将棋の最年少プロ・藤井聡太七段(17)は29日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された叡王戦段位別予選・七段戦Bブロック2回戦で村山慈明七段(35)に107手で敗れ、同ブロック準決勝進出を逃した。村山七段は節目の400勝を天才少年との初手合で飾った。
盤上は角換わり腰掛け銀から先手・村山七段に研究手順をぶつけられ、苦しい展開を強いられた。それは1時間の持ち時間を使い切った時点で、村山七段が36分も残していたことにも表れていた。そこから勝負手を繰り出すも及ばず、午後9時16分に投了となった。
「中盤4六桂と強く刺され、手が見えなくなった」と唇をかみしめた藤井七段。叡王戦は過去2年、本戦トーナメントまで進んだが、初の予選敗退となった。「実力をつけて来年頑張ります」と必死に前を向いた。
屋敷伸之九段(47)が持つ史上最年少タイトル獲得記録(18歳6カ月)更新へ向け、藤井七段に残されているチャンスはこれで5棋戦となった。2020年の王将戦、棋聖戦、王位戦、王座戦、竜王戦がそれだ。
藤井七段の次戦は、1日に組まれている王将戦2次予選3組決勝の谷川浩司九段(57)戦。中2日の強行軍となるが、初のリーグ入りを懸けて藤井七段自身「憧れの棋士」と公言するレジェンドとの初顔合わせに臨む。