あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」展示中止にまつわる出来事のまとめ
河村たかし名古屋市長の発言が発端となり、安全上の理由から展示が中止となった「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」。この問題をめぐる主要な発言や動きを、時系列でまとめる(随時更新予定)。
愛知芸術文化センター
日本国憲法
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。(*1)
7月31日
朝日新聞、《平和の少女像》が「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」に出品されることを報道。
報道内覧会開催。
8月1日
《平和の少女像》の展示について、松井一郎大阪市長が「にわかに信じがたい!河村市長に確かめてみよう。」とツイート。
※「表現の不自由展・その後」に関する問い合わせ件数=705(電話200、メール500、FAX5)
8月2日
河村たかし名古屋市長が「表現の不自由展・その後」を視察。大村知事に対し、《平和の少女像》の展示中止と撤去を要請。「どう考えても日本人の、国民の心を踏みにじるもの」と発言。
菅官房長官、記者会見で「『あいちトリエンナーレ』は文化庁の補助事業として採択されている。審査の時点では、具体的な展示内容の記載はなかったことから、補助金の交付決定では事実関係を確認、精査したうえで適切に対応していきたい」と発言。
芸術監督・津田大介、記者会見で「行政が展覧会の内容について隅から隅まで口を出し、行政が認められない表現は展示できないということが仕組み化されるのであれば、それは憲法21条で禁止された『検閲』に当たる」と主張。いっぽうで展示変更の可能性についても言及。
※「表現の不自由展・その後」に関する問い合わせ件数=1106(電話200、メール890、FAX16)
8月3日
大村知事および津田が記者会見で、「表現の不自由展・その後」展示中止を発表。
「『表現の不自由展』及び《平和の碑》展示中止反対ご署名の呼びかけ」がスタート。
一般社団法人日本ペンクラブが声明文を発表。「いま行政がやるべきは、作品を通じて創作者と鑑賞者が意思を疎通する機会を確保し、公共の場として育てていくことである」と主張。
「表現の不自由展・その後」実行委員会が展示中止に抗議する声明文を発表。
ハッシュタグ「#あいちトリエンナーレを支持します」がTwitterに登場。
※「表現の不自由展・その後」に関する問い合わせ件数=1075(電話200、メール840、FAX35)
8月4日
「表現の不自由展・その後」展示中止後、初の開場。栄では展示中止に対する抗議デモが開催。
※「表現の不自由展・その後」に関する問い合わせ件数=427(電話200、メール220、FAX7)
8月5日
河村市長、記者会見で「最低限の制限は必要」と発言。
菅義偉官房長官、記者会見で「一般論として、暴力や脅迫はあってはならない」と発言。
松井一郎大阪市長、記者会見で「税金投入してやるべき展示会ではなかった。表現の自由とはいえ、たんなる誹謗中傷的な作品展示はふさわしくない。慰安婦はデマ」と発言。
あいちトリエンナーレ2019出展作家であるイム・ミヌクとパク・チャンキョンが自身の作品の展示中止を申し出る。
津田大介、ラジオ「JAM THE WORLD」に出演。「検閲というよりは、文化・芸術に対するテロの問題です」と発言。
「女性・戦争・人権」学会が「あいちトリエンナーレ企画展「表現の不自由展・その後」展示中止に対する抗議声明」を発表。
日本漫画家協会が「表現の不自由展・その後」の中止をめぐり声明文を発表。
8月6日
参加作家72組がステートメントを発表。「芸術祭の回復と継続、自由闊達な議論の場」求める。
参加作家のイム・ミヌクとパク・チャンキョン、作品の取り下げを正式発表。
「表現の不自由展・その後」の実行委員会、大村秀章愛知県知事宛ての公開質問状を提出。
8月7日
企画アドバイザー・東浩紀が「表現の不自由展・その後」についてTwitter上で発言。
美術評論家連盟が「『あいちトリエンナーレ2019』における『表現の不自由展・その後』の中止に対する意見表明」を発表。
8月9日
大村知事、芸術祭を検証する委員会の設置を発表。
8月10日
あいちトリエンナーレ実行委員会、「表現の不自由展・その後」の公開質問状に回答。
8月13日
「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」、8月16日に初会合開催決定。
8月14日
CIR(調査報道センター)の展示が10日付で中止となっていたことが発覚。
8月15日
8月16日
津田大介が「表現の不自由展・その後」について「お詫びと報告」を公開。
「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」第1回会合が開催。
8月19日
8月20日
モニカ・メイヤーら海外作家が展示室の閉鎖、展示内容の変更を実施。
大村知事、20日付で参加作家に書簡を送付。「あいち宣言」など提案。
8月22日
あいちトリエンナーレ参加作家・毒山凡太朗がアーティスト・ラン・スペース「多賀宮 TAGA-GU」を名古屋にオープン。
加藤翼、毒山凡太朗がアーティスト・ラン・スペース「サナトリウム」を開設することを発表。
緊急シンポジウム「『表現の不自由展・その後』中止事件を考える」が文京区民センターで開催。安世鴻、大浦信行らが登壇。
8月23日
8月24日
*1──総務省ウェブサイトより