DAWミックスのド・基本
現在休止中のメルマガで
深界式ミックスダウンテクニックというPDFを公開していた時期がありました。
これは以前にマスタリングを担当させてもらった
アムの藤宮さんへミックスのアドバイスとして送ったメール加筆、修正したもので
改めて見返してみると内容的に自分と藤宮さんだけの間で完結するのはもったいないと思い
藤宮さんの許可も得て、メルマガ会員の方限定で無料配布していました。
が、あれから何年か年月も経ちましたし、
メルマガも現在休止中で廃刊にしようか悩んでいる状態ですので
この際このコラムのページで
深界式改めDAWミックスのド・基本ということで
さらに加筆修正して無料で公開することにしました。
以前公開していた無料のPDFの内容をもとにしてるとはいえ
レッスンでも実際に教えている情報も多く含むので
手前味噌で非常に恐縮ですがかなり有益な情報だと思います。
ただキャッチーで奇抜なテクニックよりも
音作りのド基本ばかり書いてありますので
正直今更…っていう箇所もあるかと思いますし
ここには書いてない応用編的なテクニックも当然多数あります。
でもそのド・基本がわかってない人が世の中あまりにも多すぎるし
ド・基本であるがゆえに雑誌や教本などでもあまり取り上げられないようにも思います。
もちろん過去の自分もそうでした。
でも今回書いてある内容が当時知っていたらどれほど楽だっただろうと本気で思います。
なのである意味ここに書いてあるのは
これまでの私の血と涙と汗の結晶と言ってもいいかもしれません(笑)。
それと今回のコラムのサポートなどは一切受け付けることはできません。
またこのコラムの情報を実践して損害が生じたとしても一切の責任を負いませんので
使えると思った部分は自由に取り入れてもらえればいいし、
そうでない部分はスルーするというスタンスで読んでもらえるとちょうどいいのかなと思います。
自分としてはサンレコなどに載せても恥ずかしくないくらいのものを書いたつもりですので
たった一つでも参考になるものがあれば幸いです。
それでは長ったらしい前置きはこのくらいにして本編にいきましょう!
まずミックスで絶対に守ってもらいたいのは
マスターの音量は平均-6dB前後でまとめる
という事です。
人によって見解は違うかと思いますが
ミックスの段階でマスターのヴォリュームをいじったり、
コンプやEQをインサートしたら負けだと思っています。
なぜかというと基準がわからなくなるからです。
ちょっと抜けが悪い→マスターEQで調整→
ミックスで特定のトラックが耳に痛いから高域をいじる→
またマスターEQで調整→また抜けが悪くなるか耳に痛くなる→以下、無限ループ
みたいな事が起きてしまうからです。
これはプロだろうがアマだろうが陥る人が非常に多い典型的な罠です。
ですのでマスターのヴォリュームはフェードアウトするとき以外は0固定で
マキシマイザーなどをインサートするのはデモを人に聴かせるときだけにしてください。
要はミックスの行程とマスタリングの行程は
完全にわけましょうって事ですね。
コツとしては楽曲全体の音量の平均が
マスターフェーダーが0の位置に
メーターが行ったり来たりするくらいを目安にするといいと思います。
クリップさえしなければメーターが-6を少し超えてもOKです。
そもそも音圧なんて再生してる機器のヴォリュームさえ上げれば嫌でも出ます。
音圧アップ系のエフェクトは結局その手作業でヴォリュームを上げる手間を省いているだけです。
ですが人間は音量の大きいものを良い音と勘違いする性質があります。
TVやラジオで音量が大きい曲と小さい曲を順番に流すと大きい曲の方が良い音に聴こえてしまう。
だからある時期から音圧競争みたいのが盛んになったわけですね。
ただ音圧を上げすぎると同時に音楽のダイナミクスや繊細さも失われます。
安物のスピーカーやイアホンでそれほど気にならなくても
大音量にしたり、質の良い再生装置で聴くと一気に聴くのが苦痛になります。
ちなみに個人的には某3人組アイドルの音が超苦痛です(笑)。
もちろんバンド系の音楽で音圧が全くないのも
現実的に厳しいのでそれはマスタリングで考える。
ミックスの段階ではレベルにある程度余裕がある中での音楽的な完成度を優先してください。
ただそうはいっても普通にやっていたらどんどんレベルがあがってクリップしがちですよね。
特にソフト音源もいきなり高い音量レベルに設定されてる事が多いので
それに合わせてしまうとすぐにクリップしてしまいます。
ですのでまずは何のエフェクトもない状態でヴォリュームとパンだけで
ベストなバランスになるように調整してみてください。
クリップを恐れて音量が小さくなりすぎるのもダメなので
トライ&エラーを繰り返してベストなポイントを見つけてください。
ソフト音源の音量が大きすぎたらフェーダーではなく音源の方でヴォリュームを下げてください。
ソフト音源の中にはワントラックでマスターに赤がついてしまうくらい
大きな音量で設定してあるものも多くあります。
その音量のままミキサーを通過してミキサー内でフェーダーを下げても
デジタル領域でクリップしたままフェーダーが下がります。
上の画像はPADのトラックにSonnoxのEQをインサートしているのですが
CUBASE側ではかなりレベルは小さいのに
プラグイン内でクリップしているのはわかりますか?
(ちなみにEQのパラメーターは一切は触っていません)
おそらく1トラック聴く分には正直聴感上ではわからないかと思いますが
トラックをたくさん重ねた時に音が飽和したり、抜けてこない原因になります。
途中コンプやEQを入れたり、空間を入れたりする誘惑にかられるかもしれませんが
それらを全部振り切ってまずはヴォリュームとパンだけに集中してください。
ここでうっかりプラグインを入れてしまうと無限ループへの序曲が始まります(笑)。
もし既にある程度バランスが出来ていてそのバランスを崩したくないなら
チャンネルリンクで全部のヴォリュームを同時に下げてください。
CUBASEならミキサーの同時に動かしたいチャンネルを選択して右クリックすれば
チャンネルリンクという項目があるのでそれを選択すればOKです。
CUBASE以外のソフトでも絶対に出来るはずですのでマニュアル見て探してみてください。
もちろんマスターは0固定で。
自分がマスターのフェーダーを触るのはフェードアウトするときくらいです。
クリップで赤がついちゃったらまたチャンネルリンクで下げる。
それを繰り返していくうちにだんだんとクリップしないベストなバランスに落ち着くはずです。
最初はちょっともどかしいかもしれませんが
後にある修正作業を考えると全然楽なのでトライしてみてください。
これらの作業がミックスをする上での前提条件になります。
ここまでくれば後は楽です。
ぶっちゃけ後はアイデアとセンス次第って感じなのですが(笑)
一応ポイントと思う部分をいくつかピックアップしてみました。
・他のアーティストをリファレンスにする場合
ミックスするとき近いサウンドの曲をミックスのリファレンスにすることがあるかと思います。
もちろん全然良い事なのですがひとつ注意点があります。
それは市販のCDは既にマスタリングされているという事です。
なので同じ音量で聴き比べるとどうしてもリファレンスの方が良い音に聴こえてしまいます。
ここでうっかりマキシマイザーをマスターにインサートして同じ音量感にしがちですが、
それだとさっきも書いた通り基準がわからなくなります。
ですのでミックスと同じくらいの音量感、音圧感にするために
リファレンスの音源もミックス曲のDAW上に取り込む。
iTunesとかだと再生のアルゴリズムが違いますから
ここはあえて同じ土俵で聴くことにします。
そしてリファレンスの音源のチャンネルをだいたい-5から-6dBくらいまで下げてみてください。
そのことでミックスの音源とリファレンスの音量感の差が縮まります。
リファレンスのトラックはミックスとは別のマスターに送って通常はミュート状態にして
確認するときはソロボタンで切り替えながらやると作業しやすいです。
視覚的に周波数のアナライズができるプラグインも併用するのもいいと思います。
・極力コンピューターへの負担は減らす
これだけCPUが高速になった現代。
プラグインやソフトシンセを鬼のように使ってもOKな時代になりました。
ですがコンピューターへの負担は小さければ小さいほど音質的には有利です。
逆に負担をかければかけるほど音が飽和して解像度が下がります。
これはデジタルの宿命みたいなもんですね。
ですのでもういじらないというトラックはさっさとバウンスするか
フリーズした方が判断を先延ばしにしないためにも良いと思います。
・リズムはバスで組んで-6dB以下にする
さっきマスターは-6dBと書きましたがだいたいリズムパートが-6dB以下に落ち着いていれば
マスターでクリップする事はほとんどないはずです。
なぜかというとレベルを多めにとるのはベースやキックなどの低音成分だからです。
なのでリズムパートはプラグインをかけた料理済みの状態でも
-6dB以下に落ち着かせるようにしてみてください。
・グループ(バス)でまとめる
リズムに限らずグループごとにパートをバスでまとめると便利です。
ライブ用のオケ作る時も楽ですしね。
グループでまとめてプラグインで処理すればCPUへの負担も減るし何より楽です(笑)。
1トラックの処理に10分かけてたら100トラックだと1000分かかる計算です。
それと突発的なピークを押さえるのにバスのトラックの
最終段にリミッターをうっすら入れるのもよくやります。
その事で圧倒的にマスターで歪みにくくなりますのでおすすめです。
・プラグインはちょっとずつ重ね技がおすすめ
プラグインは非常に便利ですがあるラインを超えると急に音が飽和するポイントがあります。
アナログだとそれはないのにデジタルだとなぜか起こる問題です。
もちろんプラグインによって違いますが
基本的に一つのプラグインだけで処理しようとせずに
複数のプラグインを重ねて処理するとサウンドが自然になります。
例えばEQである周波数を4dB上げるとき二つのEQで2dBずつ上げるなどですね。
これはもちろんコンプなどにも言える事です。
もしプラグインかけてみてしっくりこないな~と思ったら試してみてください。
・コンプに騙されない
コンプには魔物が潜んでいます。
そもそもコンプとはレベルの大きいところと小さいところの差をなくすエフェクトです。
ですのでそれだけだと物足りないのですがゲインを上げることによって
相対的に大きく聴こえるようになる仕組みです。
(プラスそのコンプならではのキャラクターも付加するのもポイントです)
ですがここに罠があってコンプをかけて元のソースよりも音量を大きくした場合
なんか迫力が出て良い音!と錯覚してしまうケースが多々あります。
さらに面倒なことにプラグインによっては
オートゲインの機能で元のソースよりもより大きい音に盛ってしまっている不届きな製品もあります。
なのでコンプをかける前を後の音量のレベルを同じにして
(オートゲインも基本オフにして)聴き比べてみてください。
そこで前よりも前進していたら正解、
何も変わらない、むしろ劣化してると感じたらそれは不正解という事です。
何度も書きますが音量には騙されるなって事です。
・EQは基本は引き算
例えば抜けの悪い音があったとして通常は高域をEQで上げるかと思いますが
その前に抜けを悪くしてると思われる無駄な周波数をカットしてみてください。
意外とその方が自然なサウンドに仕上がります。
むしろ「アゲアゲ」でいくとどんどんサウンドが不自然に
いかにもEQかけました!という感じになります。
もちろん狙ってやるのは全然アリですが自然に仕上げたい時は引き算で考えてみてください。
引き算の発想はミックスに限らず音楽を作る上での基本だと思っています。
・無駄な低音はカット
例えばkornみたいなヘヴィロック系のギターって
意外と80Hz以下の低音はバッサリとローカットされています。
最近流行りのジェント系も8弦ギターを使っていたり
重い音楽のわりには無駄な低音はカットされています。
低音を司るのは主にキックとベースですから
明らかに低音要らないでしょというパートはバッサリとローカット入れるのをおすすめします。
それによってよりサウンドがソリッドになります。
・低音が膨らんだら200Hz近辺を疑う
ただローカットしていても不思議と低音が溜まる現象が起きます。
あくまで個人的な見解なんですが
そういうときは200Hz近辺(±50Hzくらい)に音が集中してることが多いと思います。
ここにはベースやギターなど色んな楽器の厚みとなる部分がたくさん重なりますからね。
ですのでここらの周波数~中域をどうさばくかがミックスで問われる部分の一つかなと思います。
個人的にキックはこの辺りの周波数は結構カットします。
その分その周波数は他のパートに明け渡しましょうって事ですね。
ちなみに下のは国内の有名マスタリングスタジオである
サイデラマスタリングのブログから引用させてもらった周波数ごとの傾向です。
参考にしてみてください。
超低域(~32Hz)→低域のエアー感、部屋鳴り
低域(32~125Hz)→質感、太さ(キック、ベースの太さ)
中低域(125Hz~250Hz)→厚み(ギター、スネア、ヴォーカル、ピアノの厚み)
中域(250Hz~1kHz)→ヴォリューム感(スネア、ギター、タム、ボーカルの質感)
中高域(1kHz~4kHz)→アタック感、音の芯(ピアノ、ギター、スネアのアタック、歌の芯やサ行)
高域(4kHz~16kHz)→輝き、艶、透明感(ヴォーカルの艶、ハット、シンバルの輝き)
超高域(16kHz~)→高域のエアー感(楽器、声の倍音、空気感)
引用元
http://saideramastering.blogspot.jp/2010/10/eq.html
・任意のパートを前へ出す方法
ヴォリュームのバランスは悪くない。
だけど音をもっと前に出したいんだって時があると思います。
そういう時は任意のトラックにマキシマイザー系のリミッター入れるといいと思います。
みんなそれ系のプラグインはマスターかバスに入れるもんだと思っているみたいですが
意外と単体でもいい感じになるんですよ。
音量レベルを変えずに歌により存在感を出したり、
洋楽でもよく聴く前に張り付いた感じのギターサウンドとか再現するにはいいですね。
あと個人的にはドラムのタムなんかにもよく使います。
フィルをハッキリ聞かしたい時にはおすすめです。
ただやりすぎると耳に痛いサウンドになりますのでほどほどに!
・リバーブとディレイの使い分け
リバーブとディレイの使い分けですがリバーブの方が音がぼやけます。
ディレイは元の音の印象をあまり変えず響きの成分を足してる感じがしますね。
特に日本人は不思議とリバーブに関して拒否感を感じる人が経験上多いです。
なのでリバーブ感たっぷり!という狙いがなければ
ディレイで処理した方が下品な言い方ですがプロっぽくなります。
微妙な音源でよくありますよね、風呂場で歌ったみたいなヴォーカルのリバーブ(笑)。
それとリバーブの後にEQをインサートして
(もちろんリバーブ内のEQも可です)ローカットするとスッキリ、
さらにハイを上げるときらびやかな響きになるのでおすすめです。
もちろん空間→EQの組み合わせはディレイにも有効ですが
ローもハイもブーストではなくカットされる傾向にあります。
私の経験則からもその方が音楽的に良い結果になることが多いように思います。
・録る時のレベルを気持ち控えめに
ミックスではなくレコーディングの話ですが
参考にもなるかもしれないので一応書いておきます。
録る時にギリギリまでレベルを突っ込む人が多いのですが
デジタルのレコーディングではある程度余裕を残しておいた方がオケにキレイに混ざります。
クリップするレベルを100%とすると
一番大きい部分がだいたい60~70%くらいに収まるくらいがベストだと思います。
個人的にレコーディング時に一番理想的なレベルは
DAWのフェーダーが0の地点でもオケとおおまかなバランスがとれていることです。
例えばシンセの流し込みするときも同じでPADの音とかもギリギリまで突っ込むと
ミックスでヴォリュームを下げたとしても存在感がありすぎて
オケに馴染まないという事になります。
ですのでソースに合わせて録音レベルも調整してみましょう。
・フェードは必ず書く
これはド・基本ですが波形を切るときは必ずフェードを書くようにしてください。
ただ切っただけですと「プチ」という音が出てしまいます。
もちろんエレクトロニカなど「プチ」という音をあえて活かしているジャンルもありますが、
普通は嫌がれる音です。
CUBASEだとリージョンの端っこをちょいといじると簡単にフェードアウトできますし
オートフェードイン、フェードアウト、クロスフェードも設定できるので便利です。
ただ場合によってはサウンドが不自然になることもあるので
耳で判断して使い分けてください。
・歪ませすぎない
音を歪ませすぎると低音や芯がなくなりアタックもなくなります。
個人的には迫力があると思う音源は意外にパート単体で聴いてみると
案外歪んでなかったりするんですよね。
むしろしょぼかったりすることも少なくない。
だけど他のパートと組み合わせることで最高の歪み具合になることの方が多いです。
ですので単体の音だけで完璧を目指すのではなく、
あくまでアンサンブル全体で音を判断するようにしてください。
例えばギターを録るときもベストな歪み具合をみつけるために
本番前に何パターンか試しに録ってみるのをおすすめします。
といってもあまり神経質にならない範囲で大丈夫です。
シンプルな事ですがこれらの事をちょっと心がけるだけでかなり良い音で録れます。
・あえて音を喧嘩させてみる
EQは引き算が大事、歪ませすぎないと書きましたが時には喧嘩させるのもいいと思います。
特にロック系のジャンルはあえて周波数的には被らせて
音の分離よりも一体感を優先した方が良い場合も多々あります。
その場合一つ一つの楽器の音が団子になってしまうリスクもありますが
多少ラフになったりバランスが悪くなっても楽曲にさえフィットしていればOKです。
音を喧嘩させる方法として個人的によくやるのは
同じバスに送ってコンプやアナログ系のプラグインで歪ませる、
または潰すのもおすすめですし、
違った歪み系のエフェクトを使い分けて組み合わせてみるのもよくやります。
一つ一つの音をハッキリ聴かせたり、
歌詞を一字一句聴かせようとすることに一生懸命になるよりも
むしろ音をケンカさせて一つの固まりにする。
個人的にロック系のような音作りに関しては
守りに入らない良い意味で遠慮しないマインドが必要だと思います。
特に洋楽のエンジニア(特にアメリカ)はこのあたりの感覚が素晴らしい方が多いですね。
矛盾していることを言っているようですが
音楽を作るということは水と油のような関係性のものを飼いならす感性と技術が必要になります。
・音作りの半分は機材で決まる
残酷なことを言うようですが打ち込みにしろミックスにしろ音作りの完成度を決めるのは
半分はクリエイターのセンスでも技術でも才能でも努力でもなく機材だと思ってください。
(もちろんもう半分はクリエイターの本人の資質でもあるのですが)
よくDAWが新しいヴァージョンになると
新プラグインや新シンセが付属!
みたいなコピーが必ずってくらいありますがそれに騙されてはいけません。
DAW付属の音源やプラグインに関しては個人的に初心者以外にはあまりおすすめしていません。
なぜならだいたいが中途半端な出来だから。
参考までに私が使ってるCUBASEだと
ビットクラッシャーかリングモジュレーターくらいしか使ってませんし、
その他は自分のなかで使える音だと判断してません。
これは別にCUBASEの付属プラグインの出来が特別悪いわけではなくて
仮に他社のDAWでもおそらく同じような結果だと思います。
付属の音源のクオリティなんて所詮はそんなものです。
もちろん私がDAWを使い始めた頃に比べたら全体的に全然マシになったのは認めますし
音楽は機材じゃないとは思っていますが
音作りのクオリティに関しては
基本的に機材が半分くらい生殺与奪を握っていると言っても決しておおげさではありません。
これは料理と似ていると思うのですが
料理人の腕だけではなく素材そのものが味を左右するように
DAW付属のものだけで市販の音源と音質的に同等にするには正直無理があるのです。
たまに付属やフリーのプラグインとシンセだけでここまで作りました的に自慢する人や
プロと同等のクオリティを目指す人がいますが
音楽的な見地とリスナーの立場からすると全くの無意味です。
ですのでDAWのソフトは自分が使いやすいものを選んで、
プラグイン関係はすぐでなくてもいいのでサードバーティの高品質なものを買うのをおすすめします。
さらに可能ならオーディオインターフェースやモニターをより高価なものに、
プリアンプなどのアウトボードも入手して電源関係も凝ってみてもいいと思います。
才能はお金では買えませんが、機材はお金さえあれば誰にでも買えます。
そう考えたら機材への投資なんて安いものだと私は思っています。
特にプロになりたい人はここはケチったらダメです。
・マスタリング任せにしない
マスタリングで何とかしよう的な発想は完全に捨ててください。
なんかみんなマスタリングを異常なくらい信奉しすぎな気がするんですよね。
よくあるほったらかしで月収50万と同じレベルです(笑)。
マスタリングは料理でいえば盛りつけのような作業です。
美味しい料理なら盛りつけでより美味しく演出できますが
マズい料理は何をやってもマズいままです。
多少はマシにはなっても限度があります。
なので音量感以外はミックスで全て出し切るくらいのつもりで作業してみてください。
ちなみにバウンスでマスターを作る場合は実時間(オンライン)で書き出ししてください。
さらにバッファサイズを変えると音が変わりますので
時間の許す限り色々と試してみると面白いと思います。
いかがでしたか?
CUBASEユーザーなので基本的にCUBASEを基準に書いていますが
他のDAWでも全然応用可能なことばかりだと思います。
わからないキーワードもあったかもしれませんが
だいたいがググればすぐに答えが出るはずです。
もちろん他にも使えるテクニックはたくさんありますが
少なくともここに書いてあることをマスターしてからでも遅くはありませんので
これは使える!と思ったテクニックがあったら是非試してみてください!
あと無料配布したPDFにはプラグインのレビューなんかもやっていたのですが
当時にはなかったおすすめのプラグインも現在はありますので
これはまた後日改めて公開しようと思います。
※公開しました。
https://kohtaro.com/wp/lesson/column/plugin/
ちなみにレッスンでもクリエイターのためのミックス&マスタリングという講座があります。
さらにDAWでの音作りについて知りたい方はこちらへどうぞ。
https://kohtaro.com/wp/lesson/mixmaster/