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2019-08-30

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・足の小指の先をテーブルの角にぶつけただけで、
 ものすごく痛いです。
 しばらく身動きが取れなくなるほど痛いです。
 ふだん足の小指の先のことなんて、
 思いやったこともないでしょうし、人体にそんな場所が
 存在することさえ忘れていそうです。
 しかし、テーブルにぶつけたとたんに、
 その路傍の石的な人体の端の端は注目されます。

 痛む足の小指を、人の身体のあらゆる部分が応援します。
 とにかく、その痛みが消えるまで行動停止だ。
 回復を促すためにどんどん血液を送ろう。
 足の小指を守るために、みんなで庇って生きていこう。
 足の小指の先の痛みが、もし何日も続くと、
 応援団たちもだんだん疲れたり壊れたりしてきます。
 疲れの出てきたところで、やがては他の部分に
 問題が起こることもあるかもしれません。

 気持ちが元気で、身体の調子もいいときだと、
 おそらく足の小指の先の痛みも、わりと簡単に消えて、
 すぐに走り出したりもできそうですが、
 身も心も疲れているときだと、なかなか回復もせず、
 連鎖的に不調の波が押し寄せてきそうです。

 と、ここまで書いてきたことなのですが、
 これ、昔からぼくのイメージしている
 「組織人体論」の一部分なんですよね。
 小さなほころびや傷に思えることでも、
 それにつながっているあらゆる部分(みんな)に、
 継続的な負担を強いることになる、だとか。
 足の小指の痛みが心を挫くようなことになっている場合、
 それは、チーム全体に疲労が溜まっている、だとか。
 けっこう、いろんなことが想像しやすいんです。
 ぼくは、チームは人体によく似てると思っているので、
 ここらへんのアナロジーは、実際によく利用します。

 この、いわば「組織人体論」のなかで、
 いちばん大事なのは、やっぱり「希望」なんです。
 明日も生きたいと感じていること、つまり「希望」が、
 足の小指の先の痛みまで治してもくれるんですよね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
連載マンガの次の回を待つのだって、「希望」と言えます。


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