@chablis777
シャブリ

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(坂場 なつ)♪「ハッピー バースデー トゥ ユー」
♪「ハッピー バースデー トゥ ユー」
♪「ハッピー バースデー ディア 優」
♪「ハッピー バースデー トゥ ユー」
おっ おっ… お~!
おめでとう!おめでとう 優!
昭和48年6月1日優は 5歳になりました。
(優)ありがとう!(笑い声)
何だろうね?何だろう?
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
はい。
あっ… ねえ ママ お馬さんがいた。
えっ? どこ?
ほら あそこ!うん?
ああ 雲か…。 どれ?
ほら あれ! あそこ!
うん?
ああ 本当だ!お馬さんが走ってるように見えるね。
乗りたいね。
乗りたい? 優 本当に乗りたいの?
乗りたいよ。 優ちゃん 乗りたい!
乗せてあげようか?本当に?
本当。 優ちゃん 本物のお馬さんに会ったこと覚えてないの?
じいちゃんと ばあちゃんちで。
牛さんがいたとこ?そう 牛さんがいたとこ。
あ… まだ 2歳の時に一度 会ったきりだからあんまり覚えてないか。お馬さんも見たんだよ そこで。
本物のお馬さん 見たい!
じゃあ また連れてってあげる。
今度は ママがお馬さんに乗せてあげるよ。
やった! いつ?
う~ん… そう来るよね。
いつ? いつ? いつ? いつ?う~ん じゃあ…今度の夏休みに。
ママの夏休みって いつ?
そう来るか…。
う~ん… あっ ママの誕生日辺りに。8月15日。
ママ その辺り 必ず休み取るから。約束する。
ありがとう ママ!
優… ありがとうなんて言わなくていいんだよ。
優 お知らせの紙 先生に忘れないでね。
うん 分かった。
行ってらっしゃい。行ってきます。
なつは 作画監督として忙しい日々を過ごしていました。
番長に取りついた魔物は番長の純情な心に影響されて番長が思いを寄せる この女学生を好きになってしまうんです。
それで 人間を殺せなくなって魔王を裏切ることになります。
(堀内)原作よりも魔人の目に人間味があって いいと思う。
ですよね? 宮田さん。(宮田)いい!
かっこいいです!ね! ハハハ…。
お願いします。
う~ん これじゃ 迫力が出ない。線を太くしてみて。
あと もっと荒々しくていいから。やり直して。
(中島)分かりました。よろしく。はい。
引き受けた以上はヒットさせようと必死でした。
優を迎えに行けない日もまた増えていったのです。
そんな時 今は 茜さんに代わってこの人が 優を預かってくれています。
(咲太郎)はい ここ ここ。 はい。
はい 優 連れてきたよ。
優は 咲太郎の声優事務所でママの帰りを待つのです。
(光子)優ちゃん いらっしゃい。
は~い。
(光子)おなかすいたでしょ?これ食べててね。
あり… あっ 光子さんママがね ありがとうは言っちゃダメって言うの。
えっ? 言わなきゃダメよ!
ありがとうは 言わなくちゃいけません。
感謝の気持ちを持つことは人間の基本です。
はい。 ありがとうございます。頂きます。
はい 召し上がれ。
なっちゃんは 何を考えてるのかしら…。
礼儀を教える気がないのかしらね。
これは 俺か…?
優は 今でもみんなの愛情を受けて育っていました。
まるで 昔の自分のようだとなつは 時々思うのです。
そして ある日曜日のこと。
(ブザー)あっ 来たかな。
夕見おばさん?そう。
は~い。
夕見 いらっしゃい!(夕見子)久しぶり。
夕見おばさん いらっしゃい。優! おっきくなったな!
元気だったかい?
元気です!うん。 よし。
雪見君は元気?元気 元気。
元気じゃないと小畑家じゃ やってけないしょ。
そうだね ハハハ…。
どうぞ。ありがとう。
優 いいものあげる。
ありがとう。はい。
雪月のお菓子だね!そうだよ。
ん? イッキュウさんは?パパは お仕事です。
あ… 日曜日もかい?
うん。 でも 今日は夕見が来るから早く帰ってくるって。
ふ~ん 大変だね。 ありがとう。
で 夕見は? なして東京来たのさ?
これ。
バター?違う。 こっち。
あ~! たんぽぽ牛乳! 出来たの?
そう。 これを 東京で売るために来たのさ。
わ~ すごい! ねえ 飲んでいい?
うん。
はい どうぞ。頂きます。
うん おいしい! 十勝の牛乳だわ!
やっと 十勝から東京まで冷蔵庫で運べるようになったのさ。
ふ~ん。優ちゃんも飲みたい!
うん したら ママの飲んでみな。うん。気を付けて。
ねえ どう?
おいしい!ねえ。
やっぱり なつの子だね。
夕見は飲めないの? 今でも。
牛乳を使った料理ならいいけどいまだに 牛乳は飲めん。
誰の子さ あんたは。雪見は好きで飲んでんだけどね。
あんただけ やっぱり変わってんだね。
うるさい…。
これを 東京で流通させれば私の役目は終わりだわ。
終わり?うん。
農協の仕事はもう これで辞めようと思って。えっ…。
雪月も 案外忙しくなってんの。
ほら ディスカバージャパンとかって旅行ブームになってから雪月の土産も 飛ぶように売れてんのさ。へえ~。
けど 営業力がないからね。
これからは 私の力でもっと大きくしてやろうと思って。
いいね。
ん? 何 馬?
あっ なつ。ん?
天陽君のことは知ってる?
天陽君が どうかしたの?
何か 忙しすぎて風邪こじらせて入院してるみたいよ。
入院!?
♪~
(雪次郎)よっ!(天陽)おお 雪次郎。 雪見君も…。
こんにちは。こんにちは。 いらっしゃい。
うん。 元気そうだな。
うん もう すっかり いいんだわ。
もうすぐ退院できるだろうって。したから そう毎日来なくてもいいさ。
疲れがたまってる時は…。よっ!
雪月の菓子が一番なんだって。
悪いな。
あれ?昨日持ってきたの もう食べたのか?
あ… ごめん うちのが持って帰ったわ。あっ。
おかげで 子どもたちが大喜びだ。
まあ それなら それでいい。俺も大喜びだ。
ほら 見てみ。
ここでも 毎日 絵描いてんのか?休みに来たんだべや。
急いで描かなくちゃなんないんだわ。
信用金庫の来年のカレンダーの絵を頼まれてんだ。
去年 馬が死んで畑に トラクター頼まなくちゃなんないべ。
その金がないと払えんのさ。
絵で食えるんだから 大したもんだ。
もう立派なプロだわ。
プロではないよ。
けど まあ これも収穫と同じだべ。
おじさん 上手だね!
ありがとう。
バカ! 上手って 雪見天下の山田天陽さんに失礼だべ。
父ちゃんよりも上手!(笑い声)
比べたら失礼だべや。
うん? どれどれ どれどれ… うん?
そう変わらんべ。 ハハ…。
また馬描くのか。
うん…。
雪次郎 おかしなもんだな…。
好きな絵を描くために農業をしてたつもりが絵を売らんと 今は農業が ままならんようになってしまった。
まあ 冷害が続いた年もあったからな。
お前は 離農しないだけ偉いわ。
絵を描いて 家族を守ってんだべ 今は。
俺は 俺でいたいだけだ。
どんなことがあっても。 な。
かっこいいな 天陽おじちゃんな。かっこいい!
(笑い声)
おっきいけどいい?頂きます。
う~ん… おいしいわ!
(坂場)奮発したんでいっぱい食べて下さい。
私なんかに奮発しなくてもいいのに。いえ…。
頂きます。
それで 天陽君は大丈夫なんですか?
うん。 何か 疲れ過ぎて風邪こじらせただけだって言うから。帯広の画廊とも契約してて絵が どんどん売れるようになってんのさ。
畑仕事も しながらだからね。
そう。 それも やめないの。その分 奥さんが大変みたい。
そう…。
北海道の展覧会でも賞を たくさん取ってるからな。
こっちの画壇でも天陽君を知らない人は もういないだろう。
テンヨウ君?
天陽君は ママとパパの北海道にいる大事なお友達。
じゃあ 優ちゃんとも お友達だね。うん。 そうなれるよ。
優ちゃんも会いたい。
会いたいね…。
うん… 天陽君に会いたいな。
♪~
あ… 夏休みになったらきっと会えるよ。
楽しみだね。楽しみだね。
ああ なつよどうか 夏が まだ終わらないうちに…。
来週に続けよ。


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