体操の全日本シニア選手権は30日、福井県営体育館で行われ、男子の個人総合では両肩を痛めていた内村航平(30)=リンガーハット=が予選落ちに終わった4月の全日本個人総合以来の実戦に復帰し、6種目合計83・900点で5位だった。女子では東京五輪での現役引退を示唆している村上茉愛(23)=日体ク=が56・665点で初優勝した。
4カ月ぶりに6種目を演じきり、万雷の拍手も浴びた。だが五輪、世界選手権の個人総合を8度制したキングにはなんの慰めにもならない。内村は「何とも言えない。6種目中2種目でミスしている。話にならない」と終始硬い表情で振り返った。2種目目のあん馬で落下し、「いい形で練習を進めていたのに落ちるんだという不思議な感覚」。演技と演技の合間には2週間前に発症したぎっくり腰を何度も気にするしぐさを見せたが「言い訳にしかならない」と敗因にはしなかった。
今季の試合は全て終了し、次は来年4月の全日本個人総合になる予定。東京五輪代表争いへ「また一からやり直しかな」と内村。厳しい戦いが続く。(川村庸介)