「容姿が悪く、交際経験が一度もない」47歳女性に鴻上尚史が本音で応える
連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」
観客席に居続けるだけでは、決して、見えてこない野球の楽しさです。大リーグの観客席にいる人は、草野球を見てバカにするかもしれません。でも、そんなこと、関係ないのです。
野球にたったひとつの正解がないように、恋愛にもたったひとつの正解があるわけではないと思っています。
他人がなんと言おうと、当人たちが満足してれば、それは素敵な野球だし、恋愛なのです。
もちろん、どんな相手だろうと、恋愛のためには、サバ缶さん自身がおしゃれに気を配り、メイクや髪形をちゃんと意識することはとても大切です。健康的なスタイルの維持も欠かせません。
「会話、おしゃれ、思いやりなど、世の中で言われる一通りの努力」をしたとサバ缶さんは書きますが、女性としてはもちろん、人間的魅力を維持するためにも、努力し続ける必要があります。
その上で、恋愛相手の探し方をひと工夫するのです。
サバ缶さんと同じように淋しさを感じている男性、恋愛に奥手だと感じる男性、孤独に苦しんでいると見える男性に目を向けてみるのです。
レストランや居酒屋での出会いや見方も違ってくるでしょうし、ネットでのペア探しの基準や水準も変わるでしょう。
まず、いろんな人と出会える機会、趣味のサークルやお出かけを増やすことが、とても大切だと思います。
サバ缶さん。どうですか? これが僕のアドバイスです。淋しさにさまよう男性はたくさんいます。孤独に悲鳴を上げている男性もたくさんいます。恋愛に焦がれて、でも諦めている男性もたくさんいます。そのなかに、気の合う男性を見つけることができるんじゃないかと、僕は思っています。
そんな一人と、サバ缶さんが出会えることを心から祈ります。
【AERA dot.編集部からのお知らせ】
『鴻上尚史のほがらか人生相談』をご愛読くださり、ありがとうございます。たくさんの皆さまから本連載への反響の声、ご要望をいただき、このたび『鴻上尚史のほがらか人生相談』を書籍化いたします。発売は9月20日予定です。詳細についてはまた後日、AERA dot.記事内でお知らせします。★Amazonで予約受付中!
鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、また「週刊SPA!」の連載をまとめた18弾『ドン・キホーテ走る』(論創社)が7月11日発売。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中。本連載「鴻上尚史のほがらか人生相談」の書籍化(9月20日発売)決定!