「嘘を嘘と見抜けないと使うのは難しいですね」 byひろゆき
だからこそ、「情報ソース至上主義」という考え方が生まれました。流言蜚語が飛び交う場所だからこそ、証拠の提示が重要となります。近年この考え方がもっとも強かったのは、実は2chのハングル板でした。2chでのソース至上主義の発生地とされ、それはこの掲示板のモットーであり、代名詞でした。(ハングル板 - Wikipedia)
ところが日韓サッカーW杯と北朝鮮拉致事件により急激に人口が多くなったハングル板では、そのソースが文献や報道機関ではなく、何処そこの掲示板のスレッドでこう書かれていたと、掲示板に書かれていたことのみでソースとする人が増え、それを信じてしまう人が増えだし、それはニュース速報掲示板や外へ向かって広まっていく事が始まったのです。
そのハングル板の変質が始まった初期段階で、以下の二つのデマがまことしやかに唱えられていました。
・『韓国がF-16のブラックボックスを割り、コピーして輸出しようとした』
・『朝鮮戦争の勃発原因は、韓国軍が対馬侵攻の為に戦力を南部に集中した為』
私は当時、このデマの流布を食い止める為に現場で間違いを指摘し続けました。また消印所沢氏の軍板常見問題でも、このデマを否定するFAQがすぐに載せられています。
【質問】
2chニュース速報板で,「かつてF-15だったかのブラック・ボックスを勝手に複製して売り捌こうとしたとか言うので,えらくアメさんが御立腹だった話があった」と,まことしやかに語られております.
どうも該当記事等見当たりません.
これはガセネタなのでしょうか?
【回答】
「韓国がF-16をコピーして輸出しようとした」
というデマがありましたが,そのことではないでしょうか.
言っておきますが,この話は根も葉もない噂に過ぎません.
ブラック・ボックスと言っても,本当に黒い箱が入っててシールで封をしてあるようなものではなく,実際は機体のフライト・コントロールのソフトウェアの事です.
物理的なシステムで,開封と再密封の偽造を行われたらマズイ様なモンは輸出しませんし,ソフトウェアの類は解析だけでも無茶苦茶難しい上に,仮に解析して同じシステムをコピーできるなら,それはもう自力で同等の能力のソフトを開発できるような技術が無いと不可能な話なんで,こういう形のブラック・ボックスの輸出は行われております.
【珍説】
戦後,韓国政府が日本の対馬に侵攻するため,軍を南下させて侵攻の準備をした.
これにアメリカが激怒,朝鮮半島の防衛を拒否してアメリカ軍を朝鮮半島から撤退させた.
これが原因で,朝鮮戦争が勃発した.
【事実】
朝鮮戦争勃発時には,韓国軍には第1,2,3,5,6,7,8,そして首都師団がありました.
その内,38度線付近に配備された師団は第1,6,7,8,首都師団であり,予備が第2師団,南部に配置されたのは第3,第5師団のみです.
日本侵攻など行える戦力配置ではありません.
(軍事板)
また,児島襄「朝鮮戦争1」(文春文庫)によれば,
「韓国軍八個師団のうち,三八度線に配置されている五個師団には定数のM1小銃,カービン銃が支給されているが,後方の三個師団の主要銃は旧日本陸軍の九九式小銃である.
火器の一五%,車両の三五%が老朽化し,弾薬,燃料の備蓄は戦時必要量の一~二日分しかない」
という状況だったそうです.
これでは侵攻作戦など……
(極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS)
私は初動の段階でこのデマの流布を食い止める事に成功したと考え、安心していました。ところがその考えは全く甘かった事が、最近になって分かりました。
韓国ってたしかブラックボックス開けて
アメリカの逆鱗に触れたんじゃなかったでしたっけ?
二ヶ月前、某所でこのような発言を目にした時は、我が目を疑いました。しかもそれは見ず知らずの人ではなく、mixiでのマイミク関係の人だったのです。
デマは叩き潰せていなかったのです。根絶する事が、出来ていませんでした。
『2chソース』
ただそれだけでこのデマは、数年もの間、生き続いていた事になります。
こういった場合、どうすればこのデマを根絶できるのでしょうか。デマの流布を食い止めるには、デマを流している大元を叩き潰してしまう事が手っ取り早いのです。しかし発生源が書籍や個人サイトではなく、不特定多数が利用し、さまざまな利用目的のある掲示板では根本から叩く事が出来ずに、流されているデマへの逐次対処しか出来ませんでした。
やはり結局のところ、情報ソースが確認できないものは安易に信じ込んだりしない、という事を皆が認識し合っていかないと、いけないのでしょうね。
【追記】
【伝説】
北アフリカ戦での一こま。
ドイツ軍に隣の戦区のイタリア軍から
「水が不足して戦闘不能になりそうだ! 至急水の救援を!」
って要請が来た。
ドイツ軍が急いで水を運んで行ってやったら、イタリア軍は将兵総出でパスタを茹でる準備してて
「よかった、これでパスタが茹でられるよ」
と言って、ドイツ軍を唖然とさせたことがある。
【事実】
う~ん、まあ、話としては面白いのですが、それは都市伝説の一種で、イタリア兵も最前線では食事と言えば缶詰めレーションがほとんどでした。
イタリアはドイツ軍ほどフィールド・キッチンの配備が進んでいなかったので、暖かい食事は兵舎以外はなかった様で、当時の記録を見ても、砂漠の真ん中での食事は、レーションも配備されていましたが補給が滞り、わずかな牛肉缶詰めの配給とビスケットと水だけです。
イタリア軍パスタ伝説がデマだった事は、何だか(´・ω・`)ショボーン
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