スキャンダル」も出てきた
大原 浩 プロフィール

大統領は部族=一族の代表である

そして、その「自称・儒教」とともに古代中国から入ってきたのが「科挙制度」である。科挙制度がどのようなものであり、共産主義中国にも悪影響を及ぼしていることは、人間経済科学研究所・研究パートナー藤原相禅のレポート「中国が民主主義を受け入れない理由」で詳しく説明されているが、要するに、「汚職・不正」は「科挙制度」の中に元々組み込まれていると言ってよいのだ。

「科挙制度」の試験の過酷さは、かつての司法試験の比では無い。筆者の学生時代には「何年も司法試験の勉強を続けて、体を壊して死んだ」などという「都市伝説」とも本当の話とも判別がつかない噂が流れていたが、それどころではない。

 

優秀な子供がいると、若いころから勉強づけにして、成人してからもそれを続けさせる。当然働いて収入を得ることができないので、生活は一族郎党で連帯して面倒を見るし、勉学のために必要な高価な書籍類もすべて買い与える。

要するに、科挙の受験者は「勉強マシーン」と化すのだ。科挙は狭き門だから、それだけのことをやっても、一生合格しないこともあるが、もし合格すれば、一族は繁栄する。

もちろん、役人の給料などたかが知れているから、資金の源泉は「汚職・不正」である。つまり、役人となった科挙合格者自らのためもあるのだが、基本的には「自分に出資してくれた」一族郎党に「借りを返すために」不正・汚職でせっせと稼ぐのだ。

韓国の大統領も、同じように「自分を大統領にしてくれた部族(一族)」のために働かなければならないし、彼らが権力を悪用して不正を働くのを止めるのも容易では無い。彼らにしたら「お前を大統領にしてやった当然の見返り」だからである。

そして、新しい大統領が誕生すれば、新しい「部族(一族)」が利権をあさるから、その利権あさりの邪魔となる前の大統領一族を根絶やしにするために、色々な理由をつけて投獄したりするのである。

共産主義中国で行われている「汚職追放キャンペーン」も、同じように既存の権力を握る部族を追放し、新しい部族が利権をあさるために行われているのだ。