最高裁判所=東京都千代田区

 複数の客から預かった日本刀を返却しなかったとする業務上横領と強制執行行為妨害、銃刀法違反(所持)の罪に問われ、有罪判決を不服として上告していた福井県福井市、刀剣類販売・修理会社「勝山剣光堂」代表取締役の男(50)について、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は8月31日までに上告を棄却する決定をした。男を懲役3年、法人としての同社を罰金20万円とした一、二審判決が確定する。

 決定は8月29日付。判決によると、男は2011年から14年にかけ、修理や鞘の製作のため3人の客から預かった計200万円相当の刀身などを横領した。15年9月の福井地裁による回収の強制執行に偽って模造刀などを交付し妨害。16年5月には、金属製弾丸を発射できる鉄砲1丁や軍刀9本、模造拳銃8丁を不法に所持した。

 2018年9月の一審福井地裁判決は「司法手続きを軽視する態度は厳しい非難に値する」と指摘。懲役3年(求刑懲役5年)と模造拳銃2丁の没収を言い渡し、銃刀法違反罪に問われた同社に対しても求刑通り罰金20万円とした。

 19年3月の二審名古屋高裁金沢支部判決も「被害者らに理不尽な対応をした上、司法手続きを軽視するなど態様は執拗かつ悪質。反省態度もみられない」と福井地裁判決を支持した。

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