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「クレイジージャーニー」に遂に次元が違う人が来た。関野吉晴の極まりっぷりにスタジオ騒然、演出家落涙

7月30日(木) 1:00

取材対象に夢中になりすぎたあまりにクレイジーになってしまった旅人たちと世界を巡って、ヤバすぎる映像をガンガン流してしまっている話題の地上波ギリギリ番組『クレイジージャーニー』(TBS系・木曜23:53~)。先週、先々週と、丸山ゴンザレスによるジャマイカのマリファナ事情のレポートがオンエアされ、マリファナが出てくるわ、拳銃が出てくるわ、メッチャ大規模なマリファナ畑に潜入しちゃうわと、地上波の限界を突き抜けまくった映像のオンパレード!

ところが今週、7月30日放送分ではガラッと趣を変えて、アフリカで誕生した人類が、膨大な時間をかけて世界中に拡散していったルートを人力の旅でたどっていくアカデミックな紀行ドキュメンタリー『グレートジャーニー』で有名な探検家・関野吉晴が登場。ある意味、奇抜な旅人たちが次々登場するイメージのある『クレイジージャーニー』にド直球の壮大な旅人が出演とは、果たしてどうなるのか!? 今週もスタジオ収録後に演出の横井雄一郎氏をつかまえて、裏話&見どころを訊いた。

クレイジージャーニーたちが尊敬するクレイジーな旅人!
──『クレイジージャーニー』というタイトルはやはり『グレートジャーニー』を意識したんですか?

「『グレートジャーニー』自体、そんなに細かく見ていたわけではないので特に意識はしていなかったんですけど、タイトルを決める時にどこか頭の片隅にはあったのかもしれませんね。関野さんのことは、むしろ『クレイジージャーニー』がはじまってからより注目するようになりました。ゲストで出てくれたクレイジーな人たちが、みんな関野さんをリスペクトしているんですよ。こんなすごい旅をしている人たちから尊敬されるなんて、どんな人なんだろうと」

──確かに、関野さんからはものすごい大物オーラを感じました。

「関野さんを見ると、危険なスラム街に潜入している丸山ゴンザレスさんや、奇界遺産で変わった光景を見に行っている佐藤健寿さんとまた違った種類の達観した凄みがありますからね。南米からアフリカまで、人類がたどってきた約5万キロにも及ぶルートを逆から人力でたどって……。確かに昔の人たちも同じルートで旅をしたのかもしれないですけど、それは700万年とかかけてやってることですから!」

──『クレイジージャーニー』のゲストさんたちは、みんな「なんでそんな旅をするの?」っていう部分がありますよね?

「そこを『クレイジー』といってますからね。でも関野さんの『なんでそんな旅をするの?』はレベルが違いましたね。今回紹介するのが、日本に人類がやってきたルートのうちインドネシアから石垣島までの海路を、人力で船を漕いでの旅ですが、そこを旅しようと思うことも、人力だけで行こうとすることもクレイジーだなと思いました。」

──まあ、ギリギリ人力ってところまではまだ理解できないこともないんですが、船を作るどころか、木を切り出す斧の材料として砂鉄を集めるところからスタートするって……。

「もう、本当に理解出来ないですよね。今日のスタジオ収録はそういう空気を上手く出せたんじゃないかと思います。なんといっても、あの松本さん、設楽さん、小池さんがひれ伏していましたからね。松本さんが『仙人や!』といっていましたけど、本当に、考えることもやることもスケールが違い過ぎて……遂に次元が違う人が来たなと」

上級クレイジーを感じた
──今まで、これだけクレイジーな人たちを見てきた横井さんから見ても、やっぱり次元が違いますか?

「クレイジーな人たちにも何段階かあって、1段階目はクレイジーな感じがみなぎっているんですよ。『こんなことやってるんですよ!』『これがやりたくてたまらないんです!』っていうパワーが前面に出ている。そういう人たちも、もちろん素晴らしいんですが、関野さんはそこを超越した興奮を抑えた中でのクレイジーでしたね」

──たしかに、とんでもない体験を淡々としゃべる人だなと思いました。

「『どうだ!?』とか『俺はこうなんだ!』みたいな圧もなく、サラッと『僕はこうしたいからしているだけですよ』といってのけちゃう姿に上級クレイジーを感じましたね。もう、旅のVTRを見ているだけで泣きそうになるんですよ、あまりにも格好よすぎて……」

──やらなくていい試練を自分に課して、案の定メチャクチャ大変な目にあって……それでいて嬉しそうなのがすごいですよね。

「人類がたどったルートをたどりたいだけなら、何も人力で作った原始的な船じゃなくても、ボートでもクルーザーでもいいはずなんですよ。でも関野さんは『太古の人たちと極力近い方法で旅をして、その人たちの気持ちを感じたい』と考えてたんですね。それは、本人も言っていましたが、風だったり、匂いだったりそういうもの全てを感じたいということで、旅の出発点からして違うなと」

命のやり取りをやってきた人は話も面白い
──「ついてきてもいいよ」といわれたら、行きたいですか?

「あれはやりたくないですねー(笑)。過酷すぎるし、忍耐が多すぎるじゃないですか。危険なスラムを見てみたい、ものすごい光景を見てみたい……というのは、どこかに行って楽しむことが目的なんでまだ分かるんですけど、関野さんのは『ものすごく過酷な過程』が目的になっちゃってますからね」

──確かに、ゴールの石垣島も別に珍しい場所ではないですしね。「映像的にも海の上にずーっといて、珍しい景色が次々出てくるわけでもないので、スタジオで話すことがないんじゃないかというのも心配していたんです。『海で船が流されそうになって大変だったんですよ』なんてエピソードも、そりゃそうだろうって感じじゃないですか。でも、一見単調に見える映像の中でも、関野さん自身は僕らとまったく違う景色を見てきているので、『その時に僕はこうしてね』という話だけで十分面白かったですね。今までご紹介させていただいた旅と違って、「ゴールとなる何かを見に行く!」という内容ではなく、「壮大な旅の生活を見る!」というものだったので、どこに照準を合わせるかとか、どこをピックアップするかなどは、すごく考えました。でもそもそもその生活自体がトリッキーですし、ある意味全カット死ぬ可能性のあるシーンでもあるので、エピソードの臨場感とかも他と違ったので、やっていてとても楽しかったです」

──台本を見せてもらいましたが、他の回に比べると、だいぶ細かく書きこまれているように思いましたが。

「まあ、はじめて出ていただくジャーニーの時は、打ち合わせで聞かせて頂いてビックリしたエピソードを念のため細かく書いておくようにはしているんですが、今回の場合は、もう自分たちの確認用でしたね。『あの話もして欲しいな』『この話もして欲しいな』っていう、スタッフのためのメモです。命のやり取りをやってきた人たちは、どんな場でも一切動じないし、自分の言葉で淡々と語れますからね。案の定、関野さんは1ページも見てなかったですもんね。それでも面白い話がドンドン出てくるし、僕自身も思わず普通に見入ってしまいました。その辺りを楽しんでもらえたらと思います!」

ジャマイカ・マリファナ編も終わり、過激で危険な旅は一段落かな……と思いきや、アカデミックなふりをしながら誰よりもハードコアな旅をこなしてしまう関野吉晴の登場に圧倒されてしまった7月30日放送の『クレイジージャーニー』。上級クレイジーの世界とはどんなものなのか……テレビの前で正座して見届けよう!
(北村ヂン)
グレイトすぎるエピソードに、松本人志、設楽統、小池栄子驚愕しまくり
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「クレイジージャーニー」演出家・横井雄一郎。TBSテレビ制作局制作二部所属。1981年生まれ、2004年入社。これまで携わったおもな番組に「学校へ行こう!MAX」「リンカーン」「キングオブコント」「ドリームマッチ」など。現在は「クレイジージャーニー」(演出)「水曜日のダウンタウン」(ディレクター)を担当する
横井「タイトルを決める時にどこか頭の片隅にはあったのかもしれませんね」
横井「僕自身も思わず普通に見入ってしまいました」

【関連リンク】
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